私は君に優しい嘘をつく

CAST白尾留菜

作者：あんバターねこトースト

2023.07.03

私、ルナ。
新潮学園に通う中学２年生。

突然だけど、私には
小さい頃から大事にしている
着せかえ人形があるの。

名前は「ルレ」

変な名前だと思うでしょ？

実は、名前の由来は、
ルナの頭文字の「ル」

前に好きだった男の子の
頭文字「レ」
をとっているの。

もちろん、今も好き。

３年前に大好きな町から
引っ越すことになってしまったの。

・＊。・　３年前　・。＊・

お母さん「ルナ。話があるの」

ルナ「どんな話？」

お母さん「実はね、
お父さんの用事で
引っ越すことになったの」

ルナ「えっ!?」

次の日には
転校することが決まった。

だから、最後のニコラ学園の
１日になった。

レン「ルナ、
なにかあったか？」

ルナ「べ、別に
なにもないよ・・・」

先生「皆に連絡があります」

先生「・・・ルナさんが
転校することになりました」

レン「ルナ！
どういうこと!?」

ルナ「お父さんの用事で
引っ越すことになったの・・・」

レン「なんで
教えてくれなかったの・・・？」

ルナ「・・・」

どうやって答えていいか
分からなかった。

だから・・・
嘘をつくしかなかった・・・

ルナ「レンに嫌な思いを
させなくなかった・・・」

（ポタポタ・・・）

気づいたら泣いていた。

どうすればいいか
分からなかった・・・

レン「泣くな」

ルナ「・・・え？」

レン「ルナが泣いたら、
俺は耐えられない」

ルナ「・・・ありがとう」

これが私の初恋。

・＊。・　現在　・。＊・

スマホは持っていなかったから
連絡をとることは、できない・・・

でも、３年前に
一緒に考えたこのルレは
大事な宝物なんだ。

お母さん「ルナ！」

ルナ「どうしたの？」

お母さん「転校することになったの！
前の町に！」

ルナ「本当!?」

また、レンに会える！

嬉しさがいっぱいの気持ちで
明日の準備をはじめた。

・＊。・　ニコラ学園　・。＊・

転校する日って
本当に緊張するな・・・

レン、どんな男の子に
なってるかな？

えっ～と、２年１組か・・・

同じクラスだといいな・・・

先生「転校生がいます」

ルナ「白尾ルナです。
よろしくお願いします」

（ガタッ）

椅子を引いた音がした。

そこには、男の子が
立っていた。

先生「どうしましたか？
レンさん？」

レン「いえ、なにも
すみませんでした」

レン、同じクラスだったんだ・・・

覚えてくれてたんだね・・・

・＊。・　放課後　・。＊・

レン「ルナ」

３年前と同じ、
優しい声が聞こえた。

ルナ「レン、久しぶり」

（ポタポタ・・・）

前と同じように泣いていた。

レン「変わってないな・・・
笑えよ。
俺、ルナの笑顔が
好きなんだからよ」

笑った、レンが。

前と同じあの笑顔。

ルナ「そうだね」

私も笑った。

とびっきりの笑顔で。

ちょっとレンは
びっくりした顔をしてから・・・

レン「ルナ、前に
伝えたかったことがあるんだ」

ルナ「え？」

レン「前から好きだった。
もちろん、今も。
だから・・・
俺と付き合ってください」

ルナ「うん、
よろしくお願いします」

互いに
とびっきりの笑顔で
笑いあった。

―ＥＮＤ―