傘つかえよ！

CAST白尾留菜

作者：いちごみるく

2025.06.02

ザーザー

ルナ「また雨かぁ、
でも雨のおかげで
いまの私たちがあるんだよね」

＊。・　中１のとき　・。＊

ザーザーザーザー。

ルナ「白尾ルナです。
よろしくね」

みんな「よろしくね」

今日から中学生。

いままで恋なんて
知らなかったけど
してみたいなー？

ヒナノ「なに、ぼーっとしてるの？
座席表みにいこー！」

ルナ「う、うん」

ヒナノは
小学生のときからの親友。

同じクラスになれて
ちょーハッピー。

ヒナノ「えーっと、ルナの隣は
今井ハルトくん？
えー！　あのイケメン?!」

ルナ「えー、私の隣ー？」

なんか中学生活
楽しくなりそう！

ハルト「ルナちゃん？　だっけ。
よろしくねー！」

ルナ「よ、よろしく！」

あー、返事
そっけなかったかな？

それからはハルトくんに
少しでもかわいいって思ってほしくて
ニコラでたくさん研究しました。

だんだん仲よくなって
後ろの席のヒナノやリョウスケくんと４人で、
いつメンになることにしました。

でもある日・・・

＊＊-・．・＊＊＊・．・-＊＊

ヒナノ「私、リョウスケくんと
つきあうことにした！」

ルナ「えー、そうなの！」

リョウスケ「よろしくなー！」

・・・

キーンコーンカーンコーン

ルナ「あはははは！」

ハルト「そーそーそれで・・・」

先生「そこー！　うるさい！」

男子「おい！　白尾！
今井のこと好きなのー？」

男子「ヒューヒュー」

クラス中「あはははは」

ルナ「違う、違う、違うもん。
ハルトくんなんて大嫌い！
かっこよくないし、やさしくないし」

あ、私
なにいってんだろ、

涙があふれ出す。

ダメ、教室にいられない。

私は無意識に
走り出していた。

ザーザーザーザーザーザー

雨？

もう梅雨ってやだー！

でも、このモヤモヤを
あらいながしてー！

あー、ハルトくんに
なんてこと言っちゃったんだろ。

＊＊-・．・＊＊＊・．・-＊＊

１時間くらい
ぼーっとあるいたかな？

家に帰ると
傘がポストに入ってた。

私が大好きな
ウサギ柄の傘。

こんなのもってたっけ？

あれ、メモがある。

―――――――――――
　傘つかえよ　ハルト
―――――――――――

ハルトくん？

私のために？

まさか、

あんなこといったのに・・・

＊。・　次の日　・。＊

ザーザー

この傘さして行こ！

今日はちゃんと謝ろう。

男子「やーい、白尾！
昨日どこいったのー？
デート？　あはははは」

あーもうやだ。

顔赤いだろうなぁ。

ハルト「おい！　お前ら、
おれの彼女に手ェだしてんじゃねーよ。
ルナちゃん、だいじょうぶ？　いこ」

手を握られて
屋上に行った。

ハルト「あんなこと言ってごめん。
ルナちゃん、おれのこと嫌いだよな。
でも、あいつらが許せなくて、つい・・・
でもおれ、ルナちゃんのことが好き！」

ザーザー

ルナ「ごめん、
聞こえなかった」

ハルト「世界で１番愛してる。
雨で体が冷えても
おれが暖めてあげる。
あ、ごめん、オレのこと嫌い？」

ハルトくんは、
私を抱きしめたけど
すぐ離れた。

ルナ「昨日は、ごめん。
ほんとは、わたし
ハルトくんのこと好きなの！」

いった、

ついにいった。

ハルト「本当か？」

ルナ「うん。
きのうは、恥ずかしくて、
あ、うさぎさんの傘ありがとう」

ハルト「ルナちゃん、あ、ルナ。
オレの彼女だから言うこときけよ！
雨降ってたら、絶対傘つかえよ。
昨日みたいにしたら許さない。
風邪ひいたら、おれが心配しすぎて
ねれなくなるだろ！」

ルナ「はーい！　ハルト」

ヒナノ「ごほん」

ルナ「あ、ヒナノー、リョウスケくん！」

リョウスケ「君たちもカップルか！
ダブルデートを楽しみにしてたよ」

ヒナノ「来週、映画いこー！」

３人「うん」

わたしの初彼氏は、
こうやってできた。

そうだ、あの傘使って
いまからデートいこ！

＊ＥＮＤ＊