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1番あったかいのは君

CAST橘 侑里橘 侑里

作者:フーイ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.11.09

私、橘ユウリは今、
「恋愛」にむちゅー。





初めて好きだって思える人が
できたの。





あんなにモテるのに、
女子にはつんけん、
興味なさげな顔。





何ともない顔で
なんでもこなしちゃうし、
顔面良さすぎ。





「ヒカル!
私、川上くん狙うから」





友達の大森ヒカルに
宣言する。





彼女は苦笑いした。





「川上くん人気だからね。
がんばれよ」





「うん~」





ってことで、私は今日から徹底的に
川上リヒトに存在を
アピールすることにしたわけ。





好きバレが狙い。





「川上くん!
ノート見せて」





「この数学の問題教えて」





「川上くんの
行きつけのお店とかある?」





彼の返事はいつも
「ああ」とか「うん」とか。





そっけないけど、だんだん
打ち解けてきた気さえする。





「距離縮まった~」





浮かれている私を
今日もヒカルは
苦笑しながら見てる。





そして、何かを思い出したように
手を打った。





「そういや、明日川上くんが
サッカーの試合出るの知ってる?」





「えっ、何それ」





「絶対、応援行きなよ。
差し入れも必要だね。
好印象ゲットせよ」





それは行くしかない!













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





次の日の朝、私はコンビニで
肉まんを1つ買った。





牛肉たっぷりのやつ。





今日1日スポーツをするわけだから、
カロリーが高いのがいいだろう。





会場に入っていこうとする
川上くんを見つけ、声をかける。





「川上くん!」





彼はいつも通りの
ポーカーフェイスで
こちらを振り向いた。





「肉まん、あげる!」





満面の笑みで差し出した。





しかし、彼は肉まんと私を
一瞥すると、





「いらねえし」と言って、
会場に入っていこうとする。





そんな。





涙腺が緩んで、視界がぼやけた。





「せっかく、
買ってきたのにぃ・・・」





彼は困ったように振り返って、
照れたみたいに
「半分だけなら」と
肉まんを半分に割った。





片方を差し出してくる。





パッと視界が明るくなった。





私たちは2人でベンチに座って、
黙って肉まんを食べた。





「あったかいね」





私は彼を
笑顔で見つめて言った。





川上くんは返事をせずに
私の後ろに立つと、





ぎゅっと抱きしめてきた。





「こうしたほうが、
もっとあったかいぜ」





どきんっ。





私は確かに
心臓が跳ねる音を聞いた。





彼のぬくもりが伝わる。







「川上くん。
私、川上くんが・・・・」





「うん、俺も」





返事を待たずに言った。







彼のぬくもりは、







何よりも1番あったかい。







*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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