私でいいの?
作者:コリラックマ
ピピピッ、ピピピッ
んー、うるさい・・・
あと5分・・・
むにゃむにゃ・・・
「おーい! ミユウ、
遅刻するぞ~」
ほわ~、
よく寝た~・・・
ってヤバい!
遅刻する~。
あっ!
制服に着替えなきゃ!
うわ寝癖ひどっ。
あっ、申し遅れました。
高校1年生の
松田ミユウです。
いま、最大のピンチに
襲われています・・・
タッタッタ・・・
「あら、
ミユウちゃんおはよう。
はい、お弁当」
「ありがとうございます!
じゃあ、行ってきまーす」
コギコギ・・・
ヤバいヤバいヤバい~!
遅刻する~!
ガラガラッ!
ふう~、間に合った~。
「あっ、ミユウ!
おっは~、
リボン曲がってるよ~笑」
この子は親友のシャノン。
「シャノンっ! おはよう~、
あっ本当だ、ありがとう~」
「どういたまして~」
ミユウ「あっ、
数学の教科書忘れた!」
シャノン「だったら隣のクラスの
イルマに貸してもらえば?」
ミユウ「あっそうか!
その手があったか!」
ミユウ「ちょっと行ってくる~」
ガラガラッ
ミユウ「失礼します。あっイルマ~」
イルマ「おっ、ミユウ、どうした?
忘れ物とか?」
ミユウ「うっ、ばれた・・・
数学の教科書貸してくれる?」
イルマ「ちょっと待ってて・・・
ハイよっ」
ミユウ「ありがとう、
すぐ返すね!」
ガラガラ・・・
イルマ「まったく、ミユウは
相変わらずだな。クスクス笑」
他女「(じーっ)あやしい・・・」
トコトコ・・・
はぁ~助かった~。
これで安心~。
他女「ちょっとあなたっ!」
ミユウ「はい、なんでしょうか・・・」
他女「名前は?
さっきイルマと話してた子だよね~」
ミユウ「えっと・・・
松田ミユウです」
他女「気軽にイルマに
近づかないでくれる~?」
ミユウ「でも、私とイルマは
幼なじみで仲いいし、
気軽になんて・・・」
他女「関係ない、
私たちはイルマが好きなの、
そんな地味な子が近づいたら
イルマの印象、だいなし~」
ミユウ「でも」
他女「でもじゃない、
分かったら私の前から消えて」
ガラガラ・・・
シャノン「あっ、
ミユウ遅かったね~、
なにかあった?」
ミユウ「ううん、
なにもなかったよ・・・」
シャノン「・・・、ミユウ?」
あっそうだ、
皆には言ってなかったね。
実は、私とイルマは
一緒に暮らしてるの。
理由は、うちの親は
海外で働いているの。
それで、うちの親は
私を幼なじみのイルマの家に
預けさせた。
でも、高校卒業までには
帰ってくるよ。
このことが、
さっきの女子たちにばれたら
大変だ・・・
**********************
放課後・・・
ミユウ「はぁ~っ」
シャノン「だいじょうぶ?
今日用事があるから
先に帰るね」
ミユウ「うん、ありがとう、
じゃあね」
さあ私も帰ろう・・・
ガラガラ・・・
イルマ「あっ、ミユウ、いま帰るところ?
一緒に帰ろうぜ」
ミユウ(チラッ)
他女(じーっ)
ミユウ「ごめん、1人で帰るね・・・」
イルマ「あっ、おい」
他女(クスクス笑)
イルマ(ん? もしかして、
あいつらに何か言われたのか?)
コギコギ・・・
ミユウ「一緒に帰りたかったな・・・」
グスン泣
イルマ「ミユウ~、待って、」
ミユウ「イルマ!」
イルマ「ハアハア、
お前こぐの速すぎ」
ミユウ「ごめん・・・」
イルマ「みゆ・・・
お前泣いてたの?
なんで頼んないんだよ!」
ミユウ「イルマに言えるわけ
ないじゃん・・・」
イルマ「なんでだよ! 頼れよ!
俺じゃ不安かよ!」
ミユウ「もうほっといて!」
がちゃ
ミユウ「ただいま~」
イルマ母「あらおかえり、
ミユウちゃんお風呂
溜まってるからね」
ミユウ「ありがとうございます」
はぁ~、さっぱりした~。
イルマ「ただいま~、あっ・・・」
ミユウ「・・・・・」
トコトコ。
** 自分の部屋 **
ミユウ「どうしよう、気まずい・・・
このまま続くのかな・・・」
ミユウ「だって、私、
イルマのことが好きなんだもん・・・
仲よくいたい・・・」
どうか神様、明日はイルマと
仲よくなれますように・・・
** 翌日 **
シャノン「あっミユウ、おっは~」
ミユウ「おはよう、めずらしいね、
下駄箱であうなんて」
カチャ
ミユウ「ん? 手紙?」
――――――――――――
―――――――
今日の朝 8時10分に
校庭を見てください。
―――――――
―――――――――――――
ミユウ「今は8時5分・・・
シャノン急ご!」
シャノン「えっ、どうした!」
ガラガラ
いま8時8分・・・9分・・・
10分!
タッタッタ・・・
えっ、うそ!
シャノン「ミユウ、あれって・・・」
ミユウ「イルマ! なんか書いてる、
え~っと・・・」
――――――――――――――――――――――
―――――――
俺はミユウが好きだ!
ミユウの悲しむ顔を見るの俺だって悲しい、
俺はミユウを一生守る、だから頼って!
もう幼なじみの関係はやめて恋人同士になろう!
―――――――
――――――――――――――――――――――
タッタッタ・・・
シャノン「あっミユウ!」
ハアハア・・・
ミユウ「イルマ!」
イルマ「ミユウ!」
ミユウ「なにやってるの、
校庭の真ん中で」
イルマ「俺、決めたんだ、
ミユウを守るって」
ミユウ「なにも、
校庭じゃなくたって」
イルマ「ミユウ、
俺のクラスの女子に
いじめられてただろ?」
ミユウ「でも」
イルマ「約束してもらった。
もうミユウをいじめるなって」
ミユウ「えっ」
イルマ「だから俺は、お前を一生守る、
どんなときでも、俺が嫌われたって」
ミユウ「イルマ・・・ありがとう!」
イルマ「俺の彼女に
なってくれますか?」
ミユウ「はい・・・」
ギュ・・・
これからもずっと守ってね・・・
*END*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
松田 美優

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