花火を見るとキミの声がきこえる

CAST吉本麗南

作者：ふぁみちき

2024.03.06

パァーン！　パァーン！
（花火の音）

???「花火きれいだね！」

レイナ「そうだね」

???「また見に行こう」

レイナ「もちろん！　約束!!」

???「約束！」

そう約束したのに
彼は次の日、
私の目の前からいなくなった。

＊　‐‐‐　＊　‐‐‐　＊

私は、レイナ。

東京にあるニコラ学園に
通っています！

今日は、年に１度の
花火大会。

私はこの日が好きだった。

大好きだった。

大好きな人と約束した日。

そして、その約束が
破られた日。

でも、何年かごしにこの約束が
守られるかもしれないと思い、
毎年行っている。

・＊。・　花火大会　・。＊・。

パァーン！　パァーン！
（花火の音）

レイナ「やっぱしキレイだな、、、
なんだかキミの声が聞こえるよ」

私には幼馴染みがいた。

幼馴染みのタイヨウ。

タイヨウは、初恋の相手。

タイヨウとは毎年
花火大会に行っていた。

その年は
また見に行こうと
約束した。

なのに急に次の日、
彼は私の目の前から
いなくなった。

本当にびっくりで
大泣きした。

でも、もしかしたら
会えるかもしれないという
希望を持って
毎年花火大会に来ていた。

でも、来なかった。

いつになったら
来てくれるの？

いつになったら
約束守ってくれるの？

そう願う。

パァーンという
花火の音を聞くと
キミの声が聞こえる。

キミは
隣にいないのに。

花火大会の運営の人
「今から花火師による
花火についてのお話の会が
ございまーす！
ぜひお聞きくださーい」

レイナ「やっぱりキミは
いないみたい、、、
話でも聞きに行くか」

花火師「この花火は
花火が大好きな人に
届けたくて作りました!!
そして、、、」

そうして、花火師の方の
話が終わった。

花火師「最後に、
またこの花火を見ましょう！
また見に行こう!!」

このセリフ、、、

タイヨウだぁ～～（涙）

タイヨウだ！
本当にタイヨウだ。

よく見ると、あの目元と
口の感じが似ている。

私は頭で考える間もなく、
タイヨウがいる方に走っていった。

レイナ「タ、タイヨウ!!」

タイヨウ「レ、レイナ!?」

タイヨウは、私のことに
気づいてくれた。

レイナ「タイヨウ！
なんで約束破ったの!?
この何年間何があったの!?
ねぇ、ねぇ、教えてよ！
私はすごい心配したんだよ、、、
うわぁーん（涙）」

タイヨウ「ちょっレイナ！
泣くなって。
ちゃんと話すから」

私は、少し落ち着いた。

タイヨウ「あの日俺は
レイナが大好きな花火をつくる
花火師になろうと思ったんだ」

レイナ「花火師、、、？」

タイヨウ「初恋の大切なレイナに
花火を届けたかったから」

えっ///

タイヨウ「それを親に伝えると
じゃあ引っ越して、
専門の学校に行きなさいって
言われたんだ、、、
専門学校は北海道にあったんだ。
でも、伝えたらレイナにバレるからさ、
秘密にしたかったんだよ！
北海道で色々学んで、
色々な地域の花火作って、
やっと東京の大規模の
花火大会の花火
作れるようになったんだ。
それまで、レイナに
待ってほしかったんだ」

レイナ「そうだったんだ、、、」

タイヨウ「約束破ってごめん！
でも、好きです！
こんな俺だけど
付き合ってください！」

レイナ「お願いします！
花火ありがとう。
とってもキレイだよ！」

タイヨウ「ありがとう！
これからは毎年、一緒に見よう。
約束破った分
ずっと一緒にいるから///」

この日は
約束が守られた日。

そしてお付き合い記念日///

聞こえるはずがなかった声が
私の隣で聞こえるようになりました。

―ＥＮＤ―