nicola

キーワード検索

声と笑顔をわすれた少女

CAST吉本 麗南吉本 麗南

作者:みつば

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.02.09

・*。・ 3年前 ・。*・





バッシャーン!





レイナ「ヒャッ!」





上から泥水が
かかってきた。





見あげると、3階の窓から
クラスの女子たちが
泥まみれのバケツを持って
笑ってる。





レイナ「はぁ」





レイナは更衣室に入ると、
ジャージを取りだした。





レイナ「あ、そっか」





ジャージは、ボロボロに
なっていた。





レイナは、なれた手つきで
バッグから新しいジャージを
取りだし、着がえた。





ガララララ・・・





教室に入ると、
悪夢が待っている。





机はボロボロ。
ノートもボロボロ。





周りには
さっきの女子がいる。





女子「あっきたきた。
ハハハw」





・・・バコッ





思いっきり
みぞおちをけられる。





ガンッ





女子「あんたのその顔を見てると
イライラする」





バンッ





・・・死にたい





もう痛さなんて
感じなくなってる。





心も、もう死んでる。





助けて・・・











・*。・ 3年後 ・。*・





あの学校からは遠く離れた
この学園に入学した私。





マスクを深くかぶり、
前髪を長くのばし、
顔は見えなくしてる。





クラスでも、
誰とも話さない。





言葉の出し方も
忘れたかもしれない。





今でもあのときの
心の傷がいたむ。





顔を出して、話して、
元気にしていると、





また、あの時のようになりそうで
こわくて、いつまでも1人でいる。





こんなの、いじめなんかより
ぜんぜん楽だし。





先生「今日は、
転校生が来ていますよ」





・・・転校生か。





話さない私には
何の関係もない。





ガララララ・・・





ドアが開くと、1人の男子が
入ってきた。





男子「えー、西ユアンです。
こっちらにすんでいる
祖父と暮らすために
引っ越して来ました。
これからよろしくお願いします」





わーわーと
教室がざわつく。





・・・パチッ





ユアンと一瞬、
目があった。





スッ





私はすぐに
目をそらした。





体温が熱くなるのを
レイナは感じた。





・・・ユアン、か。





うっ。
何考えてるんだ、私・・・





ダメだって。





顔も見せないし、
話さない私なんだから。













・*。・ 休み時間 ・。*・





となりの席から
話し声がきこえてきた。





ユアン「へー、
ルミちゃんって言うんだ。
髪さらさらでかわいいね」





・・・えっ?
今、なんて?





え? もしかして?





ユアンって・・・
チャラいの?





はぁ~。













・*。・ 数日後 ・。*・




先生「今日は
久しぶりの体育だぞ~!
着がえてこーい!」





更衣室に行き、
ジャージを出した。





あ、・・・ヤバい!!!





ヤバいヤバい
ヤバいヤバい!





・・・まちがえて
ボロボロのジャージと体操着
持ってきちゃった!





どうしよう・・・





いつのまにか時間がたち、
まわりの女子たちも
出ていった。





はぁ。
もう見学でいいかな。





今日のやつ
楽しそうだったのに・・・





更衣室を制服のまま出ると、
職員室にむかって歩いた。





ユアン「あれ? レイナ?」





ん?





ふりむいた。





ユアン「どうした?
・・・あっ、それ・・・」





どれ・・・?





レイナは
ユアンの目線の方をみた。





ヒャッ!





ボロボロのジャージが
見えてた!





レイナは急いでジャージをかくし、
走って逃げようとした。





ユアン「あ、待て! レイナ。
これ使えよ」





ふりむくと、ユアンが
ジャージと体操着を持ってる。





ユアン「これ使えよ。
俺、2つ持ってるし。
ないよりましだろ」





あ・・・ありがとう。





レイナは声をださないで
ユアンのジャージと
体操着をもった。











・・・ユアンが
ジャージと体操着をにぎって
はなさない。





ユアン「なんか言わねぇの?」





言う?
え? 無理だよ・・・





話せない。





ユアン「聴きたい。お前の声」





レイナ「ぁ・・・ぁ・・・」





ユアン「がんばれ」





レイナ「ぅ・・・
ぁ、あり、が・・・とぅ」





ユアン「話せんじゃん。
はい。早く着がえてこい」





レイナ「うん・・・」





レイナは小走りで
更衣室にいった。





はぁ・・・はぁ・・・





心臓がばくばくいう・・・





私・・・
話した・・・?





あ、早く着がえなくちゃ・・・















・*。・ 10日後 ・。*・




放課後。





先生「その2人!
まだ作文終わってないな?
いのこりです」





えっ? 私~!
はぁ。





・・・ユアンと
私だけの教室。





最近ユアンといると、
いろんなことが起こるな。





ユアン「レイナ」





レイナ「ぇ?」





ユアンが
手をのばしてきた。





えっ? 何・・・





ぺら





ユアンがレイナの
マスクをとった。





レイナ「な・・・」





ユアン「かわいいじゃん」





レイナ「やっ」





ユアン「レイナ。
今はもうだいじょうぶなんだよ。
お前らしく行けよ」





レイナ「・・・うん」





そっか。





私、長い間ずっと
むだにしてたんだ・・・





レイナ「ありがとう。
ユアンのおかげで、
私、変われそう」





レイナが笑った。





ユアン「・・・笑ってるとこ、
かわいいね」





レイナ「・・・本当チャラい。w」





ユアン「ははっ。
あのさ、レイナ」





レイナ「え?」





ユアン「好きなんだ。
俺とつきあって」





レイナ「はい。私も。好き」





ユアン・レイナ「あははっ」





ありがとう、ユアン。





私、ずっと
忘れてたんだ。





声も、笑顔も。





思い出せたよ。
ユアンのおかげで。





ずっと大切にします!







*終わり*

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

Like

この物語に投票する

吉本 麗南が主人公の物語が主人公の物語

NEWS!NEWS!

nicola TVnicola TV

物語募集

「ニコラ学園恋物語」では、ニコ読の
みんなが書いたニコモを主人公にした
オリジナルラブストーリーを大募集中!

応募する

主人公別 BACK NUMBER主人公別 BACK NUMBER

  • nicola TV
  • 新二コラ恋物語 恋愛小説を大募集!