どこにも行かないで
作者:花音
3月24日、卒業式後。
「ユウリ・・・」
「ん? 何?」
卒業式の後、
皆と校庭で話していたら、
つきあい初めて2年半の彼、
リョウスケに呼ばれた。
「どうしたの?
そんなに暗い顔してw
もしかして、卒業して
悲しくなっちゃった?w」
私はいつも通り笑顔で
リョウスケに話しかけた。
「あのさ・・・」
「?」
リョウスケは、
めずらしく暗い。
「どうかした・・・」
「別れよう」
・・・
その瞬間、目の前が
真っ暗になった気がした。
「え? なんで?」
「ごめん。
じゃあ、高校でもがんばれよ」
そう言ってリョウスケは
私の横を通りすぎて、
学校を出ていった。
全てが終わった。
私は訳がわからなくなって、
ただその場に立ちつくしていた。
今思えば、最近おかしかった。
高校もどこに入学するのか
教えてくれなかった。
勉強出来るから、
入試は絶対受かってるはずだ。
それに、卒業後に
どっか行こうよって言っても、
「その日は用事があるから・・・」
と言って、全部断られていた。
何よりおかしかったのは、
今日から1週間後が
私の誕生日なのだか、
そのプレゼントを
すでに渡されていたのだ。
前々からおかしいとは
思っていた。
でもリョウスケを信じて
疑わなかったのに・・・
裏切られたようで、
私は思わず泣いていた。
「も~、ユウリ、
今さら泣いてるーw」
友達が、私が卒業して
泣いてるんだと勘違いして
笑ってきた。
「えへへ、なんか、
悲しくなっちゃって・・・」
涙はどんどん
こぼれ落ちてきた。
《さっきリョウスケを
駅まで見送りに行った》
今は元カレになった
リョウスケと仲の良い男子が、
LINEでそう言った。
私の中では、リョウスケはもう
隅っこの方にやられていた。
そうしなきゃ
思い出してしまうから。
だから、リョウスケのことを
無理やり嫌いになった。
あんな風にこそこそ怪しくて、
ふって・・・
でも、何だか
引っかかりを覚えたから、
既読無視はしなかった。
まぁ、当たり前か。
《見送り?》
《そ、本当は空港まで
行きたかったんだけどなー》
・・・は?
ど、どういうこと?
空港って・・・
《リョウスケ、
どこ行ったの?》
《は? お前何言ってんだよ。
パリだろ》
《旅行?》
《おいおい、とぼけんなよw
留学だよ》
え・・・うそ・・・
そんな・・・!
留学・・・?
《ていうか、お前、
知らなかったの?》
知らないも何も・・・
《あいつ一時帰国も
しないつもりだってさ》
どうしよう・・・
全部これだったんだ。
リョウスケはずっと前から
留学することが決まってたんだ。
でもそれを私に言ったら
悲しむと思って、
わざと言わなかったんだ・・・
だから高校のことも
言わなかったし、
卒業後の予定も
たてなかったんだ・・・
私の誕生日は、
あと3日後。
だから間に合わないから
先にプレゼントを・・・
全部私のため、
私を思ってやってくれたんだ・・・
私を留学後も
悲しませないために、
きっぱりさよならするために、
別れたんだ・・・
どうして、リョウスケの
してくれたやさしさを
ひとつも気づけなかったんだろう。
気づきもしないで、
忘れようとしてたなんて。
《いつ見送ったの?》
《30分前くらいかな》
30分・・・
急がないと間に合わない!
私はお財布とスマホだけ持って、
コートも着ないで家を出た。
*。。・。。*。。・。。・*。。・。。*。。・。。*。。・*。。・
全力で走った。
ダメだ・・・
間に合わないよ・・・
お願いだから待って・・・!
私はスマホから
リョウスケに電話をかけた。
でも出ない。
きっと電車の中だ。
走って電車と差を
埋められるわけない。
私はまた駅へ向かって
全力で走った。
そして、駅前まで来て、
足を止めた。
そしてタクシーに
乗りこんだ。
「急いで最寄りの空港まで!
急いで!」
私は運転手に頼んだ。
そのかいあってか、
普通より早く空港に着いた。
「おつり要りません!」
まさかこんな台詞
言うと思わなかった。
と思いながら、
私はまた全力で走った。
(どこ・・・?)
私は辺りを見回した。
人、人、人。
人が多すぎて、
見つけられそうにない。
仕方ない・・・
私は我を捨てて
大声で叫んだ。
「リョウスケいますか!
八神リョウスケはいますか!」
一瞬にして
周りが静かになった。
「お願いだから、
いたら返事してください!
お願いだから・・・お願い」
ポロポロ涙が
こぼれてきた。
会いたくて会いたくて
仕方ない。
一瞬でも良いから
会いたい・・・!
「えーん! 会いたい・・・!
リョウスケ!」
私は思いっきり
泣き叫んだ。
その場にへなへなと
座りこんだ。
その時、懐かしい香りが
鼻をかすめたと思ったら、
目の前で
黒い靴が止まった。
そして顔の前に
手が差し出された。
「ほら」
見上げたら、そこには
リョウスケがいた。
「リョウスケ・・・」
私は思いっきり
リョウスケに抱きついた。
「会いたかったよ・・・!」
私はそう言って泣いた。
涙が止まらなかった。
「泣くなって。
お前は笑ってるときが
1番かわいいから」
そう言ってリョウスケは
私の涙を拭いた。
「皆さん、聞いてください!
僕は留学をやめて、
ずっとユウリと一緒に
いようと思います!」
周りからは
大きな拍手が起こった。
それから、リョウスケは
特別に私が通う高校に
入学することになった。
「これからは、
ずっと一緒だよ」
*END*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
橘 侑里

- 2026.02.02助けてくれてありがとう。作者:イエローハット
- 2026.01.26ユーキャンフライ作者:ぐりいん
- 2026.01.24キミは恋のキューピッド/////作者:ひご
- 2026.01.22どこにも行かないで作者:花音
- 2025.12.19別れちゃうけどずーっと一緒作者:あいあい
- 2025.12.08みんなの一生を生きる私は作者:みいお委員長
- 2025.12.02超能力っていいな。作者:中学1年生
- 2025.11.29幽霊の私は君に触れる。作者:ゆうりらぶ
- 2025.11.24「ずっと、そばにいてあげる」作者:hibiki
- 2025.11.23いつか、ね。作者:wwww
- 2025.11.21君と、冬の大三角を。作者:結喜
- 2025.11.20予測不能な恋作者:氷雪気候
- 2025.11.17恋は無敵作者:中学1年生
- 2025.11.14君と見た花火作者:ろっか
- 2025.11.11お菓子の“まほう”作者:3タクロース☆
- 2025.11.091番あったかいのは君作者:フーイ
- 2025.11.05ただそれだけなのに作者:ジャパニーズ
- 2025.11.04ツンデレくんとかまってちゃん作者:メーダー@
- 2025.11.02私のセカイ作者:ナッツ類
- 2025.11.01いつまでも約束作者:wwww
- 2025.10.30私だけのストーリー作者:ビビビッ
- 2025.10.29誠実な君作者:いちごーれ
- 2025.10.27君への恩返し作者:なるぅ
- 2025.10.25君のトロンボーン作者:ぐりいん
- 2025.10.25友達1番!作者:ふが
- 2025.10.22ネッ友!作者:フーイ
- 2025.10.2110年後の約束作者:うあ
- 2025.10.2012本の黄色のバラ作者:のい
- 2025.10.19どっちを選ぶ? ~友達 or 好きな人~作者:あかR
- 2025.10.19前世作者:みいお委員長
- 2025.10.18作る=繋がる作者:あかり
- 2025.10.17放課後の音楽室で作者:まかろん
- 2025.10.16瞳の中の空作者:ごん
- 2025.10.15魔法使いの君作者:ゆうりらぶ
- 2025.10.14心を見ること作者:ごん
- 2025.10.13舞い降りた天使作者:ゆー
- 2025.10.12名も知らぬ君作者:ユウリちゃん大好き女子
- 2025.10.12猫と人間の恋はオーケー?作者:いちごーれ
- 2025.10.11勘違いの恋と真の恋作者:歌恋
- 2025.10.10叶わない恋は、遠くて重い作者:てんふ
- 2025.10.08恋に奥手作者:ゆうりちゃんLover!
- 2025.10.05恋バトル!作者:っく
- 2025.10.04アドリブ作者:はお@
- 2025.09.28冷めた恋と温かい恋作者:ぐりいん
- 2025.09.27私を守ってくれた人 ~大切な約束~作者:ゆゆ
- 2025.09.22マッド・サイエンティスト作者:あかR
- 2025.09.20魔法なんかじゃなくて作者:ゆうりらぶ
- 2025.09.17守られるんじゃなくて作者:ゆうりらぶ
- 2025.09.11苦手な私の英雄作者:ゆうりらぶ
- 2025.09.09チェンジ!?作者:ゆうりらぶ
- 2025.09.04・・・・好きかも。作者:ゆうりらぶ
- 2025.08.26お昼休みの出来事。作者:みぃお委員長
- 2025.08.22君たちがいるから作者:ゆうりらぶ
- 2025.08.17最高の夏休み作者:るり























伊藤 沙音
青山姫乃
国本 姫万里
松田 美優
白水ひより
星名ハルハ
星乃あんな
工藤 唯愛
佐々木 花奈
白尾 留菜
十文字 陽菜
松尾 そのま
梨里花
稲垣 来泉
崎浜 梨瑚
中瀬 梨里
相沢 伊吹
大月 美空
山本 初華
常盤 真海
野澤 しおり
葵 かんな
大森 ひかる
畠 桜子
西 優行
久野 渚夏
今井暖大
北島 岬
松瀬 太虹
八神 遼介
小澤 輝之介
安藤 冶真
竹内琉斗
堀口壱吹
川上莉人
小林 凛々愛
黒崎 紗良
しゅり
高柳 千彩
宮澤 花怜
上野 みくも
