nicola

キーワード検索

ただそれだけなのに

CAST橘 侑里橘 侑里

作者:ジャパニーズ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.11.05

幼稚園の頃から
ずっといっしょだった、
テルノスケ。





でも、今、私から
テルノスケの心は離れてる。





そんなの、嫌。





こんなに、こんなに
好きなのに、





テルノスケは
あの太陽みたいな笑顔で。。。。











* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





私とテルノスケは、幼なじみ。





家が近くて、
毎日一緒に遊んでた。





物心がついた時から、
私たちは思い合ってた。





「僕は一生ユウリ
を愛することを誓います」





「ゆーちゃんもいっしょー
テルちゃんを愛しゅることを誓います」





なんて言って、
結婚式ごっこしてたっけ。





テルノスケは、その歳にしては
賢い子だった。





「ねえねえ、『恋』って何?」





「それはね、自分本位の、
好きになるってことだよ」





「自分本位って、何?」





「それはね。。」





クラスが違っても、帰りはいっしょに
話しながら歩いたし、





相手に気がつけば、ニコッと笑った。





気もちはいつだって
いっしょだった。





気がつけば、お互い相手を
「好きな人」と認識していた。





「ユウリ、俺等ってさ、
つきあってるよね」





「ええっ?
つきあってないよ」





「。。。そっか」





「だって、告られてないもん!」





「じゃあ、今から告白するから」





「えっ///」





「ユウリ、ずっと好きだった。
これからも君の笑顔が見たいんだ」





「私も大好きだよ」





あの時は、ほんとに
キュンとしたなぁ。





いっしょにいすぎて
つきあってると勘違いしてたのは
びっくりだったけど。





あんなにも好きだったのに。





テルノスケも私を
好きだったはずなのに、





別れは、あまりにも突然だった。





「別れてほしい」





そう告げられた時、
視界が真っ白になった。





「え、なんで。。。?」





絞り出した声は
震えていたと思う。





「好きな人に
迷惑はかけたくないんだ」





「え。。。何それ。嫌!
私がどれだけテルノスケが好きか
知らないでしょ!?」





「知ってるよ!
俺もユウリが大好きだから!
だから別れて」





泣き出す私を、テルノスケは
最後にときつく抱きしめた。





そして、唇を合わせてキスした。





「ただいっしょにいたい。。。
ただそれだけなのに」





私はすすり泣いた。





数日後に、テルノスケが
別れてと言った理由をしった。





彼はいじめられていた。





私は言った。





「そんな時こそ、テルノスケの
そばにいたかった」





テルノスケは、苦しげに笑った。





「君まで、はぶられちゃうかもだから」





そんなのどうでもいい、
と言いたかったけど、言えなかった。





私は泣いた。





無力な自分に泣いた。







彼の隣にいたかった。





ただそれだけなのに。







*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

Like

この物語に投票する

橘 侑里が主人公の物語が主人公の物語

NEWS!NEWS!

nicola TVnicola TV

物語募集

「ニコラ学園恋物語」では、ニコ読の
みんなが書いたニコモを主人公にした
オリジナルラブストーリーを大募集中!

応募する

主人公別 BACK NUMBER主人公別 BACK NUMBER

  • nicola TV
  • 新二コラ恋物語 恋愛小説を大募集!