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CAST橘 侑里橘 侑里

作者:はお@

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.10.04

こんにちは!
私、橘ゆうり。





最近注目されてる
若手女優。





私は、芸能活動が大好き。





この間も人気小説
『恋のレベル100』の
ヒロイン役に受かったところ。





明日が『恋のレベル100』の
初の練習。





がんばるぞ~!





「では、自己紹介をお願いします」





スタッフに言われて、
私は立ち上がった。





「中学2年生の橘ゆうりです。
よろしくお願いします」





スタッフは
笑顔でうなずくと、





視線を私の隣に座る
男の人に投げかけた。





同じくらいの歳だろうか。





めちゃくちゃイケメンだ。





「北島みさきです」





彼はそれだけ言うと
席に着いた。





みんなが
戸惑っているのがわかる。





「・・・じゃあ次、今井くん」





今井くんと呼ばれた男の人が
立ち上がり、





「今井はるとです!
よろしくお願いします」





と、人懐っこい笑顔で
あいさつする。





「大月さん」





次は、透明感のある
かわいい女の子が立ち上がった。





「大月みくです。
よろしくお願いします~」





スタッフが言う。





「この4人、重要人物だからね。
じゃあ、練習するよ」





恋愛シーンが
8割をしめるドラマである。





この不愛想な北島みさきの
相手役をすることを考えると
気が重かった。





早速、ヒロイン・ユウリが
転びそうになったところを
ミサキに助けてもらうシーンを演じる。





「あっ? わあ!」





私は、階段から落ちそうになる
フリをする。





北島みさきは
あのポーカーフェイスからは
考えられない演技力を披露した。





「いいけど、橘さんと
北島くんの演技に距離を感じる。
もっと自然に」





困った。





もっと自然にと言われても・・・





そう思っていたら、あとから
彼に声をかけられた。





「橘さん。あのさ、
もっと演技を自然にするために
その・・・仲よくなろう!」





彼の方から仲よくなろうと
言われるとは。





私は戸惑いながら
うなずいた。





その日から、私たちは
親しく話すようになった。





ともに練習を重ねるうちに、
私たちの仲は自然と深まった。





彼は不愛想に見えて、誰よりも
紳士的でやさしかった。





私は、そんな彼に
惹かれていった。





だんだん増える
彼の自然な笑顔を見るのが、
私の幸せだった。





大月みくと今井はるととも
仲よくなった。





2人ともやさしくて、
私はこの3人が大好きだった。





『恋のレベル100』の
あらすじはこうだ。





ヒロイン・ユウリは
引っこみ思案だけど
恋にはアツいタイプの中学2年生。





彼女は、部活動紹介で一目ぼれした
中学3年生のミサキがいる弓道部に
入部する。





女子にやさしく、紳士的だと
うわさのミサキは
なぜかユウリだけには冷たい。





大月みく演じる親友ミクと
ミサキがつきあっている疑惑が発生したり、





今井はると演じるハルトに
告白されたり、





たくさんのトラブルが
発生しながらも、





ユウリは
レベル100の恋に挑む。





「今日撮影するシーン、
緊張する~」





私の隣で、みくが言った。





「私の方が緊張するよ。
目玉のシーンだもの」





今日撮影するのは、
1番人気のある
クライマックスのシーン。





ユウリが
『なんで私だけに冷たいんですか!』
とミサキを問い詰め、





ミサキが
『好きだから』と短く答え、
ユウリを抱きしめる・・・





想像するだけで、緊張する。





「がんばろうぜ」





通りすがりにみさきが
私の肩をポンと叩く。





どきっとした。





「では、開始!」





監督が言い、私は
みさきのもとへ走っていく。





「なんで、私を避けるんですか?
私のこと、嫌いなんですか・・・?」





みさきは驚いたように
目を見開き(演技)、
私を強い瞳で見据える。





「いや。好きだからだ」





彼が私を見つめながら
近づいてくる。





「初めて会った時から、
ずっと君を、
キレイだなって・・・」





え? こんなの、
台本にあったっけ?





「暗かった僕の世界に、
光が差しこんだ。
その光は美しい・・・
好きだ」





彼は、私を抱きしめる。





私は困惑を隠し、
そのまま演技を続ける。





演技とは思えないくらい
温かい瞳だ。





思わず、その言葉を
信じてしまいそうになる。





「カーット!」





監督が叫んだ。





「よかったよ。
めちゃくちゃよかった!」





スタッフたちは
困惑している様子だ。





やっぱり、
こんなの台本にない。





「みさきくん、あのアドリブ・・・
すごいね」





みさきは私を見て微笑んだ。





「心の底から出た言葉。
思わず、言っちゃった」





彼はそれだけ言うと、
去っていった。





え? それって、
まさか・・・





*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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