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友達1番!

CAST橘 侑里橘 侑里

作者:ふが

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.10.25

「ねえねえ、、、ユウリ。
私、好きな人ができちゃったかも、、、」





この子は、ユア。
私の1番の友達。





「ええっ!? まじか!
ついにユアが恋!」





妄想が趣味で、
いつもぽーっとしているユアが
恋をするなんて。





ユアはかわいいから、
今までもユアのことが好きな男子は
たくさんいた。





でも、ユアは男子が苦手だった。





だから、私ユウリは、
男子からユアを守るんだ! と
決意していたのだ。





「知りたい?」





かわいらしく問いかけてきた。





私は「もちろん!」と返事をした。





ユアはこ、そこそと言う。





「あのね、竹内君、
なんだけど、、、」





竹内君。
竹内リュウトのことだ。





まじか、、、。





私のすきぴも、竹内君。





噓だろ、親友と好きな人が
被るのか!





でも、私はユアが大好き。





今、私がそう言えば
彼女を悲しませることになるだろう。





私は自分の気もちを
引き出しにしまった。





「応援するよ、ユア!」





ユアが微笑んだ。





そのかわいい笑顔は、
どこかウサギを連想させる。





きっと、竹内君はサバサバして
男の子っぽい私より、





小動物みたいな
かわいいユアの方が好きだろうな、、、。





そう考えて、胸が痛んだ。





「ねえ、どうしよう。
話しかけたいけど、無理だよお、、、」





「がんばれ、ユア!」





「ねえねえ、最近竹内君
稲垣さんと仲いいよね、、、
私じゃ無理かも」





「何言ってんの、ユアと話すとき、
竹内君めちゃくちゃうれしそうだよ!」





「稲垣さんかわいいよね。
ほら、竹内君
今にもとろけそうな顔だ、、、」





「気のせいだよ、
ユアもかわいいし!」





病み気味のユアを励ますのは
疲れるけど、





絶対に私はこの子を
泣かせたくはない。





ユアには笑顔でいてほしい。





だから、私は自分の気もちも
隠し通すのだ。





「、、、ねえ、どうしたの?
最近、ユウリおかしいよ」





ユアに言われ、ドキリとした。





親友には隠し通せない
ものだなあ、と思う。





「なんで?」





平常心をよおそってたずねる。





「だって、いつもなんか
居心地悪そうにしてるんだもの。
なんか隠してるでしょ」





私は噓をつくのは、好きじゃない。





だからもう、打ち明けることにした。





「、、、そう、だったんだ」





ユアがぽつりとつぶやいた。





私は無言でうなずいた。





「じゃあさ、一緒に告白しようよ!」





どこかワクワクしているユアの声。





私は顔を上げた。





「私、そろそろ告ろうと思ってたんだ。
2人なら怖くないね!」





彼女はノリノリだ。





ユアは意外と、行動力が高い。





「あ、うん、、、」





こうして私とユアは、
竹内君に告白することに
なってしまった。





「「好きですっ、
つきあってください!」」





驚く竹内君の前で、
私とユアは叫んだ。





最初は驚いていた竹内君も、
次第に笑顔になっていく。





「ありがとう。
ちょっと考えさせて」





結局、彼が選んだのは私だった。
びっくりだ。





落ちこんでるかな、気まずくなるかな、、、
と思ったものの、





ユアは何の後悔もないようだった。





「ユウリ、おめでとう!
私、告白してよかった。
フラれても、私はちゃんと想いを
伝えられたことがうれしいの」





そんなユアは
一歩大人に近づいていた。





そんなユアが、眩しかった。













・。・。・。・。・。・。・。・。





「ねえ、リュウト君は
どうして私を選んだの?」





初デートの日。
私は夢心地で聞いた。





彼はやさしく答える。





「消去法かな」





「消去法?」





聞き返すと、
彼はイケメンスマイルで、
私が思ってもみなかった答えを
口にする。





「俺、彼女がほしかったんだよね。
それも、告られたくてさ。
そんななか、ユウリと工藤さんが告ってくれたわけ。
で、正直工藤さんはタイプじゃない。
だってさ、やさしく聞いてあげてたけどさ、
中2にもなって、神話が好きとか言うんだぜ?
ちょっと引くわー。
妄想が趣味ってのも、オタクっぽくて
無理だね」





その答えに、私の胸の中の、
大きなハートが
しぼんでいくのを感じた。





大事な友達をけなされたのだ。





そんなやつとつきあえるか?





いや、ノーだろ。





しかも、この人、
全然私を見てない。





彼が見てるのは私じゃなくて、
ユアの欠点。





「、、、ごめん、別れて」





これ以上この男と
一緒にいてやるものか。





彼に背中を向けて
歩き出した私の気分は、
爽快だった。













・。・。・。・。・。・。・。・。





1週間後。





私はユアと談笑しながら
人気店のタピオカを飲んでいた。





「うんまー!
ユア、そっちもちょーだい」





「いいよ。
私もイチゴ味、飲みたい!」





「おけおけ!」





今の私に、恋愛はいらない。





ユアといるのが、1番の幸せ。





やっぱ、友達1番!







*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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