恋愛錯覚!?
作者:Mmm
「はじめまして、
みなさんと比べると庶民の私ですが、
仲よくしてくれたらうれしいです」
ここは、超名門ニコラ学園。
有名な財閥や、芸能人、
政界関係者の子がたくさん通う。
そんな学校に私、橘ゆうりは
急きょ転校してきた。
「堀口いぶきくん、だよね?
これからよろしくね!」
「こちらこそ、って、
なんで俺の名前知ってんの?」
(あれ?
なんで私、初対面なのに
名前知ってるんだろう)
「なんとなく・・・?」
首をかしげると、なぜか
堀口くんは胸を押さえた。
「かわいすぎる・・・!
好きだ!」
「えっ!?」
「橘さん、彼氏いたりする?」
「ううん。いない」
「じゃあ、俺と
つきあってくれませんか?」
彼が言ったとたん、
クラスがどよめいた。
(なにがなんだかだけど、
堀口くんかっこいいし、
なんか好きだ)
「はいっ!」
・*。・ 休み時間 ・。*・
「いぶき、なんか変なうわさ
聞いたんだけど、」
他クラスから来た
ものすごい美人の女生徒が、
何人かのとりまきと共に
堀口くんに親しげに話しかけた。
(十文字ひなのちゃんだ・・・
って、あれ?
なんで私、名前知ってるんだろう)
「なんか、転校生に
急に告白したとか・・・」
「ひなの!
あれ? 俺、なんで、」
「堀口くん、何話してるの?」
なにやらモヤモヤと
思案げにしていた堀口くんに
声をかけると、
その瞬間、
彼は考えることをやめ
言いきった。
「事実だよ。
俺、橘さんに一目惚れした」
「うそ!」
十文字さんのとりまきが
悲鳴をあげた。
「ひかる、落ち着いて」
「だって、ひなの、
ひどいじゃない!」
「いぶきくんは
ひなのの彼氏なのに!」
(・・・えっ!?)
堀口くんと目があった。
「でも、今の俺の好きな人は
橘さんだけだ」
「・・・そう。
じゃあ、仕方ないわ。
別れましょ」
十文字さんはそう言い捨て、
去っていった。
そして、その様子を
じーっと見つめる、
ある女生徒がいた・・・
・*。・ 数ヶ月後 ・。*・
「いぶき、今日の放課後デート、
どこに行く?」
「俺、どこでも
ゆうりといたら楽しいよ」
「私も~」
すっかりバカップルに
なっていた私たちは、
教室でもずっと
いちゃいちゃ話していた。
「あ、お父さんがなんか
ゆうりのお父さんの研究所に
多額の費用寄付するとか言ってた」
「まじで?」
「ってか、ゆうりのお父さん、
なに研究してるん?」
(あれ、なんだっけ)
(ってか、私のお父さんって、
研究者だったのかな・・・?
って、なに考えてるんだ私)
「堀口くん、騙されないで!」
「大森さん!?」
「ちょっ、ひかる、
急についてきてって、
どうしたの?」
十文字さんも遅れて
バタバタと走ってきた。
「堀口くんは今、
暗示にかかってるのよ!」
「ええ!?」
「何か、おかしいと思ってたら
彼女から話があったの」
そうしておずおずと
私たちの前に出てきたのは、
クラスメイトの野澤しおりさんだった。
「これを見てください」
彼女は、私たちに
なにやらスマホくらいのサイズの
機械を見せた。
「これは、私が作った
金属探知機です」
金属探知機を
わたしの頭に近づけた瞬間。
ビービービービー
けたたましい音が鳴り響いた。
「橘研究所が最近、あるチップを開発、
極秘で少女の脳に埋めこむことに
成功したという情報を
私の伝手で入手しました」
(まさか)
「そのチップは、ある人に対して
暗示効果があります」
「まさか、」
「その効果は
恋愛錯覚を起こさせること。
対象者は、堀口くん、あなたです」
「なんで、俺が、」
「堀口くんが財閥グループの
ひとり息子だからですよ。
ごひいき・・・わかりやすく言うと、
研究費用調達が目当てでしょう」
ドクン、と胸が熱くなった。
「橘さん、あなたの頭には、
恋愛チップが埋めこまれている」
「堀口くんの気もちも、
橘さんの気もちも、
全部人工物で、ニセモノです」
(うそだ!)
気もちがぐちゃぐちゃになった私は、
ひとり教室から飛び出した。
・*。・ 昇降口 ・。*・
「まって下さい!」
帰ろうしていた私の後を
野澤さんが追ってきた。
「・・・なに?」
「ショックだろうけど、。
でも私、あなたのチップを
破壊する装置も作ったんです」
「・・・・・・」
「気もちの整理ができたらでいいです。
使って下さい」
「あなた自身の感情を
取り戻して下さい」
渡された、小さなボタンがついた
手のひらサイズの機械を
思わず見つめる。
「・・・野澤さんって、天才なの?」
「そうですよ!
実はテレビにも、天才少女として
出たことあるんです」
(・・・知らなかったな)
クスリ、と笑って、
私はつぶやいた。
「ありがとう」
その日の夜、
私は装置を使った。
そして、少しだけ、
思い出した。
私は孤児院にいたこと。
引き取られた後、
眠らされたこと。
その後、孤児院にいたことが
記憶から消え、
橘家の子どもとして
生まれたと思いこんで、
ここ、ニコラ学園に転校したこと。
なぜ堀口いぶきくんや
十文字ひなのちゃんの名前を
知っていたのかも、
なんとなくわかった。
それはふたりを、対象者として
私の頭のチップが覚えていたから。
そう考えると、つじつまがあう。
・*。・ 翌日 ・。*・
「おはよう」
私が堀口くんに声をかけた。
「おはよう」
彼も、私を見た。
(好き、ではないかもしれない)
ふっと思った。
(この好きは、
まだ恋愛ではなくて、)
「友達から、もう一度
スタートしない?」
気づけば、
提案していた。
「俺も、そう思ってたところ」
「おはよー、いぶき」
「ひなの」
(やっぱり、十文字さんが
好きなのかな)
そんなことを思いつつ、
私は私の気もちを確認した。
(この数ヶ月、堀口くんと
一緒にいるのも楽しかったけど、
この気もちが恋かどうかは、
これから、探っていこう)
「大森さん、野澤さん、
おはよー!」
私たちは5人、歩き出した。
*end*
※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
橘 侑里

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