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マッド・サイエンティスト

CAST橘 侑里橘 侑里

作者:あかR

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.09.22

私、橘ユウリ。





科学がだーいすきな
中学2年生だよ!





「先輩っ、見てください!
この実験成功しました!」





「おっ?」





でも、私には
科学よりもっと
大好きなものがあるの。





それは、西ユアン先輩。





彼はマッド・サイエンティスト。





先輩だけど、
いいライバルでもあるの。





でも彼は、もう少しで卒業。





それまでに、私、作るんだ。
・・・・惚れ薬を。





私が彼のことを好きだと
自覚したのは、2か月くらい前。





同じ化学部の
キャピキャピした女子、
葉山ワカナが





「私、ユアン先輩
狙ってるんだよねー!」





と、友達に話していたのが
きっかけだ。





彼女はクラスのど真ん中に
いるような陽キャなのに、





なぜ友達と別の
静かな化学部を選んだのか、
前から不思議に思っていた。





彼女は、部活動にあまり真剣に
取り組んではいなかった。





それで、謎が解けたという
わけである。





彼女は最初から
大人気のイケメン先輩、
ユアン先輩を
狙っていたというわけである。





そこでワカナに
先輩をとられたくない!
という気もちが
ふつふつと湧いてきた。





そこで私は、決めたのだ。





惚れ薬をつくること。





「ねーねー、
なーに作ってんの、
橘さん?」





ワカナがぴょこぴょこ
かわいらしく跳ねながら
こっちに近づいてきた。





もう少しで惚れ薬が
完成するというのに、
邪魔なものだ。





「すごいピンク色だねえ・・・・
ねえ、あのさ」





ワカナはちょっと意地悪そうに
微笑んで、
私の耳に顔を近づけてきた。





「惚れ薬だよね」





「っ!?
・・・・なんで」





やっぱりか、と言わんばかりに
ワカナは笑った。





「私も、作ってるんだ。
ユアン先輩、
オトすために」





「オトす・・・・!」





ワカナは上機嫌で
自分の席へと戻っていった。





急がないとまずい。





今日の放課後渡さなきゃ。





このまま渡すと怪しいので、
私は惚れ薬を型にはめて、焼いた。





ピンク色でちょっと怪しいが、
まあだいじょうぶだろう。





「ユアン先輩っ!
これあげます!
今食べてください」





一気にまくしたてて
断らざるを得なくする。





「え・・・・ああ、うん」





ユアン先輩はちょっと
怪しそうにこっちを見ながら
少しずつ口に運んでいく。





ドキドキする。





「・・・・橘・・・・」





ユアン先輩がとろーんとした
目になった。





そして、私を
熱っぽい目で見つめる。





やった!
成功した!





「好き」





言葉にならない気もちが
胸中をぐるぐる回る。





「なーんてね」





ユアン先輩のいつも通りの声。





「・・・・え?」





「これ、惚れ薬だろ?
ニセの。
こんなのじゃ
俺の気もちつかめないぞ」





恥ずかしくて
真っ赤になった。





穴があったら入りたい。





「でも」





「でも?」





私は、思わず聞き返した。





「惚れ薬なんか飲まなくったって、
俺はお前のこと好きだけどな」





い、今なんて?
ユアン先輩。





*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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