恋より夢だった

CAST松田 美優松田 美優

作者:まーこ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2023.04.18

こんにちは、
私、ミユウ。





私は、吹奏楽部所属の中1。
夢は世界一のサックス奏者。





私は幼い頃から
サックスを吹いていて、
世界コンクールでも
グランプリになった。





結果を出せるのも嬉しいし、
吹くこと自体が楽しい。





そんなサックス女子。





私は、恋などなかった。





恋などする暇があったら、
サックスを吹きたい。





というか、私は
サックスに恋をしていた。





吹奏楽部の合奏練習。
私は、楽しくてしょうがない。





そしてパート練習。





吹奏楽部といえば、
汗を流して好きな先輩と
2人っきりで練習・・・
といったシチュエーションを
思い浮かべるかもしれないが、
私は全くそんなことがない。





サックスと、
私だけの場所で、
誰も入る隙がないところで
戯れる。





「練習中は、
誰がミユウを呼んでも
答えないよ」





と、親友のヒマリに
よくいわれる。





ヒマリもトランペットパートで
大活躍で、お互い
影響しあっている。













・*。・ 数日後 ・。*・





顧問「コンクールメンバーの
オーディションをします。
ウチは、最高のメンバーで
勝負をしたい。
頑張ってください」





よしきた。
オーディション。
楽しみー。





そして、課題部分が
発表されて、
私はまた、楽器と戯れた。





そして、ソロパートも
練習した。





すると、犬飼先輩が、
声をかけてきた。





「松田、うまいね」





と言って、私の演奏の
どこどこがいい、
どこどこが最高、
と熱弁をふるった。





そこが割と
あたっていたので、
少し尊敬した。





そして、
合格者発表。





顧問「はじめにトランペット。
3年、佐藤ナツミ、近藤ユラ、
足川ユズ、河村カホ。
2年、小松崎フタバ、
有坂コハナ、榎本ルミ、
1年、国本ヒマリ。
以上8名です。
次、トロンボーン・・・
次、サックス。
ソプラノサックス、
2年、林ミオコ。
アルトサックス、
3年、髙橋カイラ、
伊藤シャノン、白尾ルナ、
久野ナツ。
2年、青山ヒメノ、池端アンジ、
河島エイト。
1年、松田ミユウ。
ソロ、1年、松田ミユウ。
テナーサックス・・・」





よかった、
メンバーに入った。
ソロも私だ。





そして、私は犬飼先輩が
メンバー入りしていないことに
気がついた。





別に、可哀そうとかは
思わない。
同情する気もない。





ただ、実力が
足りなかっただけ。
みんなそう。





それは当たり前なのに、
昔入っていたバンドで
メンバーに入れなかった後輩に





「なぜ私はメンバー入り
できなかったのか」
と聞かれてそう答えたら、
泣かれた。





だから、こういうことは、
口に出さない。





でも、なぜあの後輩は
泣いたのだろうと、
時々思う。





私は、犬飼先輩に
話しかけられた。





「俺、ダメダメだなぁ」





なぜそんなふうに
思うのだろう。





別に、先輩の世界は
サックスだけではないのだ。





私だって
負けたら悔しいけど、
自分がダメだとは思わない。





負けたって、
みんな同列だって思う。





でも、言っちゃダメ。





ヒマリになら言えるけど。





でも、気づいたら、
そう言っていた。





先輩は、
「そっか。だよね。
俺も前を向いて、頑張るよ」
と言った。





よかった。
どうやら気分を
害したわけではなさそう。





すると





「俺、そうやって
堂々と言える
松田が好きだな」





と言った。





私はすごく驚いた。
でも・・・





夢だけだった世界。





夢の大きさは
変わらない。





だけど、私は、
恋を見つけた。







*end*

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