nicola

キーワード検索

チェンジ!?

CAST橘 侑里橘 侑里

作者:ゆうりらぶ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.09.09

知らない家で、
知らない場所で、
知らない日常を過ごす。





それがいつの間にか、
私の日常になっていた。







・。・:・°・。・:・°・
。・:・°・。・:





私の名前は、橘ユウリ。
ニコラ学園に通う、中学2年生。





私には、憧れの存在がいる。





それは、人気アイドルの
リコリリ!





崎浜リコちゃんと、中瀬リリちゃんの
ツインズアイドルで、
ほんっとにかわいいんだ!





私の推しは、リコちゃん。





キラキラ輝くような笑顔、
おとしやかな言動がかわいいの。





アイドル以外にも、モデルやCM、
いろいろな芸能活動をしてるんだ。





「おい、ユウリ、ユウリ。
また推しのことでも考えてんのか?」





ぽうっとしながら歩いていると、
幼なじみの小澤テルノスケが
話しかけてきた。





「図星。
でも、うるさいなぁ」





「ひどいぞ~」





彼は私のことを
1番よく知ってくれている。





頼りになるお兄ちゃん
みたいな人なんだ。





毎日、目が覚めるたびに思う。





「私が、リコちゃんだったら
いいのに・・・・」





リコちゃんになれたら
どんなに素敵だろう。





毎日鏡で、あのかわいい顔を
見ることができるのだ。





そして、リコちゃんの生活を
知ることができる・・・・





「あーあ、来世は
リコちゃんになれますように!」





叶うはずのない願いを口にし、
私はため息をついた。













・。・:・°・。・:・°・。・





「普通の女の子になりたーいっ!」





誰もいない家で、
崎浜リコは思わずつぶやいた。





自分の好きなことをする時間はないし、
メガネ、マスクなしで
出かけることなど不可能に近い。





毎日寝不足で
疲れがたまっている。





「誰か、私と生活を
交換してくれないかな・・・・?」





その瞬間、少女たちの想いが通じ合い、
2人の前には光が差しこんだ。





そして、少女たちは
その光に吸いこまれていった。





「・・・・あれ?
ここ、どこ・・・・?」





起きると、
私は全く知らない部屋にいた。





シンプルできれいな部屋だ。





棚にはきれいに雑誌が並び、
壁には「リコリリ」のポスターが
貼ってある・・・・





「わあ、これ、私も持ってる!
って、えええっ!?」





私は思わず叫んだ。





なぜなら、ふと見た鏡に
うつっていたのは、
他でもない崎浜リコだったからだ。





「うそ、どういうこと!?」





よく見れば、着ている服も
ユウリのものではない。





やけに体が細いとも思っていた。





「ま、まさか・・・・」





「私、リコちゃんと、
い、入れ替わってるーーーー!?」

















・。・:・°・。・:・°・。・





「んん・・・・
久しぶりによく寝た。
って、あれ? えっ?
だ、誰これ?
ここはどこっ?」





リコは鏡を見て叫んだ。





そして、自分の体を見る。





「え、誰これ誰これ!
ぶ、不気味すぎる・・・・」





眠る前の最後の記憶。





リコは自分が叫んだ言葉を
思い出す。





「う、うそ・・・・
まさか、私、知らない女の子と
入れ替わって・・・・」





「るっ!?」





リコちゃんと
入れ替わってしまった。





「ど、どうしよう・・・・
とりあえず、
リコちゃんの部屋を満喫するか!」





そこへピンポーン。
チャイムが鳴った。





「や、やばい・・・・
出なきゃダメかな?」





ピンポーン。





私はインターホンをのぞいた。





「リ、リ、リリちゃん!」





リリちゃんを一目見てみたいという
誘惑に負け、私はドアを開けた。





「リコ、おはよ・・・・
って、どしたん?」





「リ、リリちゃんだ・・・・
本物だ・・・・!」





リリちゃんは
本当にかわいかった。





スタイルがよくて、
顔もすごくきれいで、
関西弁もかわいい。





「リ、リコ?
今日、ダンスのレッスンの日やよ?
やばいやない、行くよ」





「き、着替えてくるっ」





リコちゃんの服を着るときが
くるなんて。





どの服にしよう、
動きやすさ重視のパーカとか?





迷っていたら、リリちゃんの
呼ぶ声が聞こえてきた。













・。・:・°・。・:・°・。・





「しばらく行ってないな、学校。
ユウリちゃんのママ、やさしかったな」





今の姿の子の名前は、
ユウリというらしい。





朝、ユウリの母に呼ばれて知った。





「おっ、おはよ、ユウリ!」





知らない男子が肩を叩いてきた。
結構かっこいい。





「だ、誰・・・・?」





「あはは、何寝ぼけてんの?
テルノスケだよ、テル!」





この人はどうやら
ユウリの幼なじみらしい。





やさしくて、たくさん
話しかけてくれるので、
すぐに打ち解けた。













・。・:・°・。・:・°・。・





「ワン、ツー、スリー、フォー・・・・
どうしたの、リコちゃん?
今日調子悪いよ」





ダンスの先生から言われ、
私は「なんでもないです!」と答えた。





本物よりはもちろん劣っているが、
前からたくさん踊っていたので、
多少は踊れる。





ああ、幸せ。





私は心から思った。













・。・:・°・。・:・°・。・





「ユウリ。ここわかる?
教えようか?」





「わかんない・・・・教えて」





テルノスケは、
すごく面倒見がいい。





こんなかっこよくて
やさしい幼なじみがいるなんて、
ユウリは恵まれているなと思う。





「あのさ、最近のユウリ、
なんかいつもと違わない?
だいじょうぶか?」





「あ、うん!
いつも通りだよ」





すごいな。
あっという間に気がつくなんて。
さすがだ。





・・・・この人は、きっと
ユウリちゃんが好きなんだろうな。





私でいいのかな。













・。・:・°・。・:・°・。・





毎日が幸せだ。





リコちゃんの見た目で、
リリちゃんの隣で、
ダンスの練習をしたり、
芸能活動をしたりする。





でも、段々寂しくなる気もちも
芽生えていった。





「テルノスケ、会いたいな」





思わず口から出た言葉に
自分でも驚く。





「私、テルノスケが好きなのかな?
やっぱり、会いたいな」





「そろそろリリに
会いたくなってきた。
ここもめっちゃ楽しいけど、
芸能活動に戻りたいな」





その瞬間、少女たちの前には
光が差しこんだ。





そして、その光に
吸いこまれていった。













・。・:・°・。・:・°・。・





「最近、調子戻ってきたじゃん」





「そう? よくわかったね」





「え?」





テルノスケが目を瞬く。





私は、テルノスケに言った。





「私さ、テルノスケに会いたかったの。
ずっと」





「? 会ってたじゃん」





私は息を吸いこんだ。





「私、テルノスケが好き!」













・。・:・°・。・:・°・。・





「うまくいってるかなあ、
ユウリちゃんたち。
楽しかったな。
でも、やっぱり私リリと
芸能活動が好きだなあ」









*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

Like

この物語に投票する

橘 侑里が主人公の物語が主人公の物語

NEWS!NEWS!

nicola TVnicola TV

物語募集

「ニコラ学園恋物語」では、ニコ読の
みんなが書いたニコモを主人公にした
オリジナルラブストーリーを大募集中!

応募する

主人公別 BACK NUMBER主人公別 BACK NUMBER

  • nicola TV
  • 新二コラ恋物語 恋愛小説を大募集!