転生先は乙ゲーム！

CAST吉本麗南

作者：WASABI

2024.03.16

私は、レイナ！
今私は、最近ハマってる
乙ゲームの世界に
転生しちゃったの!!

転生先は
悪役令嬢なの！

どうせならヒロインが
良かったな・・・

まあ、この世界での
私の名前は
レーナ・アクルス。

国王陛下の元で
仕事をする上流貴族。

そして、
王子の婚約者が私！

でもヒロインに
意地悪をして
婚約破棄をされちゃうの。

ここでは私は
レーナとして生活します！

侍女「レーナ様！
勉強のお時間ですよ！」

レーナ「う、やだ!!
今日は休みにしようよ。
あの先生嫌いなんだもん」

侍女「やりますよ！
王子の婚約者なんだから」

レーナ「はーい」

＊＊　授業後　＊＊

私の婚約者の名前は
レン・アダルティー。

彼はクールで
みんなに人気だから
よく妬まれる・・・

レン「レーナ、久しぶり！
会いたかったよ」

レーナ「ありがとうございます。
せっかくここまで
お越しいただいたので
お茶でもご一緒どうですか？」

レン「あぁ、いただくよ」

レーナ「久しぶりですね。
こうして顔を合わせるのは」

レン「そうだな。
いかなる時も
お前のことを考えていたよ」

侍女「レーナ様、お茶です。
何かあれば私たちに
お申し付けください」

レーナ「コハナ、ありがとう！
コハナの入れるお茶
すっごい美味しいわよ」

レン「レーナ、人が変わったな。
昔は私が１番っていう
れっきとしたお嬢様だったのに。
そういえば最近
フタバ・ローランスさんとは
どうなのか？」

レーナ「相変わらず
大人気ですわ。
レン様、お褒めいただき
ありがとうございます」

レン「仲良くしてるなら
良かった！
あいつもそろそろ
婚約者ができたんじゃないか？」

レーナ「はい。フタバ様にも
ミサキ・プロシュカーさんとの
婚約が結ばれたそうです。
フタバ様もたいそう
喜んでいました」

レン「そうか、良かったな。
きっとフタバ嬢も一安心だな！」

執事「レン様、
そろそろお時間です」

レン「わかったよ。
執事さんは先行ってて。
お暇（いとま）しました」

レーナ「いえいえ。
お近くに来た際、またぜひ
よって行ってください。
お待ちしております。
では、お体に気をつけて」

＊＊　学園　＊＊

レーナ「おはようございます。
あら、フタバ様!!」

フタバ「おはようございます、
レーナ様」

レーナ「今日は
天気がいいですね！
このあとお茶でも
ご一緒どうですか？」

フタバ「あら、
それはいいですね。
私も是非参加させてください」

レーナ「今日は女子会ですね」

カイラ「・・・。
あの糞女！
レン様を独り占めして！
婚約破棄をさせてやる」

＊＊　お茶会　＊＊

レーナ「フタバ様、
ようこそいらっしゃいました」

フタバ「お邪魔します」

レーナ「どうぞゆっくりしなさって」

フタバ「ありがとう」

レーナ「週末にあるパーティーは
参加しますか？」

フタバ「はい、もちろん！
社会的マナーを
今から身につけとかないとと
思いまして」

レーナ「私もです。
お会いできたらいいですね」

フタバ「はい、そろそろ
夕刻に近づいてきたので
お暇させて頂きます。
お誘いありがとうございます！」

レーナ「いえいえ、
とっても楽しかったわ！
また来てね」

＊＊　パーティー　＊＊

フタバ「あら、レーナ様！
お会いできて光栄です」

レーナ「いえいえ、
私もあなたに
会いたかったわ」

フタバ「嬉しいお言葉
感謝します」

その裏で・・・

カイラ「レン様、
私見ましたの！
レーナ様がフタバ様を
いじめてるとこを」

レン「え、でも今すごい
仲良さそうに
話しているではないか」

カイラ「あれは演技です！
レン様もいるから
私と仲いいふりをしろって
言っているのを聞きました」

レン「そんな、あんな奴とはもう
婚約破棄をするしかないか。
せっかく心を入れ替えて
いたのかと思ったのに」

レン「レーナ!!
お前にはもう、うんざりだ！
婚約破棄をする」

レーン「え、なんでですか？」

レン「とぼけたふりをするな!!
お前がフタバ嬢をいじめて
陥れたんだろ」

カイラ「そうです。
私見ました！
いじめているとこを」

レン「ほら、目撃者もいるんだぞ！」

レーナ「私には身に覚えがありませんが」

レン「お前は父上に頼んで
国外追放を命ずる！」

レーナ「そんな。
私はそのようなことを
やってないのに」

みんなの視線が集まるなか
私が泣き崩れていると・・・

フタバ「そんなことをあたしは
レーナ様にされていません！
カイラ様の勘違いでは？」

カイラ「みんなも見ましたよね？」

ミサキ「私は見てません。
フタバ様の言う通り
レーナ様は私達下級貴族にも
優しく接してくれます」

アンジ「はい、
ミサキ様の言うとおりです」

レン「そうだったのか。
すまん。許してくれ」

レーナ「嫌です。
婚約者のワタシではなく
カイラ様を信用したのが
心底悲しいので
婚約破棄は
謹んでお受けいたします」

レン「婚約破棄だけはやめてくれ！
俺の世間面が・・・」

フタバ「レン様はそんなことを
考えていたのですね。
レーナ様、
こんな方との婚約は
やめましょう」

レーナ「そうね、
レン様すみません。
さようなら」

ツカツカツカツカ

＊＊　レーナ宅　＊＊

レーナ「フタバ様ありがとう！
とっても頼もしかったわ」

フタバ「こちらこそ
ありがとうございます。
恥ずかしいですわ」

フタバ「新しい婚約者
こちらの方はどうですか？」

レーナ「もう見つけてくれたんですか？
お仕事が早くて羨ましい」

フタバ「いえいえ。
えーと、
リョウ・クローカー様です」

レーナ「あら、素敵な方。
嬉しいわ。
フタバ様、ありがとう」

フタバ「コハナさんに頼んで
数日後にお見合いできるそうです」

レーナ「今日はフタバ様には
感謝しても感謝しきれないわ！」

フタバ「いえいえ」

レーナ「お礼として
こちらを上げます」

フタバ「こんな高そうなものを!!
いただけません！
私のような下級貴族には」

レーナ「フタバ様は
下級貴族でもありません。
そして、下級貴族だったとしてもいいの！
これは親友の印と感謝の印！
お願い、受け取ってくれたら嬉しいな」

＊＊　お見合い　＊＊

リョウ「レーナ様、
今日はよろしくお願いいたします」

レーナ「楽しみにしていました
リョウ様！
よろしくお願いいたします」

リョウ「レーナ様は
誰と仲いいんですか？」

レーナ「フタバ様よ！
あの子は思いやりもあって
上品で完璧な貴族よ」

リョウ「そうなんですか！」

レーナ「そうなんです。
あの子は仕事も早く
今日私達がこうして巡り会えたのも
あの子のおかげです。
感謝しても感謝しきれないくらいですね！」

リョウ「レーナ様は
お優しいんですね！
私はレーナ様を
傷つけるようなことはしません。
レーナ様が良ければ
私と結婚してくださいませんか？」

レーナ「ぜひ、喜んで」

こうして私は婚約破棄後
フタバという友達のお陰で
いい恋をすることができました!!

ありがとう！　フタバ。

―ＥＮＤ―