【誌面未公開】俳優・白洲迅が語る“14歳”の自分【ニコラ初登場!】2024.10.21エンタメ
数々の役柄を自分の色を出しながら演じる俳優・白洲迅。彼が過ごした「14歳」の時間とは? その経験が今に役立っていることとは? 本誌では語りきれなかった内容をニコラネット限定でお届けします!
―ニコラ読者世代である「14歳」の頃はどう過ごしていましたか?
分かりやすい流れに身を任せていた14歳だったなと思います。自分のやりたいものや好きなことで「これだ!」と言える確固たる何かがなくて、そのことに対しての焦りがものすごくありました。でも当時はその焦りがうまく言葉にできなくて、漠然とした不安感とか、何かに置いてけぼり感をくらっているような感覚でいました。まだ14歳だし、確固たる何かを持ってない子なんてまわりにもいっぱいいたと思うんですけどね(笑)。
あと「14歳」である中学生時代は、流れに身を任せて入った野球部の練習で、厳しいコーチにビビりながら毎日のように必死で球を追っていました。だから「14歳」の思い出は?と聞かれるとその95%が野球部ですね(笑)
―今、思い返してみて大切だったと思う経験はどんなことですか?
やっぱり野球部でがんばった経験は大きかったと思います。あとは自分の中でいろんなことをこねくり回して考えていた経験も……。まだ自分の考えをうまく言葉にできないような段階で、漠然と何かに悩むという経験は大人になってからはできないことですよね。大人になると自分が何に対して悩んでいるのかっていう原因はなんとなく分かるし、じゃあどうすればいいのかっていうことも心のどこかで気づいていることが多いじゃないですか。いろいろ考えて頭の中でたくさん寄り道をしながら思いもよらない自分に出会うっていう経験ができたことはすごく大切だったなぁと思います。
―10代の経験で今に役立っていることは? 役者というお仕事に繋がっていることもあれば教えてください。
とにかく目の前のことに対して全力でやり続けるということを野球部で学んだんですけど、それは今も役立っています。自分がどこに向かっているか分からなくても、一生懸命超真面目にやる能力は高いし、14歳のあの頃も今もそこは変わらない部分だと思います。その積み重ねが今の自分を作ってくれたなってことだけは自信を持って言えますね。でも、できる人はやっぱりちゃんと先を見据えて計画を立てた方がいいとは思いますけど(笑)。
あと俳優というお仕事は、役についてああでもない、こうでもないということを考えすぎるぐらいでちょうどいいんだと思うんです。やってもやってもやりきったってことはないし、正解もないと思うので。10代でいろいろと考えたりしたことが、今は役との対話みたいなことに繋がっているのかなぁと思うし、我慢強さやタフさみたいなものも野球部の経験で培われたものでしょうね。元々は僕、超ガラスのハートだし、メンタルも弱いんです(笑)。野球をやってるときも落ち込みやすかったけど、我慢強さはあったので、クヨクヨしながらもいろんな人に助けられながらここまでやってきたって感じです。
―俳優というお仕事では言葉がとても大事だと思います。「14歳」のときからずっと記憶に残っている言葉とかはありますか?
んー、ないです(笑)。ありがたい言葉をありがたい言葉として受け取る感性がまだなかったんだと思います。きっとそういう言葉はいっぱいもらったはずなんですけど、具体的な言葉としては残念ながら覚えてないですね。まだ言葉というものの大事さを分かってないし、執着もあまりなかったんじゃないかなぁ。その頃から言葉への関心がもっとあったらよかったのになぁ…と今は思っています!
>>PROFILE
白洲迅/しらす・じん 1992年11月1日生まれ、東京都出身。“第22回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト”でベスト30に残ったことをきっかけに芸能界に入り、2011年『ミュージカル テニスの王子様』でデビュー。最近ではドラマ『君が心をくれたから』やドラマ『ギークス〜警察署の変人たち〜』に出演。
Photo/Chiba Taichi Text/Ando Yoko