nicola

キーワード検索

お菓子の“まほう”

CAST橘 侑里橘 侑里

作者:3タクロース☆

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.11.11

きゅんっ。





わたしは自分の胸が
どうときめくのかを
確かに感じた。





わたし、ゆうりがときめくのは
クラスメートのいるま。





いるまは一匹狼系男子で、
そんなところが大好き!





いるまが前髪をちょっと
かきあげるのを見ただけで、
きゅんっ。





ゆうり「いるまくん、
ほんとにかっこいい!
イケメンすぎる」





りゅうと「顔だけで決めるなよ(笑)」





ゆうり「顔だけじゃないもん!
しぐさも全部大好き」





りゅうと「なら、応援するけどさあ」





幼なじみのりゅうとは、
恋愛の先輩。





りゅうとには、いぶきちゃんという
超絶かわいい彼女がいる。





ゆうり「いぶきちゃんは
どうやってりゅうとに
告白したの~?」





いぶき「お菓子をあげたんだ」





ゆうり「? お菓子?
お菓子でつられるくらい
うかつなヤツだったっけ?」





いぶき「違うよ~(笑)
恋情をこめた!
好きですって気もちでね。
そういやいるまくん、
甘党だってウワサだけど」





ゆうり「まじっ!?
じゃ今から作ってくる!」





いぶき「あ、待って!
思いをこめることが大事だからね、
何度も何度も作り直して!」





ゆうり「ええっ!?
は、はーい」





ってことで、わたしはいるまくんに
“好きです”って気もちをこめた、
おいしいガトーショコラを
作ることに決めたんだ。





絶対に成功させたい。





お菓子を差し出して無反応って、
悲しすぎるもん!





わたしはバレンタインに向けて
部活も早退し、





その日から必死で
お菓子作りにはげんだ。





「悪くないけど、全然ダメ!」





好きな人にあげる、
たった1つのお菓子なのだ。





お菓子作りなんかニガテ分野だけど、
ここだけは絶対ゆずれない。





弟のはるとにも
協力してもらいながらがんばる。





ゆうり「どう? 味は?」





はると「悪くないけど、
別に断トツいいわけじゃないね」





ゆうり「ううっ」





世界一おいしいお菓子をつくる。
そう思って作っていた。













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





ゆうり「いぶきちゃんー。
全然いいの作れないんだけど!
いつも弟に味見させてるんだけど」





いぶき「それじゃダメに
決まってるじゃない」





ゆうり「なんで?」





いぶき「だって、ゆうりは
弟くんに食べさせるつもりで
作ってるわけでしょ。
それがいるまくんにとっての
1番になるわけないもん」





ゆうり「あ、そっか!」





いるまくんのことを考えて、
最高のガトーショコラを作る。





そう思って、次の日。





完成したガトーショコラを
学校に持っていき、
給食の時間にこっそり渡した。





「これね、いるまくんのために作ったの。
いるまくんのためだけ」





いるまくんは驚いて私を見たあと、
ガトーショコラを直視した。





その目がちょっと輝いてる。





「これ、もらっていいの?」





「もちろん」





いるまくんは、ガトーショコラに
かぶりついた。





一口、二口。





どんどんなくなっていく。





食べ終わる頃には、いるまくんの瞳は
キラキラしていた。





「うんめえ!
お前、お菓子作りうまいのな!」





「いるまくんのことを考えて
作ったからね」





そう言うと、いるまくんは
ちょっと顔を赤くした。





お菓子ってのは、やっぱり
好きな人との距離も縮めてくれるみたい。





これが、お菓子の“まほう”。





いや、恋の“まほう”かもね。







*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

Like

この物語に投票する

橘 侑里が主人公の物語が主人公の物語

NEWS!NEWS!

nicola TVnicola TV

物語募集

「ニコラ学園恋物語」では、ニコ読の
みんなが書いたニコモを主人公にした
オリジナルラブストーリーを大募集中!

応募する

主人公別 BACK NUMBER主人公別 BACK NUMBER

  • nicola TV
  • 新二コラ恋物語 恋愛小説を大募集!