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恋は無敵

CAST橘 侑里橘 侑里

作者:中学1年生

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.11.17

初めまして、
私の名前は侑里。





急に変なこと言うけど、
私は無敵なんだ。





欲しいものは
お金いらずで手に入るし、





やりたいことは
すぐにできる。





テストの点が
どんなに悪くても、
ママにいい点を
見せることだってできる。





それは、私が超能力者だから。





私の目は、よく見ないと
わからないが、
不思議な水色が入っている。





漆黒な瞳の奥に、水色の光が
ともっているというのが正しいのかな。





今までそれに気づいたのは
家族、そして親友のしおり。





しおりは、ピティナとかいう
有名なピアノコンクールで
優勝したことも、





芸能の実績もある
スーパーすごい子だ。





幼稚園の時からの幼なじみで、
頼れる大親友。





4年生の時、しおりは
私の瞳をじっと見つめて言った。





「ねえ、侑里の目って、
前から思ってたけど
水色が入ってるんだね」





そう言われた時には
ドキッとした。





時に私は、超能力を使って
しおりを動かしていた。





そのことを知られたらと思うと
ビクビクしてしまった。





そのことにしおりが
気づかないはずもない。





「侑里、おかしいよ。
どうしたの」





私はすべてを話した。





隠しても無駄だと
わかっていたからだ。





「そうか。
侑里は今まで私の気もちを
動かしてたんだね。
そのチカラで」





悲しそうな、失望したような声に
私は思わず泣いた。





「こんなこと、
もう2度としない」





しおりと誓った。





その時から、私たちは
本当の親友となった。





でも、他の人を動かすのは
なかなかやめられない。





今までそうやって
生きてきたのだから、
急に変えられるはずもない。





まあ、私はこうやって
生きていくんだろう。





そう思っていた。





──────あの日までは。













・。・:・°・。・:・°・。・:・°・。・:





「埼玉県から来ました。
優行って呼んでください」





初めて会った(見た)その時から、
私にはわかっていた。





運命の人とはこのことだ。





「恋愛なんか、柄にもないね。
ま、応援してやるか」





しおりは、偉そうに言った。





それに私は、冷静に答える。





「別に応援してくれなくても。
どうせ叶うし」





その言葉に、しおりは
急に冷めた表情になった。





そして、ため息をついた。





「あーそー」





優行はフレンドリーだったから、
陰キャと陽キャの間を
さまよってる私でも、
簡単になじむことができた。





別になじまなくても、
目を見ればいいだけだから、簡単だ。





ついに願い叶って
私たちは横の席になった。





「よろしく」





くるりとこちらを向いた。





その瞬間、
私はその目を捉えた。





両想いになれ。





これで両想いだ。





一瞬のあいさつで
優行の心をつかんだ私は
ホクホク顔で言った。





「うん、カレカノとしてね」





ああ、と甘い声が返ってくるのを
予想していた。





しかし。





「? カレカノ?
何言ってるの」





苦笑している。





え、力が効いてない?





そうなら、ただ単に
恥ずかしいではないか。





もう一度
その目を見て唱えた。





しかし、その瞳が
とろけるような色になることもない。





「なんで!?
なんで優行には効かないの!」





しおりを前に、私は叫んでいた。





「好きな人には効かないとか、
ベタなあれでしょ」





『ベタなあれ』って
なんだよと思うものの、





なんとなく
言いたいことはわかる。





「これってそのまま
アプローチするしかないってことだね。
めんどい」





私が言うと、しおりは
いつになく厳しい表情になった。





「いちいちめんどいって言うから
ダメなんだよ。
いつまでもその力に頼ってるつもり?
もしかしたらどこかで
失うかもしれないんだよ?
自分が初めて恋情を抱いた相手とのことまで、
力で解決するの?」





その言葉は
私の心に響いた。





このままじゃダメだ。
そう思った。





「ありがと、しおり。
私、自分の力で、
超能力じゃない力でやってみる」





しおりはすごく
うれしそうにうなずいた。





「優行くん、
そのアニメ好きなの?
私もなんだけど、誰推し?
今度、映画行かない?」





私と優行には、アニメという
恐ろしく運のいい共通点があった。





その共通点をもって
アプローチし続ける。





超能力にも敵わなかった恋には
こうするしかない。





それは地道だけど
なんだか幸せだった。







「好きです」





雪が溶け切ったころ、
私はそう告白した。





自分の力で。





「俺も」





やっぱり恋は無敵だ。





超能力なんかには敵わない。







*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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