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超能力っていいな。

CAST橘 侑里橘 侑里

作者:中学1年生

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.12.02

こんにちは、
私の名前は、侑里!





人の心を読むことができる、
中学2年生。





人の心を読むって、
素晴らしいことに
思えるのかもしれない。





でも、こんな超能力なんか
いらない。





心を読むこと。
それはすごく恐ろしいことなんだ。





大好きだった友達が
実は裏で私の陰口を言っていた。





好きになった人は
私のことが嫌いだった。





クラスメイトが心の中で
私に毒を吐いていた。





こんなこと、
しょっちゅうだ。





人と関わるのが怖くなり、
私は1人ぼっちになった。





毎日、人と会うのが怖いとばかり
思っていた私が
出会ったのは、真海だった。





真海は、純粋な心を
持った子だった。





私に話しかけてきたとき、真海が
心の中で思っていたことは、





「かわいい子だな。
仲よくなりたいなあ」





と、ただそれだけ。





私は真海が心の中で
誰かに毒を吐いているのを
見たことがないのだ。





まっすぐな真海の影響で、
私は少しずつ元気を取り戻した。





そんなある日。
知られてしまったのだ。





「なあ。お前、
心が読めるんだろ?」





呼び出されたのは
名前も知らない上級生3人。





「な、何言ってるんですか?」





「うそつくなよなあ!」





怖くて涙が出た。





そこに通りかかったのは、
クラスメイトの琉斗だ。





琉斗は顔をしかめると、
いつもよりも乱暴な口調で言った。





「何やってるんすか、センパイ」





「あ?」





先輩の視線が琉斗に集まる。





「心が読めるってうわさ、
ホントか確かめたくて」





「なんでですか」





どうやら琉斗と先輩は
知り合いのようだった。





「いやー、ク、クラスの」





先輩の顔が赤い。





「白水さんが誰が好きか
確かめたいんだろ?」





もう1人の先輩が
さらりと暴露した。





「お、お前言うなよ!」





どうやら先輩は
好きな子の好きな人を
知りたかったらしい。





なんだ、
かわいいじゃないか。





思わずくすりと笑ったら、
先輩はますます顔を赤くした。





「笑うな!」





琉斗と先輩たちが
何やら楽し気に話し出したので、
私はその場をおいとまする。





琉斗、ちょっと
かっこよかったな。





今まではそこまで
接点がなかったけど、
顔もイケメンだしな。





そんなことを考えてたら、
通りすがりに
琉斗にささやかれた。





「あれ、ホントだろ?」





わかってんだ。
やば、と焦る。





「なんでそう思うの?」





そう聞いたけど、
はぐらかされる。





「なんとなく」





「違うよ!」





「ふうん」





どうでもよさそうに
琉斗は言った。





そのとき、心が見えた。





(こいつ、
うそついてんな)





それを見て、
私は反射的に言った。





「ごめん、うそ。
私、人の心が読めるの」





琉斗は神妙な表情で
うなずいた。





「俺の心、読める?」





私はこくりとうなずいて、
神経を集中させた。





読めた!(好きだ)





「へ?」





間抜けな声が出る。





もう一度見る。





(お前が好きだ)





「私が、好き?」





思わず声に出した。
琉斗の顔は赤い。





「そうだよ!」





怒ったように
階段を登ってる。





顔がほてった。





「わ、私も!」





そう叫ぶと、琉斗はそっと
私を抱き寄せた。





超能力っていいな。





初めてそう思った。





*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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