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俺の世界が、君で満ちた日。

CAST星乃あんな星乃あんな

作者:りっちゃん

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.05.17

俺は、君、
「星乃あんな」という人に
出会ったことで、全てが変わった。





最初に君を見たときのこと、
いまでもよく覚えてる。





にぎやかな街のなかで、
不思議と君だけが
光って見えた。





笑った顔も、
ふいに見せる真剣な横顔も───
全部。





俺はアイドルだった。





俺の世界は
ずっと音楽だった。





リズムで感情を伝えて、
ステージで
自分を見てもらってきた。





でも、君の前じゃ、
うまく言葉も選べない。





伝えたいことが多すぎて、
言葉が追いつかない。





だから今日、
俺は思い切って
伝えたいんだ。





飾らなくていい。





演じなくていい。





君の前の俺が、
本当の俺でいたい。





もし、俺のそばに
いてくれるなら───





この想い、
全部受け取ってほしい。





待ち合わせの場所に
着いた瞬間、
俺は言葉を失った。





駅の改札を出て、
まわりの人が
見えなくなるくらい、
きみが綺麗で。





黒いジャンスカに、
ふわっとした白のブラウス。





ふだんよりちょっと
大人びて見えるその格好に、





俺は心のなかで何回
「かわいい」って叫んだか
わからない。





あんな「やっほ、待った?」





って声をかけられて、
ようやく我に返る。





リョウスケ「ううん、
俺もいま来たとこ」





うまく笑えたか、ちょっと
自信はなかったけど・・・





きみは、にこって
笑ってくれた。





元町を一緒に歩いて、
カフェに入ったときも、
あんなはメニュー見ながら
ずっと笑ってて、





「リョウスケはスイーツ派?
それともドリンク派?」





なんて聞いてくるから、
俺は「君派」って言いたいのを
ぐっと飲みこんだ。





その後、港のほうに出て
海風に吹かれて、
観覧車のチケットを
手に入れたとき、





心臓がドクッと跳ねた。





「うわ、めっちゃ高い!」





って、はしゃぐ君の横で、
俺はずっとタイミングを探してた。





伝える言葉と、
覚悟と、勇気を。





ゴンドラがゆっくり
上がっていく。





夜景が広がりはじめて、
街がキラキラと光り出す。





きみがふいに、





「今日、来てよかったな~」





ってつぶやいて、
その声が俺の背中を押した。





リョウスケ「・・・俺も。
あんなと一緒にいると、
ずっと楽しい」





そう言ってから、
ちょっと間をあけて。





リョウスケ「・・・でも、本当はね、
伝えたいことがある」





俺の声が、少し震えた。





でも、きみは黙って
俺のほうを見てくれてた。





リョウスケ「好きだよ。
あんなのこと」





「最初に会ったときから、
ずっと」







沈黙のあと────





あんなが、そっと笑ってくれた。





あんな「・・・あたしも」





あんなのその言葉が、
静かなゴンドラのなかに落ちた瞬間。





俺のなかで何かが
音を立ててほどけて、
胸がぎゅっと熱くなった。





その瞬間、俺のなかの景色が
全部変わった。





観覧車のてっぺんで、





いちばん大切な人と、
いちばん大切な言葉を
交わせたんだ。





外の夜景も綺麗だけど、
いま、俺の目に映る光のなかで、
いちばん輝いてるのは───
君だよ。





リョウスケ「あ、やば・・・
ちょっと泣きそうかも」





って、思わず言ったら、
あんなが小さく笑ってくれた。





あんな「泣かないでよ~、
こっちももらい泣きするじゃん」





って。





その声すら、もう
愛しくてたまらなかった。





観覧車のてっぺん。





外には夜景が
きらきらと広がってて、





まるで俺たちの気もちを
祝福してるみたいだった。





リョウスケ「・・・なあ、
もうちょっとだけ、こっち来て」





俺はそっと手を伸ばして、
君の手を握った。





すごくあったかくて、





でも少しだけ震えてて。





それが、あんなが本気で
向き合ってくれてる証だって
思ったら、
もう、我慢できなかった。





リョウスケ「あんなのこと、
大事にする。
何があっても、俺が隣にいるから」





そう言って、俺はそっと、
あんなの頬に手を添えた。





あんなが、まっすぐ
こっちを見てくれてる。





逃げない目。





信じてくれてる目。





観覧車のなか、ゆっくり時間が
流れていくなかで───





ゆっくりと、顔を近づけて、
まぶたを閉じた瞬間───





ふたりの距離が、ゼロになった。





風が少し強くなって、
ゴンドラが揺れたけど、
俺の心は、もう揺れてなかった。





だって、いちばん欲しかったものが、
今ここにあるから。







*The END*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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