鏡の国の妖精と5人の恋ミステリー
作者:あんバターねこトースト
私、ルナ。
鏡の国の妖精。
歳で言うと、中学1年生。
話は戻って、鏡の国は
ニコラ学園の鏡の中にあるの。
時々、生徒をここに連れてきて
恋を叶える手伝いをする。
それが今日。
私は、手に持っている
タブレットをみる。
・ヒメノ・リョウ
・ミユウ・ナツ
・レン
ルナ「5人、か・・・」
いつか、ここから出られる。
そう思いながらつぶやいた。
・*。・ ニコラ学園 ・。*・
ヒメノ「ミユウ、あれって
リョウ先輩と
ナツ先輩じゃない?」
ミユウ「本当だ!
今日もかっこいい~!」
ヒメノ「もう、
ミユウったら~笑」
ミユウ「ね、鏡の国って
あると思う?」
ヒメノ「う~ん・・・
あるとしても
どうやって行くんだろう?」
ミユウ「ここにある鏡を触ったら
いいんじゃない?
こうやって・・・!」
ヒメノ「そんなわけ・・・!?」
鏡が光った。
ピカッ
・*。・ 鏡の国 ・。*・
全員ここに来たのは
いいけど・・・
ルナ「爆睡してないで
ささっと起きなさいよ!!」
ヒメノ「・・・ん・・・って!
ここは!?」
ミユウ「え、待って
鏡の国来ちゃった?」
ルナ「ようこそ、鏡の国へ!!」
ナツ「って言っても
よく分からないけどな」
リョウ「でも、実際に
ここに来れたのすげー」
レン「・・・」
ルナ「無駄話はあと。
ここのルールを教えるわ。
ここには選ばれた人だけが
来ることができる。
恋を叶えるまで元の場所に
『戻れない』。
あと、左右反対だから。
私は隣の教室にいる」
パッ
ミユウ「ちょ、ちょっと待って。
消えたんだけど・・・?」
レン「しゅ、瞬間移動した・・・?」
へー、意外と冷静。
興味深い。
・・・あ、言い忘れたけど
隣の教室にいても
会話も丸聞こえだし、
様子も丸分かりなの。
教室には、監視カメラと・・・
言い方悪いけど
盗聴器があるからね。
気づいてる人は
いないだろうけど。
ヒメノ「・・・えーと、
どうします?」
リョウ「じゃあ、
自己紹介でもするか」
ナツ「俺から!
ナツで中3の男子バスケ部」
ミユウ「ミユウです!
中学2年生の女子バスケ部!」
リョウ「リョウ、
中3の男子バスケ部」
ヒメノ「ヒメノです。
中2の美術部」
レン「レンです。
中学2年生の美術部」
美術部!?
運動部だと思ったわ!
・・・なに反応してるの私!
レン「・・・自己紹介したのは
いいですけど、
なにします? 次に」
リョウ「たしかにな。
ナツなんか考えて」
ナツ「好きな人話すとか?」
おおっ
待ってました!
でも、先に
チェックさせてもらうわ。
タブレットを操作したら
出てくると思うけど・・・
あった!
・ヒメノ・・・不 明
・ミユウ・・・ナ ツ
・レ ン・・・不 明
・リョウ・・・ヒメノ
・ナ ツ・・・ミユウ
・・・ちょっと難しい恋かも。
5人だし。
まあ、大丈夫でしょ。
リョウ「じゃあ、
言い出しっぺのナツから。
どーぞ!」
ミユウ「!」
ヒメノ「これ、ミユウじゃなかったら
やばくない?(小声)」
ミユウ「それもそーだけど・・・
(小声)」
ナツ「えー。
・・・いいわ。
今から告白する」
レン「みんながいる前で!?」
驚き方が可愛い・・・
って私、なにやってんの!
ナツ「いいんだよ。
・・・ミユウ、好きです。
付き合ってください」
ミユウ「・・・嬉しい。
・・・よろしくお願いします!」
ヒメノ「よかったね!
ミユウ!」
ミユウ「うん!」
記録更新だわ。
って、言い忘れた。
パッ
リョウ「びっくりした~!」
ルナ「言い忘れた。
1つカップルが誕生すると、
2人は1時間以内に
元の場所に戻らないと行けない。
それじゃあ・・・」
ガシッ
レン「自己紹介してないでしょ?」
腕までつかんで・・・
いいわ、少しぐらい
期待したって。
ルナ「ルナ。
・・・中学1年生。
ここでは妖精。
・・・もう行く」
レン「ありがとう」
・*。・ 隣の教室 ・。*・
レンなら、私をここから
出してくれる気がした。
出れる日も
近いかもしれない。
・・・不思議。
なんか、レンのこと、
好きなような変な気持ち。
ルナ「これが・・・恋?」
・*。・ 教室 ・。*・
ナツ「行く? 元の世界に」
ミユウ「ヒメノ、
どうしよう・・・?」
ヒメノ「いいよ。
行ってきて。
私も行くから」
リョウ「そっか、
じゃあ一緒に行こうぜ」
ヒメノ「!?」
リョウ「なんだよ。
俺もおんなじ気持ちだぞ?
言いたいなら言えばいい」
ヒメノ「・・・好き・・・です。
・・・付き合ってください!」
リョウ「おっけーだよ」
ミユウ「待って、
そしたらレン君は・・・?」
レン「大丈夫、ここで
好きな人ができたんだ」
ドキッ
もしかして・・・
ナツ「ここで?」
レン「そう、ルナ。
聞いてたでしょ?」
パッ
私は、レンの前にでた。
大好きになった君に。
ルナ「なに?
言ってごらんなさいよ?」
レン「ルナ、失恋したの?」
・・・え
ヒメノ「・・・え?
なに言って・・・!」
レン「ずっーと
ここにいたんだね。
何年も前から」
ルナ「嘘・・・」
ポタポタ
涙が止まらないよ。
どうして、どうして・・・
レン「ルナは、数年前
戻れなかったんだよね?」
・・・そう、
私は戻れなかった。
・*。・ 数年前 ・。*・
ダイジ「ごめん。
僕、アンジが好きなんだ」
ルナ「嘘・・・」
私が来たときも
5人だった。
誰にも心配されず、
そのまま
ここに置いてかれた。
最後に覚えているのは・・・
アンジ「よろしくお願いします」
アンジの笑顔。
好きな人に告白されて
嬉しそうな笑顔。
・*。・ 現在 ・。*・
リョウ「そんなことが・・・」
ルナ「置いてかれた
私の気持ちわかる?
どうやっても私を癒せない!」
レン「俺は、ルナが好き。
2度と寂しい思いなんてさせない。
付き合ってください」
私の気持ちにここまで
気づいてくれた。
じゃあ、私だって
ルナ「よろしくお願いします」
頑張って自分に
自信をつけなくちゃ。
ピカッ
鏡が光った。
その中に6人が
同じ場所に
吸い込まれて行った。
―ENDー
白尾 留菜
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