動物と話せる私と

CAST白尾 留菜白尾 留菜

作者:まよっぴ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2023.03.13

私、ルナ。
動物と話せるの。





犬とも、猫とも、
ライオンとも。





動物と喋るのは
すごく楽しい。





みんな今日の出来事を
はっきり楽しそうに
話してくれるもの。





でもね、人間の
付き合いは苦手。





人間は他の動物たちと
違って、思ったことを
素直に言ってくれないから、
よく分からないの。
私、空気読めないし。





だから、新潮中学校では
いじめられて、
動物と話せるのは
宇宙人だって
ののしられたから、
ニコラ中学校に転校して来たの。





この学校で
いじめられなかったら
いいな・・・





それで、お母さんに
動物と喋れることを
必死に隠しなさいって言われた。





普通の女の子として
頑張らなきゃ。





ルミ先生「今日は
転校生を紹介するね!」





「さぁ、白尾さん?」





ルナ「はい。
・・・白尾ルナです。
よろしくお願いします」





ルミ「じゃあみんな、
質問タイム!
何か質問はある?」





その時、さっと
髪の長い女の子が
手を挙げた。





カイラ「私、カイラ。
3組の学級委員だよ。
よろしくね!
趣味何?」





ルナ「しゅ、・・・趣味・・・」





一瞬、動物と話すこと、
と言いそうになって
口をつぐんだ。





えっと・・・





待って、他の趣味が
見当たらない。





動物と触れ合うこと、
でいいかな。





ルナ「どっ、動物と
触れ合うこと、ですかね」





カイラ「へぇ!
じゃあ良かったじゃん!」





「うちのクラス、
ハムスター
飼ってるんだよ!」





うそ・・・!
ハムスター・・・!





絶対、私に反応する。





私が何もしなくても、
動物たちは
私が気になって
話しかけてくるもの。





ハムスター・・・





でも、動物好きな
普通の女の子を演じなきゃ。





ルナ「良かった!」





ルミ「じゃあ他の質問は?」





色々な質問が来た。





他の質問は
別に困ったことはなかった。





でも、・・・
ハムスターだけが
気がかりで、
家に帰った。





ハムスターの落ち着きが
私のせいでなくなったら、
気づかれて、私また
いじめられるんじゃないかって
心配になる。





レン「おい!
ルナ・・・
だったっけ?」





ルナ「は、はい?」





そこにはかなり
イケメンな男の子が
立っていた。





レン「落としたぞ」





「これ」





その男の子の手には
私の手袋があった。





ルナ「あっ、
・・・ごめんなさい、
ありがとうございます」





レン「俺、レン。
よろしくな」





ルナ「っ・・・はい」





レン「家、どこなの?」





ルナ「え? ・・・えっと、
あの赤い屋根の・・・
家・・・」





レン「あぁ、
俺ん家の隣の隣だね」





ルナ「!
そ、そうなの?」





レン「うん。
ま、よろしくな。
また明日」





ルナ「また明日・・・」





あの子、なんか
不思議な感じ。





飼っている犬『ねぇねぇ!
今日学校、
どうだったの!』





猫『まぁ、この犬は
はしゃぎすぎですわね』





『一緒に帰っていた
動くものは
なんでしょう?』





ルナ「新しい友達。
レンって言ったわ」





犬『友達!
良かったじゃん!』





ルナ「また
失敗しなかったら
いいんだけど」





ユナ(母)「ルナ、おかえり。
中に入りなさい?
学校どうだった?」





ルナ「ん?
・・・まぁまぁ」





ユナ「そう」





ルナ「隣の隣の家の子と
友達になった」





「レンって子」





ユナ「あぁ、あの家の子ね。
バレないように
気をつけるのよ」





ルナ「でもあの子、
なんか不思議な感じがした」





ユナ「?」





レン・・・は
不思議な感じだった。





カイラちゃんは、
学級委員だ。





1番の問題は、
教室でハムスターを
飼っていること。





どうしよう?
これから・・・













・*。・ 翌日 ・。*・





ピンポーン





ルナ「あ!」





レンだ。
迎えに来てくれたんだ!





ルナ「ちょっと待って!
今すぐ行く!」





「お母さん、
行って来まーす」





ユナ「気をつけてね」





ガチャ





レン「ルナ! おはよ」





犬『お! 学校に行くのかい?』





ちょっ、ちょっと!
話しかけないでよ!





ここでバレたらまずい。
と思って無視した。





犬『え? どうした?』





『怒ったの?』





ごめんね、私ちょっと今
話せないの・・・





レン「その犬、
何か不満あるんじゃない?
キャンキャン言うし」





え?
なんで分かるの?





ルナ「そ、そう?」





レン「しゃべってもいい?」





え?





ルナ「いっ、いいと思う・・・」





私はレンをよく観察し、
耳を澄ませた。





レン「はじめまして!
俺、レンっていうの。
さっきの子と同じ、人間だよ」





犬『おお!
君も話せるんだ!』





ルナ&レン「き、君も!?」





ルナ「えっ・・・」





レン「ルナ・・・も・・・
喋れるの? 動物と・・・」





ルナ「レンも話せるの・・・?」





犬『僕の飼い主はどうだい?
君の彼女に
ぴったりじゃないか!』





ルナ「ちょ、ちょっと!///」





レン「はは、
センスあるねぇ」





え!?





センスあるねって!
どういうこと!?





本気!?





レン「あ、やべ。遅れる」





「じゃあね!」





犬『気をつけてね!
人間カップル!』





/////





レン「ルナ! 急げ!
あと3分だ!」





ルナ「ちょっと・・・
待って・・・
ハァハァ」





レン「ついてこいって!」





そう言って、レンは
私に手を差し伸べた。





ルナ「・・・うん!///」





私はその手を取って
ついて行った。





私、レンが好き。





まさか私と同じ
能力を持つ子が
いたなんて。





レン「ハァハァついたぁ・・・」





ルミ「あら! 2人とも!
ギリギリね!」





「また動物と喋ってたの?」





え? なんで先生が
知ってるの?





ていうか、なんで
クラスは動揺しないの?





レン「はい!」





ルナ「私のこと、言わないで」





レン「え? なんで?」





ルナ「だって
いじめられるじゃない」





レン「俺のこと、みんな
承知済みだぜ。
ルナも言って大丈夫。
いじめられたりしない。
もしそうなったら
助けてあげる」





ルミ「あら! 白尾さんも、
動物と喋れるの?」





ルナ「・・・はい・・・」





カイラ「すっごい!」





「いいなぁ~」





ルナ「え・・・へへ///」





レン「ハムスターの世話も
一緒にしような」





ルナ「・・・うん!//」







*end*

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