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天邪鬼(あまのじゃく)。

CAST松田 美優松田 美優

作者:まるぱん

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.01.25

ヒューッ、トッ。





よし、
今日も絶好調!





私、ミユウ。
中学3年生。





部活も集大成になってきて、
最後の大会に向けて
練習中。





今打ったの、けっこう
良かったんじゃない!?





自然と
笑みがこぼれる。





テルノスケ「郡大会の
予選落ちのやつが
ちょっとできたぐらいで
調子にのるなよー」





私のことを
馬鹿にしてきたのは
テルノスケ。





同い年なんだけど、
いつも私のことを
からかってくる嫌なやつ。





でも、私が郡大会で
予選落ちしてることは
本当だし、





それに対して
テルノスケは全国大会まで
出場してる、うちの
アーチェリー部のかなめ。





言われることは不服だけど、
反論できないから、くやしい。





「アーチェリーってかっこいいな」
ってあこがれから入部したけど、
私みたいな落ちこぼれが
入っちゃって
申し訳ない気もちになってくる。





よおし、夏の大会で
テルノスケを見返すことが
できるように、がんばるぞー!













・*。・ 次の日 ・。*・





アーチェリーや弓道において
複数の矢があるときは
ついつい後の矢に
たよりがちになるから、
そのとき打つ矢で
一生懸命打つことが大切って、
文献に書いてあった!





よし、そのとき打つ矢に
全力で集中して、
勝利をねらう!





今日は、いつもより
練習をたくさんして、
一本の矢に
私の力、全てを
そそぎこんで放った。





テルノスケ「死ねよ」





ミユウ「はあっ!?」





何言ってんの!?





「死ねよ」なんて、
人間的に言っちゃいけない
ことじゃん!





テルノスケ「なめた口ききやがって。
まがりなりにも
目上に対する口調か!?」





ミユウ「あんたなんか
目上じゃない!
第一、先輩でもないじゃない!
あと、『死ねよ』なんて言葉、
言っちゃいけないでしょ!?
そんな腐った人格のやつに
敬意なんて払う必要ないわ!」





テルノスケ「あーあー、
ごちゃごちゃうっせえなあー。
実力ないやつって、
性格までひねくれてんのかなあー」





ミユウ「黙らっしゃい!
もとはあんたから
始めたんでしょ!」





テルノスケについては本当、
気分が悪くなるけれど、





今日はけっこう的の中心部に
矢が刺さったから、
思い立った日の翌日としては
快進撃だったと思う。













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





そして、やってきた
夏の大会。





郡大会では予選落ちせず、
県大会も通過して、
地方大会も勝ち進み、
なんと、全国大会では
テルノスケと並び、優勝!





テルノスケと
一緒ってことが
気に食わないけれど・・・





毎日、一本の矢に思いをこめて
練習を続けた結果が出たのかな!





女子の全国大会優勝は
私が初らしい。





私、ニコラ学園の
礎(いしずえ)になれたんだ!





なんだか、自分を
ほこらしく感じる。





テルノスケ「おーおー、
お前の割には
よくがんばったんじゃねえかー?
俺と一緒っていうのだけは
嫌だけどなー」





ミユウ「それは、私だって嫌よ!」





テルノスケ「まあ、お前、
結構がんばってたし?
俺も吹っ切れたし?
俺の想い、
伝えてやってもいいけど?」





思い?





私のこと、
嫌いってこと?





テルノスケ「今までひどいこと
言ってごめんな」





ミユウ「今さら?」





テルノスケ「感動的なムード壊すなよ!」





ミユウ「全然感動的じゃないし!」





テルノスケ「許してもらえるとは
思ってねえけど・・・」





ミユウ「絶対許さないわよ!」





テルノスケ「俺、あまのじゃくだった。
心で思っていることと
口で言っていることが
反対になってしまうんだ」





ミユウ「・・・ってことは、
私のこと、
大嫌いなんじゃなくて、
大好きってこと?」





テルノスケ「・・・簡単に
言えばそういうことだ」





ミユウ「わー、テルノスケが
照れてるー」





テルノスケ「好きだ、ミユウ。
あまのじゃくな俺でもよければ
つきあってほしい」





ミユウ「うーん、
そこまで言うなら、
前言撤回、
許してあげなくもないかもー。
あと、つきあってあげようかー?」





テルノスケ「ああ、やっと
心と口の行動が一致した」





ミユウ「いつもさ、
“お前”とか、“あんた”とかばっかりで、
名前で呼び合ってなかったよね。
だから、テルノスケは私のこと、
ミユウって呼んで。
私も、テルノスケって呼ぶから」





テルノスケ「それいいな、ミユウ!」





普段は犬猿の仲でも、
愛しい存在になることだって、
あるんだね!







*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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