あの夏の花火

CAST川原美杏

作者：kei

2022.06.20

私はミアン、
中学３年生。

来年は高校受験だから、
夏休みも遊びにばかり
行ってはいられない。

あの夏、
去年の２０２１年、
花火大会に行ったね。
仲良しのメンバーと。

親友のレイナ、ルミ。
そして同じクラスの
レン、タイヨウ。

私たち５人は、
遊びに行くときはいつも
一緒だったんだ。

花火大会の日は
早くから場所取りして、
花火が大きく観れる最前列で
みんなで花火を観ていたね。

そう、あの夏の
花火までは‥‥。

花火大会の次の日、
タイヨウがレイナに
告白して
２人はお付き合いを始めた。

レンもルミのことが
気になるらしい。

レイナもルミも
５人で遊ぼうよって
誘ってくれるけど、
わたしはなんだか
気が引ける。

だって、わたしがいなければ
４人でカップル同士に
なるじゃんって
考えてしまうから。

それ以降、
わたしたち５人で
会うことは
なくなってしまったんだ。

＊．．．・・・＊．．．・・・＊

２０２２年４月、
クラス替えで
転校生の男子と
同じクラスになった。

名前はユアン。

ユアンって、
わたしの名前と
一文字違いだ。

似てるな、名前・・・
なんて考えていたら、
ユアンと隣の席になった。

ユアン「よろしく！
俺、静岡から
引越してきてさ、
東京はよくわからないんだ。
いろいろ教えてね。
よかったらさ、
今度案内してよ」

ミアン「う、うん。
よろしくね！」

（なんだか、
グイグイくる人だなぁ・・・）

ミアン「でも来年受験だからさ、
塾もあるから忙しくて」

ユアン「勉強ばかりしててもさ、
たまには気分転換しないと！
８月の花火大会に
一緒に行こうよ。
隅田川の花火大会。
前からテレビで観ていて
行きたいなって
思ってたんだ！」

ミアン「４ヶ月先の話！
まぁ、それまで
勉強頑張って、
夏休みに息抜きで
花火大会もいいかな」

ユアン「そうこなくっちゃ！」

＊．．．・・・＊．．．・・・＊

２０２２年８月

花火大会まであと７日。

久しぶりに
仲良しだった５人の
グループラインで
レンから連絡が来た。

レン「ミアンさ、俺たち、
ルミとレイナ、タイヨウで
来週の花火大会
行くんだけどさ、
ミアンも行かない？
ミアンと同じクラスで
俺と同じサッカー部の
ユアンも誘ったよ！
あいつ、前から行きたいって
ずっと言っててさ」

ミアン「そういば、ユアンも
行きたいって言ってた！
いいよ。
６人で出かけるのは
初めてだし、
５人で顔合わせるのも
久しぶりだね！」

・＊。・　花火大会の日　・。＊・

レイナとタイヨウ、
ルミとレンが
２人で歩いている。

わたしはユアンと
歩いていた。

ユアン「あのさ、４月にミアンが
隣の席でさ、
勉強とか一生懸命な姿みて
かわいいなって
思ってたんだけど、
よかったら俺と
仲良くしてほしい。
受験が終わるまでは
お互い勉強あるからさ、
受験が終わったら
返事を聞かせて。
俺はこれからもずっと
ミアンが好きだからさ」

ミアン「え？　そうだったの？
急に言われて
びっくりした・・・。
告白してくれてありがとう。
恥ずかしいけど、
わたしも気になってた。
受験までは、お互いに
勉強がんばって、
終わったら、考える。
それまで待っていてくれる？」

ユアン「もちろん！
返事はその時でいいよ！
それまでは、
６人グループの
親友として、
ミアンを支えるよ！」

あの夏の花火から１年後、
疎遠だった私たちは
６人グループになって、
また仲良くなったんだ！

わたしはユアンが
隣にいてくれるのが
心地よい。

夏が過ぎて
秋がきて
冬がやってきても、
ユアンがわたしを
好きでいてくれていたら、

受験が終わったら

わたしもユアンに
伝えるんだ、

好きですって・・・。

＊ＥＮＤ＊