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苦手な私の英雄

CAST橘 侑里橘 侑里

作者:ゆうりらぶ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.09.11

私、橘ユウリ。
ニコラ学園に通う、
中学2年生。





「ねーねー、
ユウリちゃーん」





後ろから聞こえるのは
クラスメイト・安藤イルマの
気だるそうな声だ。





私は、彼の声を無視して歩く。





「おいおいっ」





彼は走って
私の前をふさいだ。





「何の用ですか。
どいてください」





「かわいいのに、
そんな顔じゃ台無しだよ~」





イルマは、私のあごを
くいっと持ち上げた。





「触らないで!」





私は、ぴしゃりと言った。





最近よく絡んでくるのは、
問題児のクラスメイト、イルマ。





私は彼のことが好きじゃない。





チャラいし、
礼儀がなってないし。





でも、なぜか彼は
私にいつもちょっかいを
かけてくる。





親友の大月ミクに相談すると、





「ユウリのことが
好きに決まってんじゃん」
と、返された。





そして、イルマは
清楚でかわいい女の子が
好きだと聞いた。





「ユウリにぴったり
当てはまってんじゃん。
ユウリはその気、ないの?」





その気というのは
聞かなくても
どういうことかわかった。





「ないよ。
私、あの人苦手だもん」





その気もちが変わったのは、
もう少しあとのことだった。















*...・・・*...・・・*





「へー、
かわいいじゃん」





後ろから聞こえたのは
イルマの声・・・・ではなく、
知らない男の人のものだ。





何人かいる。





私は少し背筋に
ぞくりとするものを
感じながら歩く。





「ねえ」





ぱっと、手を
強い力でつかまれた。





「きゃっ」





と、思わず悲鳴を上げる。





「キレイな子だねぇ・・・・」





金髪でピアスをつけた男の人は
私のあごを、イルマと同じように
くいっと上げた。





でも、イルマの手の方が
心地よい。





怖い。怖い。
助けて。





震えていたそのときだった。





ドン! と大きな音がして、
私の前から男の人が消えていた。





「危ねえじゃんよ。
お前、かわいいんだからさ、
もっと気をつけろよ」





彼はそうささやくと、
さっと私の手をとって
走り出す。







その手が、いつもよりも
温かかった。







*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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