ミノリガサ

CAST川原 美杏川原 美杏

作者:にこにこ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2022.03.19

今年もあの季節が
やってきた。





大体の学生が
嫌っているであろう、
梅雨だ。





今は6月、
空気も生徒も
みんなジメッているからか、
学校の雰囲気は悪い。





試験が間近なので、
雨の音を聞きながら、
私たちは勉強をする。





よしっ、
今日も頑張ろ。













・*。・ 新潮学園 中等部・。*・





ミアン「おはよう
ございますっ」





学年でもクラスでも、
私は割と真面目な方。





親に性格が似てて、
ついかしこまっちゃう。





そんなことを
思いながら、
私は教室へ入った。





ミオコ「ミアンおはよ~」





ミアン「おはよう。
ミオコちゃん、
国語の課題やった?」





ミオコ「終わってないんだー。
今からやる」





この子は
ミオコちゃん。





陽キャでも
陰キャでもない、
明るくて優しい
私の友人。





ミアン「そっか、
頑張って」





ミオコ「ありがとー。
ミアン優し~」





ミアン「そうかな?笑」





ミオコ「うんうん、
優しいよー。
あ、じゃあ
課題やってくる」





ミアン「ありがと、
じゃあまたね」





新潮学園は、
この辺では有名な
私立校だ。





ここの高等部に進学した
新潮凛美さんという先輩は、
校長先生のお孫さん
なんだって。





娘さんのリミ先輩は
東京模試の偏差値66って、
本当に尊敬する。





それでいて
嫌われてないらしいし。





そして、
リミ先輩には
妹がいて。





ミオコ「そうそう。
昨日お姉ちゃんがね、
公立高校に通ってる
お友達を呼んできたんだ」





ミアン「へぇ~、
それでそれで?」





ミオコ「その子たちの中に、
お姉ちゃんより
東京模試の偏差値が
高かった人がいたの!
すごいよね。
72だよ」





ミアン「えっすごいね!
そんな高いの?
周りで初めて聞いた」





ミオコ「私も初めて~。
ちょっと
公立なめてたし笑」





そう、彼女―――
ミオコちゃんこそ、
リミ先輩の妹なのだ。





東京模試の偏差値は
63らしい。





ミオコ「私も
偏差値70くらいに
なりたいな~」





そう言って、
〈新潮美央子〉と
書かれたネームタグを、
恥ずかしそうに
揺らすミオコちゃん。





その姿に癒される。





レン「ってか
雨やばくね!?」





突然キーンと響いた
大声に、
2人でビクッとする。





その主は
内田蓮くん。





内田くんは陽キャみが
ちょっと出てて、
いつも男子と
おしゃべりしてる。





「帰れねーよ、
こんな降ってたらさぁ」





とか、





「電車とか
大丈夫かなー」





とか、
ぶつぶつ呟いてて
何だか面白い。





ミオコ「誰のこと
見てるの?」





ミアン「え?
あ、内田くん」





ミオコ「えーなんで?
内田の何が
気になるの?」





ずいずいっと
にやにや顔で
ミオコちゃんが
突っ込む。





八田大翔くんまで
「レンがどーかした?」
と混ざってきて。





ミアン「気になるっ
ていうか、
面白いなって」





ハアト「んーまぁ
確かにね?
でもさ、そんな
じっと見てたら
怪しいだろ笑」





ミオコ「だよねだよねー。
そう言うミアンの方が
面白いけど!」





ミアン「えっ!?
えぇぇぇっ、
それはナイナイ!
それより、内田くんに
変なとこ見られたら
どーすんの?」





ミオコちゃんと
ハアトくんは、
ふたり一緒に
「笑」と私の肩を
叩いた。





ミアン(ふふっ、
双子みたい)





パウダーをかけてきた
サラサラのお肌を
触りながら、
クスッと笑う。





私はこの時間が好きだ。





ミアン「わっ、
内田くんが
こっちくるよ。
見つかっちゃった・・・
の、かな?」





ハアト「ってか、
何がそんなに
面白いの?」





ミオコ「私もそれ思った。
ねぇねぇ、なんで~?」





ミオコちゃんと
ハアトくんは
かわいい声で
質問してきた。





面白く思う理由、
かぁ・・・・・・
何だろ。





ミアン「んー、
何だろうなぁ。
陽キャみがあるのに、
ぶつぶつ独り言してて、
友達がそれには何も
反応してないとこ?」





ミオコ「ふふふっ、
何それ」





ハアト「やっぱミアンの方が
面白いって笑」





ミアン「えー、
そうなの?」





そう言って、
やっぱり2人は
笑った。





ミアン(もうっ。
2人とも、私が
面白く見えるの?
どういうことよ~)





つられて
笑みをこぼすと、





「はははっ、
3人とも
楽しそーだな」





と内田くんが言った。





んもー、キュンって
するじゃん。





レン(なんか睨まれたし!
・・・でも、
睨むミアンも
かわいい)





ずっとにこにこしている
内田くんは、
私より面白いと思う。





私が、自分はどこか
面白い、ってことが
無自覚なだけなのかな。





おっと、内田くんの笑いが
ニマニマに変わった。





レン「おい、ミアン」





ミアン「ヘぁいっ」





その途端に
話し掛けられ、
ドギマギする。





ミアン(わっ、
恥ずかしい!)





変な声を
出してしまった。





鼓動が速い。
恥が私を
付きまとう・・・





そうやって
ドキドキしていたら、
内田くんが近づいて来た。





鼓動は
更に速くなる。





レン「あのさ。
そろそろ俺のこと、
名前で呼んで
ほしいんだけど」





珍しく赤い
内田くんの顔を見ると、
こっちも林檎に
なりそうになって、
私は恥ずかしい。





ミアン「えっ、なんで突然?
・・・う、内田くん?」





レン「ダーーーメ。
レンって呼んで
くれなきゃ、俺は
許さないから。
・・・・・・///」





ミアン「えぇ~・・・?
わ、わかりました
・・・・・・?」





もっともっと
顔を赤くして、
林檎よりも鮮やかな
完熟トマトになった彼は、





「ははっ」と笑って
私の肩をポンっと
触ってきて。





レン「ほら、呼んでみ?
レ、ン///」





そのトマトは、
私に「レン」と
呼ばせた。





いや、くん付け
しないと!





ミアン「え・・・
レ・・・・・・
レンくんっ」





レン「///――――――
やっば、照れるわー」





やっとのことで
私が言うと、トマトは
完熟する前に戻り、





「普段は苗字で
呼ばれてる人に
名前で言われるって、
こんなに照れる
もんなんだな」





と笑い続けた。





ミアン(もう・・・
こっちが照れるよ、
内田くん。
いや、レンくん)





レン(やばっ。
やり過ぎた・・・・・・
引いてねぇかな)





逆向きになった私たちは、
その後10分、顔の赤みが
引くことはなかった。





ミオコ(ほーう、
これは内田、
ミアンのこと
好きだなぁ?)





ハアト(こりゃあ
大変なことになるぞ)





ほんと、なんでレンくん、
私に名前で
呼ばせたんだろう。





それでも、外の雨は
知らん顔で私を
見つめた。













・*。・ 放課後 ・。*・





窓の外を見た瞬間。





ぽつ、ぽつ、ぽつ―――





ミアン(・・・え、
嘘・・・・・・!)





―――ザザザザザザ
ーーーーーーーーー
・・・・・・





ミアン(午後から
雨やむって
言ってたじゃん!
テレビの嘘つき~~~っ)





突然、雨が
再び降り始めた。





“今日は9時頃から
大雨になりますが、
午後からは
晴れるでしょう。
東京都心では、
にわか雨の心配は
なさそうです”





今朝、テレビの
お天気アナウンサーが
発していた言葉は
嘘だった・・・





レン「げー、雨かよ!
傘持ってねぇんだけど!」





ハアト「おっ。
レン、それってマジ?
朝は降ってなかったけど、
俺は持ってきといた!」





ミオコ「持ってないの
内田くらいじゃない?
みんな持ってるよ笑」





3人の騒ぐ声が
教室に響く。





「内田くらいじゃない?」





ってミオコちゃんは
言ってたけど、
実は私も持ってない!
どうしよう・・・・・・汗





レン「まぁいーや、
びしょ濡れで帰ろーww」





ハアト「置き傘あれば
それで帰れよ?
じゃなきゃ
風邪ひくぞ!w」





レン「そりゃそーだろ!
俺だってそこまで
しないって!」





みんなが教室から出て行き、
自分たちの傘を取り
出して階段を降りる。





その光景が羨ましい。





傘を忘れたことが、
こんなに苦痛だとは・・・





レン「・・・あ。
なぁミアン、
行かねーの?」





ミアン「あぁっ、
ごめんなさい!
行きますっっ」





途中、足が止まる私に
声を掛けてくれたのは、
レンくんだった。





私が傘を持っていないのに
気づいてくれなければ
いいんだけど・・・





・・・って、あれ?





ミアン(なんで私、
レンくんには
見られたくないって
思ったんだろ)





恥ずかしいから?
でも、ハアトくんになら
見せれる気がする。





あまり関わりのない
レンくんなら
大丈夫だと思うのにな。
それとも・・・・・・、





恋?





レン「一緒に行こーぜ」





ミアン「あ・・・うんっ」





レン「嫌じゃない?」





ミアン「うん・・・・・・」





何このデートっぽい
雰囲気。





でも、私・・・本気で?





あの瞬間からの、
彼の言動だけで・・・
好きになってたの?













、 。・、 。・、 。・、 。・、 。・、 。・





とうとう昇降口。
置き傘のある箱の中を
見ると、
残り1本だった。





どうしよう、2人いたら
ダメじゃん・・・!





ミアン(しかもドット柄だ。
水色でガーリーだし
・・・・・・
私にも合わない)





でも、2人が
安全に帰るには、
相合傘しか方法がない。





ちょっと待って、
相合傘は流石に
できないよ。





でも、じゃあ
どうすればいいの
・・・・・・?





その時、レンくんが
話し掛けてきた。





レン「しゃーない、
その傘で2人で
帰るしかないな」





ミアン「えっ・・・!?
それ本気で
言ってるの!?」





レン「いやだってさ、
それしか
方法ないもん」





ミアン「・・・・・
・・・・心の問題で
ダメですっ」





レンくんは
固まった。





私に呆れているかの
ような目で、外を見る。





―――そのまま、
レンくんは
喋り続けた。





レン「お願い。
ミアンを
置き去りにして
帰れないし、
俺は明日から
大事な試合あって
風邪ひけないんだ」





ミアン「そ、っか・・・
それは仕方ないね」





真面目な顔の奥で、
私は照れる。





何だか格好良くて
こっちが
恥ずかしい。





そんなことを
思っていたら――――――





私の手が、レンくんと
繋がれた。





恥ずかしくて
言葉も出ない・・・!





ミアン「・・・・・・・・・っ」





レン「っしゃー、
行くぞっ!!!」





ミアン「えぇぇぇっ!?」





バッと傘を開くと、
彼は私の手を引いて、
自身の方へと近づけた。





胸はドキドキ
鳴り止まない。





レン「濡れるなよ。
お前んち、どこ?」





ミアン「ここから
10分・・・
新潮ストリートの中」





レン「そんなら
俺も近い、
行くぞっ!」





ミアン「ほ、
ほんとにぃ~~~!?」





みんなが見ている中、
私たちは小走りで
学校から出る。





そして、
新潮ストリートを
目指して
また小走りする。





ミアン「ねぇ・・・
ごめんね」





レン「ん・・・っ、
こっちこそごめんっ!」





途中、信号機の前で
立ち止まった私たち。





レン「実は
謝らなきゃいけない
ことがあって」





私はレンくんに
とがめられる。





レン「実は・・・
この傘、
〔実り傘〕って
言うんだ」





そして、伝えられる。
私の知りもしない
単語を。





レン「この傘な、
3年前くらいから
置いてあって。
いつかわかんないけど、
俺たちみたいな奴らが
相合傘したんだって。
この傘でそうしたら、
恋が実った。
だから、〔実り傘〕って」





ミアン「え・・・嘘、
でしょ?
そんなことを知りながら
使ってたの?」





レン「ごめん。
ほんっとに、
ごめん・・・・・・」





謝り続ける彼。
もう信号は
青になっていて、
他の人たちは
私たちを見ながら
通り過ぎていく。





レン「///
・・・・・・・・・
行こっか」





ミアン「照れてるの・・・?」





レン「そうだけど
・・・・・・
俺がそんななんて
似合わねぇな」





もう、これ以上は
照れようがないくらいに、
彼は照れている。





それを見た私は
勇気を出す。





出して、聞くんだ。





ミアン「私のこと―――
好き、なの?」





聞いたんだ。





レン「――――――
っはーーー!
もう無理!」





すると、レンくんは
大きく息を吐いた。





私は戸惑う。
オロオロする。





レン「そうだよ、
ミアンのことが好きなの!
バレちゃ仕方ねぇ。
もー白状するしか
ねぇじゃん・・・っ」





ミアン「な・・・・・・
ごっ、ごめんなさいっ!」





これ以上ないくらいに
落ち込む彼を
みんなが見る。





ごめん、ごめん、
そうやって謝り続ける
私も。





ミアン「あんなこと
言わなきゃ良かった。
本当に無神経だった。
周りに人がいる中、
『私を好きなの?』
なんて・・・」





レン「いや、俺が悪い」





ミアン「ううん・・・
そんなことないよ」





その後、何回か
「いいや」
「ううん」
「違うって」
とか繰り返してたら、
彼は呆れたよう。





痺れを切らして、





レン「・・・・・・
あのさ」





と言った。





ミアン「・・・・・・
何・・・・・・・・・」





彼の顔は、
真っ赤だった。





レン「俺」





私に、彼自身を
好きにさせるように。





レン「ミアンのことが」





完熟トマトの口が
走った。





レン「好きだ」





―――――――
―――沈黙。





私は黙って
彼を見上げた。





ミアン「知ってるけど・・・?
もう、わかって
・・・・・・る、
ッッ!?」





口を抑えられた今
ようやく、彼が
傘を置いたことに
気がついた。





雨はザァザァ
降っている。





バケツがいくつあっても
足りないくらいに
降っている、





なのに――――――
何故なの?





レン「――――――
あの、さ」





もう一度なんて
いらないんだよ
・・・・・・・・・!





だって、もう私、





レン「付き合って
下さい・・・ッ!?」





君のこと
好きなんだもん。





今、私がしているように。





こんなように、
抱き締めたいくらい。





それくらい、
君のこと―――
好きになっちゃった
んだもん。





ミアン「突然こんなことあって、
そんな短い時間だけで
好きになるなんて、
自分でもびっくりしてる。
けど、これは
本物なんだよね」





レン「・・・・・・
・・・・・・」





ミアン「好きだよ、
レンくん///」





普段の真面目モードを
思いっ切り崩して、
私は告(い)った。





ミアン「ね、私と
付き合いたいんじゃないの?
実り傘を使った意味、
なくなっちゃうよ?」





レン「ごめん、
傘ちゃんとやるな」





ミアン「もう、
返事ちょうだいよ。
付き合いたいの?
そうじゃないの?」





レン「・・・・・・
付き合いたい~~~!」





ミオコちゃんと
ハアトくんが
見ていることなんて、
気がつかなくて結構。





ミアン「これから宜しく
お願いしますっ」





レン「ん・・・宜しく」





レンくんはもう
私の彼氏なんだから!





ミアン「さっ、帰ろ!
そういえば、実り傘って
ほんとなんだね」





レン「決まってんだろ、
俺らが使ってんだし」





ミアン「え、照れてるの?
『俺の彼女と』って
言ってほしいのに。
私だって積極的に
なっちゃおっかな」





レン「やめろよー、
俺の出番なくす!」





ミアン「ふふふっ」





こんなすぐに
好きになって、
すぐに付き合って
しまったけれど。





レンくん、大好き!











、 。・、 。・、 。・、 。・、 。・、 。・





〔実り傘〕で
相合傘をしたら、
恋人同士になれました/////







・*。・THE END・。*・

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