3人の幼馴染

CAST吉本 麗南吉本 麗南

作者:デイジースター

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2023.09.11

私は、レイナ。





私には
幼馴染がいる。





学校一の美少女、
川原ミアン。





学校一のイケメン、
川原ユアン。





双子の2人と私。





告白とかプレゼントとか
下駄箱にラブレターとか
当たり前。





漫画から飛び出してきたような
イケメンと美少女。





その横にいる地味な私。





私なんかどうせ
2人の引き立て役なんだ。





「ねえ、これ
ユアン君に渡して!」





「これ、ミアンちゃんに!」





休み時間には
こんな感じ。





レイナ「ちょっ・・・。
こんな持ってけない・・・」





「吉本さんは
中間役だもんね!
だから大丈夫!」





クラスでもリーダー格の
ユナちゃんが言った。





どうしよう・・・

















+.. +.. +.. +.. +





ユアン「あ、レイナ。
何、その荷物?」





放課後、
部活がなかった2人と一緒に
帰る事にした。





レイナ「皆からミアンとユアンに
渡してって」





ミアン「またか。
レイナ、ごめんね」





レイナ「いいよ」





2人の中間、引き立て役。





昔からそうだった。





王子様みたいなユアンと
お姫様みたいなミアンの横で
黙って立ってるメイド役。





幼稚園のお遊戯会でも
主役の2人の横にいる
木役だったし、





ずっと中間役って言うか
ほぼマネージャーだったし。





私は2人といる限り
こうやって生きていくしか
ないんだ。





ユアン「レイナ。
なんかごめんな、いつも」





ミアン「本当なら手紙とか
自分で受け取るべきなのにね」





レイナ「いいよ、気にしないで。
ユアンはかっこいいし、
ミアンはかわいい。
こういう風になるっていう
運命だったんだって」





ユアン「レイナだって、かわいいのに」





ミアン「うん。そうだよ!
自信もってよ、
この可愛い子好きのユアンが
言ってるんだから!」





レイナ「お世辞がうまい
ユアンでもあるけどね。
・・・帰ろっか。
早くしないとストーカー来るよ」





毎日違うルートを通って
家に帰る。





仕方ないじゃん、
ストーカー来ちゃうんだもん。





私は2人と一緒にいないっていう
選択肢もある。





中間役をやめることだって
できる。





でも私は、2人に
恩返ししなきゃいけない。





私がまだ
小4の頃の話。

















+.. +.. +.. +.. +





幼馴染ではあったけど
今ほど一緒にはいなかった。





ていうか、正直言って
苦手なタイプだった。





明るくて優しくて
可愛いミアン。





フレイナドリーで優しくて
何気に女子力高いユアン。





裏の顔ありそうだし、
顔がいい人は性格悪いって
信じてたからね。





いつもみたいに
空気になって
授業を受けていた日。





「吉本さん!
すぐに家に帰りなさい!」





真っ青な顔して
駆け込んできたのは
保健室の先生だった。





先生の車に乗せられ
病院へ連れて行かれた。





レイナ「パパ? ママ?
お姉ちゃん?」





眠っている3人に
何度声をかけても
起きてはくれなかった。





握った手は冷たくて、
どうすればいいか
わからなかった。





昨日の夜、お姉ちゃんに
ごめんねって言わなかったことを
後悔した。





パパに大っ嫌いって言った事
ごめんねって言えなかった。





今日の朝、ママに
いってきますって言わなかったし、
誕生日なのに
プレゼント渡せなかった。





泣いても泣いても
帰ってきてはくれない――――





しばらくは、年の離れた
レンお兄ちゃんが
一緒にいてくれた。





朝早くにバイト行って
そのまま高校行った。





家に帰ってきたら
作ってくれたご飯があって
それを1人で食べてた。





でも、お兄ちゃんは
数か月で出ていってしまった。





時々叔父さんとか
叔母さんとかが来てくれたけど
家にいたのは長くて1週間だった。





1人になってから
3か月近く経ったころ。





1人でコンビニのお弁当を
食べていた時だった。





ピンポーン。





お兄ちゃんかな? と
ドアを開けた。





「レイナ、
ご飯一緒に食べよ!」





隣に住むミアンとユアンが
迎えに来てくれた。





言われるがまま
家に行った。





ミアンママは
温かく迎えてくれた。





ミアンパパは
出張でいなかったけど。





ママ「レイナちゃん、
1人が寂しくなったら
いつでも来ていいからね」





ユアン「そうだよ。
わがまま言いたくなったら
言いに来てもいいし」





ミアン「レイナの新しい家族だって
思ってよ!」





お葬式から出なかった涙が
一気にあふれた。





1人ぼっちでも大丈夫って
言い聞かせてただけだったんだ。





その日からミアンの家に
3日に1回くらいのペースで
行くようになった。





それでも温かく
迎えてくれた。





もしあの時、ミアンが
声をかけてくれなかったら・・・。





きっと笑えなくて
孤独に慣れてしまっていただろう。





だから、決めたんだ。





2人のために
できることをしようって。





中間役も苦じゃない。





2人のためならって思ったら
むしろやりたいくらいだ。





「吉本さん、好きです!」





私にいきなり告白してきたのは
あまり話したこともない、
女たらしで有名なオオゾラくんだった。





レイナ「ごめんなさい、
まだオオゾラくんの事
よく知らないし・・・」





オオゾラ「いいよ、
ゆっくり知って」





断ろうと言ったのに
裏目に出た。





仕方なく
付き合う事にした。





好きでもないのに
付き合うとか、最悪・・・。





なんかフッたら
文句言われそうだし。





予想通り
数週間で別れた。





「吉本さーん、
ちょっといいかな?」





なんか嫌な予感がする・・・。





校舎裏に呼び出しとか
もう怪しすぎる・・・。





しかも
1人じゃないし・・・。





まあ、いわゆる
ユアンファンと
ミアンファン。





これでも
ほんの一部のファン。





「あんた、オオゾラと
付き合ってフッたくせに
ユアン君と仲良くしないでよ!
ユアン君は、あんたみたいな
男好きなんて嫌いなの!」





「ミアンちゃんも同じだ!
だいたい吉本みたいな地味なやつ
友達なんて思ってねーから。
勘違いもいい加減にしとけ!」





散々言われ、突き飛ばされて
尻もちをついた。





蹴られて文句言われて。





もう嫌だ、誰でもいい。
助けてよ・・・。





嫌いなアイツでも
殺人犯でも
強盗犯でも誰でもいい。





ただこの状況を
変えてくれる誰か来て。





「ちょっとお前ら、
何やってんの?」





「レイナをいじめるなんて
いい度胸してんじゃん」





レイナ「ミアン・・・。
ユアン・・・」





2人、部活に行ったんじゃ
なかったの?





ユアン「なんか嫌な予感するなって
思ったら、こういう事か」





ミアン「あんた達が集まると
いいことないじゃん」





「いや、これは・・・」





「吉本が! 吉本が
こうやれって言うから
やってんの!」





違う、違うのに・・・。





ユアン「そっか。
じゃあお前ら悪くないな」





つかの間の沈黙。





終わった。





ミアン「なーんて
騙されるわけないじゃん、
バーカ」





ミアンがバカっていう事
あるんだ。





ユアン「ていうか、オオゾラの事
レイナは好きじゃなかった。
むしろ嫌い。
俺は、レイナを傷つけるやつ皆嫌い」





ミアン「そうそう。
まあレイナは友達でも
言っちゃえば幼馴染じゃないけど」





レイナ「えっ・・・?」





ざまあみろって顔で
皆こっちを見た。





ミアン「家族だよ。
レイナは、私の家族なの。
それとこれ、もらえない」





と、今までもらった手紙やら
プレゼントを投げつけた。





ユアン「俺も。
こんな性格悪い女子なんて
大っ嫌い」





「チッ、帰るよ!」





バタバタバタ。





レイナ「ありがとう・・・」





ミアン「ユアンがさ、
何か怪しいって
部活中に呼び出してきて」





ユアン「なんかあいつらヒソヒソやってて
レイナが校舎裏に呼び出されてたから。
何年一緒にいると思ってんだ」





レイナ「生まれてからずっとでしょ?」





ミアン「そういえば、
レイナは家族って
本気だからね」





レイナ「どういう事?」





ミアン「義理のお姉ちゃんになっても
いいよって事!
相変わらずレイナは、鈍感だなぁ」





ユアン「レイナ、俺じゃダメ?」





ミアン「私、賛成! ・・・って
レイナの事なんだけどねww」





レイナ「しょうがないな。いいよ!
でも、普通は付き合ってくださいが
先でしょ!
ユアンのバカ!」





いつもみたいに
3人並んで家へ帰った。





すぐにユアンがうちに来て、
ミアンもミアンママも
たまにうちに顔出すようになった。





結婚までは
まだちょっと遠いかな?







☆END☆

*ニコ学名作リバイバル*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。

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