甘酸っぱい恋模様。
作者:まいまい
こんにちは!
私は白尾ルナ、中1です!
ニコラ学園に通ってます。
?「おーい! ルナーッ!」
そこに
走ってくる男の子が。
ルナ「ちょっとダイちゃん、
遅すぎっ!」
その男の子は、
ルナのそばにつくと、
「はぁ・・・」
と息をきらした。
彼の名前は
松瀬ダイジ。
私の幼馴染みで
昔から「ダイちゃん」って
呼んでるの。
毎朝一緒に
登校してるんだっ♪♪
私たちは歩き出した。
他愛のない会話で
盛り上がっていると・・・
?「ちょっとお2人さんっ、
相変わらず仲良しだねー」
と、女の子が
私とダイちゃんの間に
顔を出した。
彼女の名前は、
星乃アンナ。
私とダイちゃんと
同じクラスで、私の親友!
下校は一緒なんだ。
アンナ「そんな呑気に歩いてると
遅刻するよっ!」
元気なアンナは、
いつものテンションで言った。
ルナ「はいはい(笑)」
そして、
3人で喋りながら
歩いていると。
アンナ「やっば!!!
ウチ今日提出のワーク
終わってないんだった!!
ごめんっ! 先行くね!」
と、大声で叫びながら
走って行った。
ダイジ「面白いよね、星乃って(笑)」
ダイちゃんが
アンナが走っているのを見ながら
言った。
ルナ「そうだよねー。
まぁ明るくてイイけど♪」
・*。・ 教室 ・。*・
教室に着くと案の定、
アンナが机で
ワークをすすめていた。
ちなみにアンナの席の前は
私の席。
ダイちゃんは、
私の斜め前。
ルナ「頑張って!」
私はアンナに一声かけると、
スクバに入ってる教科書とかを
机の中に入れ出した。
?「おはよっ、白尾さん」
こ、この声は・・・??
ルナ「あっおはよ、リョウくん!」
彼は、黒澤リョウくん。
席が隣なんだ!
つまりリョウくんは、
ダイちゃんの後ろってこと!
私の・・・好きな人。
リョウくんが好きって事は、
幼馴染みのダイちゃんにしか
言ってないの。
アンナ「あっリョウくん!!!
この問題の答え分かる?」
リョウ「うーんとねー。
この図形の角が・・・」
アンナ「おー!
さすがリョウくん!
ありがとっ」
キラッキラの笑顔で
アンナが言う。
リョウくんは、成績優秀だから
勉強よく教えてもらってるんだ♪♪
ルナ「ほんっと、頭良いって
カッコ良いよね?」
私がボソッと言った。
「ねー」と、アンナも納得。
ダイジ「俺も頑張って勉強しないと、
ルナに好きになって
もらえなさそうだな・・・(小声)」
・*。・ 休み時間 ・。*・
アンナ「それでね、ウチの・・・」
アンナと
ガールズトークなう。
・・・を、割り切って
リョウくんが登場。
リョウ「あの、
次の数学で使うコンパス
誰か持ってない?
忘れちゃったんだ・・・」
ルナ「えっ??
リョウくんが忘れ物??」
アンナ「ねっ! びっくり!」
リョウ「俺だって、
忘れ物くらいするよ(笑)」
アンナ「あっ、私、
2つ持ってるよ♪」
と、言うとアンナは
自分の机からコンパスを取り出し、
リョウくんに渡した。
アンナ「はいっ」
リョウ「あっ、ありがとう。
星乃さん!」
アンナ「いいえ! ってか、
アンナで良いよ?」
リョウ「あ、うん・・・
アンナありがとう///」
コンパスが借りれて
ホッとしたのか、
呼び捨てが
恥ずかしかったのか、
リョウくんは少し
赤面していた。
いいなー、アンナ、
呼び捨てかぁ~。
私もっ!
ルナ「じゃあ、私の事も
ルナって呼んで!」
私はリョウくんに言った。
リョウ「うん! ルナ!」
リョウくんは笑顔で、
私の名前を呼んでくれた。
・*。・ 授業中 ・。*・
とんとん。
肩を叩かれて振り返る。
肩を叩いたのはアンナ。
アンナ「ごめんっ!
コンパス貸して(小声)」
ええええええ?
ルナ「2つ持ってるんじゃないの?(小声)」
アンナ「1つしか持ってないの・・・
でも、リョウくんに貸したくて・・・」
貸したい?
なんで?
まぁ、いっか。
私はリョウくんにバレないよう、
こっそりアンナに
コンパスを貸した。
・*。・ 授業後 ・。*・
リョウ「アンナ、コンパス!
はいっ!」
リョウくんがアンナに
コンパスを返す。
その光景を
少し遠くから見ていた。
アンナ「どういたしましてっ!
また何かあったら言ってね」
リョウくんと
普通に話せるなんて、
アンナが羨ましい~!
と、思ってた瞬間、
ほっぺをつねられた。
ルナ「いたっ!
・・・ってダイちゃんか」
どうやら犯人は
ダイちゃん。
ダイジ「ダイちゃんか。
って、なんだよ!」
ルナ「別にっ」
ダイジ「何かあった?」
ダイちゃんの瞳が、
私を見つめる。
私は目をそらして
「何もないっ」
と言った。
まぁ・・・ちょっと
不機嫌なだけ。
あんな光景見たらさ、
不機嫌になるよね。
ダイジ「頑張れよっ」
ダイちゃんは、
私に頭ぽんぽんとすると
廊下の方へ行ってしまった。
ダイちゃんは、
教室のドアの
廊下側に寄りかかり。
ダイジ「ったく・・・
いい加減気づけよな・・・
あんな瞳で見つめられたら、
ヤバいっつーの」
と、頭をくしゃくしゃとしながら
言った。
・*。・ 次の日 ・。*・
いつもの様に
ダイちゃんと登校。
・・・でも、なんだか
ダイちゃんがおかしい。
ルナ「ねぇ」
ダイジ「あん?」
ほらやっぱり、なんか変。
ルナ「なんか、ダイちゃん
今日おかしいよ?
喋らないし笑わないし、
目も合わせてくれないし・・・
何があったの?」
気になって聞いてみた。
ダイジ「・・・・・」
ダイちゃんは、
話してもくれない。
ルナ「・・・ねぇっ!!
なんで喋らないの・・・??」
なんで?
本当におかしいよ?
昨日とは全然違う、
怖いダイちゃんだよ。
ダイジ「・・・お前のせいだろ・・・
(小声)」
ダイちゃんが
下を向いて言ったのが
聞こえた。
ルナ「・・・えっ??
わ、私のせいなの・・・?」
私、何がしたのかな・・・?
ダイちゃんに
悪いことしちゃったのかなぁ・・・
ダイジ「え、あ・・・ち、違う!」
ルナ「今、私のせいって
言ったじゃん!
今更そんなごまかしても無駄」
私はうつむく。
ダイジ「だ、だから・・・」
ルナ「ごめんね。私、先に行く」
私は、ダイちゃんの顔を見ずに
走って学校へ向かった。
これ以上、
ダイちゃんの隣にいると
泣いちゃいそうだよ・・・
・*。・ 教室 ・。*・
はぁぁぁ・・・
机で頬づえついてる
なう。
アンナ「どーしたのルナ、
暗いよ? しかも今日、
幼馴染みサンと登校してないの?」
ルナ「ヒ、アンナィィ?!!!」
アンナ「わっ!
ど、ど、どうしたのさ!」
私は登校中にあったことを
全て話した。
アンナ「そっか・・・
んにしても、ルナ何したの?
心当たりは?」
ルナ「ない・・・」
そう話してる間に、
ダイちゃんが
教室に入ってきた。
今私たちは、
私の机で会話してるから
ダイちゃんの席はすぐそこ。
私はダイちゃんと
目を合わせないようにした。
そしてしばらく経つと、
リョウくんがやってきた。
アンナ「リョウくんおはよ!」
ルナ「お、おはよ・・・」
いくら好きな人でも
あんまり笑顔で挨拶する元気
ないな・・・
リョウ「おはよ!
・・・あれ、ルナ、
どうしたの?」
くるっ。
急にダイちゃんが振り向いて、
リョウくんを睨んだ。
えっ??
リョウくんが視線に気づいて、
前を見るとダイちゃんも
前を向いた。
何が、あったの?
ダイちゃんの顔、
怖かったな・・・
リョウ「ルナどうした?」
ルナ「あ・・・ちょっと、ねっ」
ダイちゃんが
近くにいるから、
言えない。
リョウ「相談のるよ?」
アンナ「リョウくん、頭良いし、
的確なアドバイスくれるかもよ?
相談してみなっ!」
ルナ「あ、じゃあ・・・」
リョウ「OK。
じゃあ後でね!」
昨日までの私なら、
リョウくんと2人だけで喋れるなんて
嬉しすぎたんだろうな。
でも、今がブルーな
だけだよねっ。
・*。・ 休み時間 ・。*・
私は、リョウくんに
屋上で相談した。
まっさらな空を見て
座りながら。
ルナ「・・・ってことなの」
リョウ「なるほどね・・・
ルナは、心当たりがないんだよね。
ってことは・・・」
ルナ「?」
リョウくんは、
少し間を開けて。
リョウ「ダイジくんの
単なる考えすぎ、ってことかな」
ルナ「えっ? 何それ」
リョウ「仮にダイジくんが
ルナを好きだとする」
待って待って!
ダイジが
私を好きって(笑)
幼馴染みだよ?
リョウ「ルナが他の男子と
盛り上がっていたら、
ダイジくんは嫉妬するだろう。
ルナちゃん、ダイジくんは
目を合わせてくれた?」
私は思い出す・・・
そ、そういえば。
ルナ「目を合わせてくれなかった・・・」
リョウ「やっぱりね・・・」
えっ?
ダイちゃんは、
私を好きってこと・・・?
私がリョウくんと話してるのが
嫉妬・・・?
キーンコーンカーンコーン。
リョウ「あ、予鈴だ。
先帰ってて良いよ!」
ルナ「先?
なんで、一緒に帰ろ?」
リョウ「ちょっと
1人で考えたいんだ」
ルナ「・・・分かった。
先帰ってるね」
リョウくん・・・
私のために考えてくれるんだ・・・
私は立って
スカートを少しはらうと、
ドアへ向かって歩き出した。
ドアノブを回す。
すると目の前に
ダイちゃんが・・・??
ルナ「あっ」
ダイジ「・・・よっ」
ダイちゃんは
私に軽い挨拶をすると、
屋上へ行ってしまった。
予鈴鳴ったのに?
ダイちゃんの行動が
気になった私は、
ドアに隠れて
ダイちゃんを見た。
すると、
リョウくんの隣に
座った。
会話が少し
聞こえてきた。
リョウ「自分の気持ち、
はっきりさせた方がいいよ」
ダイジ「あぁ。でも・・・」
リョウ「なんでためらうの?」
ダイジ「・・・いや。
なんでもない」
本当に、
ダイちゃんは
私を好きなんだ。
リョウくん、
ダイちゃんと話すために
残ったんだね。
さっきのダイちゃんの表情、
悩んでそうな顔だったな。
ごめんね、ダイちゃん。
ダイちゃんの気持ちに
答えられないよ。
やっぱり、リョウくんが
好きなの。
私は一筋涙を流し、
教室へ向かった。
・*。・ 次の日 ・。*・
『明日は1人で登校したい』
昨日の帰り際、
ダイちゃんに言われた。
だから今日は
1人で登校。
ちょっとさみしい・・・
かな。
アンナ「ルナ!」
気づいたら隣に
アンナがいた。
ルナ「アンナ・・・」
アンナ「1人で登校するなんて、
初めてでしょ?」
私は頷く。
アンナ「どう?
今の気持ちは?」
今の気持ち・・・
今の、自分の気持ち・・・
いつも登校するとき、
隣にはダイちゃんがいた。
お喋りしながら登校するのが
楽しかった。
少しさみしいかな。
少しさみしい?
いや・・・
ルナ「すごく・・・
すごくさみしい」
アンナ「それが本心?」
私はまた頷く。
ルナ「いつも
ダイちゃんが隣にいるのが、
当たり前だと思ってた。
でも、その当たり前が、
もしなくなったら・・・
すごくさみしいと思う。
ダイちゃんは、私にとって
大切な存在なの。
当たり前だけど、少し違う。
当たり前に感謝しなくちゃね」
アンナは、笑顔で
私を見つめる。
そして私の背中を
ぽんっと叩いて。
アンナ「ほらっ、笑って!」
私は笑って見せた。
・*。・ 休み時間 ・。*・
あ、そうだ!
リョウくんに昨日のこと、
ありがとうって言わなきゃ!
ルナ「あっ、リョウくん」
リョウ「あ、ルナ」
ルナ「昨日はありがとう!
リョウくんに相談して大正解だったよ。
本当にありがとう」
リョウ「いいえ!」
リョウくんは
笑顔でそう言った。
やっぱり、
リョウくんの笑顔は大好き。
でも・・・でも・・・
あぁ、自分の気持ちが
分かんないよ。
私の恋、難しすぎ。
アンナ「どうしたー?」
ルナ「あ、リョウくんに
お礼言ってきた!」
アンナ「そっか! ・・・あのね」
ルナ「ん?」
アンナ「ウチ、リョウくんの事が、
好きなんだ・・・
急だけど放課後に
告白しようと思ってるの」
えっ?
ルナ「そうなんだっ」
アンナ「でも」
?
アンナ「ルナも好きでしょ?」
えっ?
まさかバレてた?
ルナ「う、うん・・・」
アンナ「やっぱり。
だから、ウチあきらめ・・・」
ルナ「でも、過去の話」
私はアンナの言葉を
さえぎって言った。
アンナ「・・・え?」
ルナ「前までは好きだったの。
でも、私の1番そばにいる
1番大事な存在に気づいたんだ」
アンナ「そっか・・・
じゃあ放課後、頑張るね!」
ルナ「うん! 応援してる!」
・*。・ 放課後 ・。*・
ついにアンナが告白!
アンナ「カ、リョウくん!」
リョウ「ん?」
アンナ「今、屋上に来て?」
リョウ「いいよ!」
・*。・ 屋上 ・。*・
私は、ドアに隠れて
2人を見る。
アンナ「あの・・・
ずっと前から、頭良くてカッコ良い
リョウくんが好きでした!
付き合って下さい!」
リョウ「はいっ!」
アンナ「えっ、ホント??」
リョウ「もちろん!
俺もずーっと好きだった!」
わぁぁぁ!
おめでとう、アンナ!
・・・でも、リョウくんは
ずっとアンナが好きだったんだね。
私がリョウくんを好きだった時も、
アンナが好きだったんだなー。
なんか、複雑。
でも今は関係なし!
私は2人のところへ
走って行った。
ルナ「おめでとっ」
アンナ&リョウ「ありがとう」
・*。・ 下校 ・。*・
アンナとリョウくんは、
これから2人で登下校するんだって。
つまり、
登下校1人じゃん・・・
1人とぼとぼ歩いていると。
ダイジ「久しぶり」
わっ! ダイちゃん!
ルナ「ひ、久しぶり」
さりげなく並んで歩く。
ダイジ「星乃とリョウ、
付き合ったな」
ルナ「ねっ!
びっくりだよー!」
あっ、いけない。
いつものテンションに・・・
ダイジ「俺さ」
?
ダイジ「ずっとお前が
好きだったんだ」
ルナ「えっ?」
ダイジ「この前、
お前のせいって言ったのは
誤解しないでほしい。
ルナが可愛すぎて頭から離れなくなって、
意識しすぎたんだ。
ルナが嫌いなんじゃない。
ルナが好きなんだ」
ルナ「そうだったんだ・・・」
ダイジ「うん」
ルナ「私も好きだよ」
ダイジ「えっ??」
ルナ「ダイちゃんと
登校しなかった日、考えたんだ。
私にはダイちゃんが
大事な存在なんだって」
ダイちゃんが、
世界一大好き。
やっと気づいた。
私たちは、手をつないで、
また、他愛のない話をしながら
帰った。
沈みかけた夕日が、
私たちを照らしていた・・・
☆END☆
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