短い言葉で伝えたい

CAST近藤 結良近藤 結良

作者:たくみん

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2021.01.10

私、近藤ユラ!
ニコラ学園の
中学1年生!





毎年、1年生は
卒業する3年生に
俳句を贈るのが
風習なんだ。





国語の授業終わり、
私も筆ペンで
書き終えた俳句を見て
満足げにうなずく。





ユラ「できたー!」





カホ「どれどれ?」





見に来たのはカホ。
カホは小学生からの
親友なんだ。





ユラ「えっとね。
『3年生今まで
たくさんありがとう』
どうっ?」





自信まんまんで
カホを見つめる。





カホ「・・・普通?
っていうか
小学生並み?」





ユラ「えっ!
めっちゃ
考えたのに!」





私はがっくし
机につっぷす。





ユラ「そういうカホは?」





カホ「えっへん。
『桜散る
見つめる背中
どこまでも』」





ユラ「おお・・・!
何かカッコいい!
すごい!」





カホ「まあね。
でも、まだ
考え中なんだ」





ユラ「えっ?
なんで?
めっちゃ良いじゃん」





カホ「だって・・・」





カホは急に
ほっぺたを
ピンクに染めた。





あっ、と
気がついた。





カホには3年生に
好きな先輩がいるんだ。





内田レンっていう
野球のエース。





何も入学した時に
一目惚れしたらしくて。





今まで何度も
アタックしてるけど
振り向いて
もらえないみたい。





カホ「この俳句が
最後のチャンスだから」





ユラ「そうだね。
頑張って!」





私は力強くうなずいて
自分も俳句を作り直そうと
机に向かった。













*。・ 1週間後 ・。*





ユラ「おっはよー!」





今日も登校するなり
カホの席に向かう。





ユラ「カホ?
おはよう」





カホ「・・・おはよう」





カホの顔色が
めっちゃ悪い。





ユラ「どうしたの?」





カホ「・・・レン先輩に
彼女ができた」





ユラ「えっ」





カホ「2年のリミ先輩。
吹奏楽の先輩だって。
ユラの先輩だよね?」





ユラ「う、うん」





私は吹奏楽部に
入ってる。





リミ先輩は
顔も可愛くて
美人さんだ。





さらに、
モデル活動もしてるし
文武両道の
憧れる先輩。





でも、前に部活で
彼氏はつくらないって
言ってた気が
するんだけど・・・?





カホ「リミ先輩には
敵わないよ・・・」





へらっと
苦笑いをしたカホ。





ユラ「そっか・・・」













*。・ 次の日 ・。*





私は登校してる最中、
リミ先輩とレン先輩が
一緒に登校してるところを
見てしまった。





でも、お似合いだな。
美男美女カップル
だからかな。





カホが諦めるのも
何となく分かるかも。





タカト「何してるの?」





ユラ「へ?」





突然、後ろから
誰かの声!





振り返ると、
それは同じく
野球部の3年生、
大倉タカト先輩。





タカト「どうしたの?
ボーッとして。
大丈夫?」





ユラ「だ、大丈夫です!
すみませんっ」





私は慌てて
頭を下げる。





けど、タカト先輩は
私が見てた方――
リミ先輩とレン先輩を見て
肩を下げる。





タカト「ああ、
レンのことか」





ユラ「え、えっと・・・」





タカト「レン、
人気者だからね。
でも、レン別に
好きな人も
いなかったぽいし、
なんであの子と
付き合ったんだろう」





不思議そうに
2人を見つめる
タカト先輩。





ユラ「そうなんですか?」





タカト「ま、気変わりでも
したのかな。
じゃあね」





そう言って
タカト先輩は
歩いていった。





レン先輩、
どういうつもりだろう?





リミ先輩も
何か隠してるっぽいし・・・?





でも、放課後、
私は部活で
リミ先輩と
ミナミ先輩が
話してるのを
聞いてしまったんだ。





ミナミ「それで、
どうやって
落としたのさ、
レン先輩」





リミ「え? あの先輩、
簡単だったよ。
可愛く
『レン先輩のことが
好きになっちゃました』
って言えば一発だった」





ミナミ「へぇ。
さすがだね。
でもさ、これでリミ
告白されなくて済むね」





リミ「やっとだよ。
私に彼氏がいるって
分かれば
誰も告白して
こないからね」





ミナミ「リミ頭良い!」





・・・そういうことなの?





自分がこれ以上、
告白されないように
好きでもない先輩に
告白したの?





・・・そんなの、
カホがかわいそう。





本気で恋してたのに。
いろいろ頑張ってたのに。





・・・レン先輩も、
もしかして
リミ先輩の可愛さに
騙されてる?





だから好きじゃないのに
OKしたのかな。





だんだん
腹が立ってきた。





ユラ「・・・先輩」





リミ「どうしたの?
ユラちゃん」





ユラ「今の話、
本当ですか?」





リミ「えっ、何が?」





ユラ「レン先輩に、
好きじゃないのに
告白した、
っていう話です」





2人は明らかに
まずい、という
顔をした。





リミ「いや、
別に好きだよ?
かっこいいし、
スポーツできるし、」





ユラ「カホは本気で
好きだったんです。
レン先輩のこと」





ミナミ「カホ?
ユラちゃんの友達?」





ユラ「はい。だから、
カホのためにも
別れてください」





リミ「はあっ?
なんでよ。
なんでユラちゃんの
友達のために
別れなきゃいけないの?」





ユラ「カホが
かわいそうだからです」





リミ「事情は
分からないけど
無理だな」





リミ先輩は
笑ってごまかす。





ユラ「だったら、
勝負しましょう!」





リミ・ミナミ「は?」





ユラ「卒業式に、
レン先輩に
俳句を贈ってください。
私も贈るから、
どっちの俳句が良いか
レン先輩に決めて
もらいませんか?
レン先輩が、
私を選んだら、
別れてください」





ミナミ「なにそれ。
っていうか、ユラちゃん、
先輩の彼氏とろうと
してるんだよ?
レン先輩は本気で
リミのこと好きだし、
何してるか分かって、」





リミ「ミナミ、いいよ。
・・・ユラちゃん、
その勝負受けて立つよ」





ユラ「ホントですか!?」





リミ「うん。でも、
そのかわり私が勝ったら
2度とレン先輩のこと
言わないでよね」





ユラ「・・・分かりました」













*。・ 次の日 ・。*





カホ「えっ。ユラ
何してるの?」





ユラ「・・・今
集中してるから」





私は昨日買った
俳句の本を熟読する。





俳句の作り方や
季語がたくさん
載ってるんだ。





カホ「えっ、あ、ごめん」





カホはいぶかしげな
雰囲気で
自分の席に
戻って行った。





カホには
昨日の勝負のことは
言ってない。





自分で
解決するんだ!





けど、
頑張りすぎたせいか、
熱を出してしまった。













‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐*‐





カホ「さ、どういうこと?
教えて」





そして、その日、
お見舞いに来てくれた
カホに、
事情を説明した。





カホ「・・・そうだったんだ」





ユラ「なにも言わずに
ごめん・・・」





カホ、
怒るかな。
あきれたかな。





でも、自分で勝手に
はじめて
熱出すって。





ほんと
何してるんだろう
私・・・





カホ「ううん。
ありがとう、ユラ」





カホのあたたかい目。
優しい声。





カホ「ユラ。
その勝負、
決着は私がつけるよ。
リミ先輩、絶対
負かしてみせるから」





カホはギラリと
強い目で
私をみすえた。





ママ「ユラーっ!
お客さん!
部屋入るよ!」





お客さん?
今カホが帰ったのに。
誰だろう?





ユラ「えっ、ええっ、
えええええっ!?」





部屋に入ってきた
まさかの姿に
目を丸くする。





タカト「突然、悪いね」





まさかの
タカト先輩!





ユラ「ど、どうしたんですかっ、
それになんで
家知ってるんですか!?」





タカト「カホちゃんと
一緒に来たんだ」





ユラ「カホと??」





タカト「カホちゃん、
失恋して
ボーッとしてて。
僕に相談してきたんだ」





ユラ「えっ・・・」





カホ、
そんなことしてたの?





私が必死に
本読んでたときに・・・





タカト「・・・レンさ、
多分カホちゃんのこと
好きだよ」





ユラ「そうなんですかっ?」





タカト「うん。
しょっちゅう僕に
カホちゃんの話
してたもん」





レン「なら、なんで・・・」





タカト「レンは、
おしに弱いから。
リミって子が
強く言ったんじゃないかな」





ユラ「・・・卒業式に、
カホとリミ先輩が
俳句対決するんです。
どちらの俳句が良いか
レン先輩に、
決めてもらおうって。
でも、私が言い出したから
レン先輩の気持ちを
考えてなかったかも・・・」





タカト「それ、良いね」





ユラ「えっ?」





タカト先輩は
私を見てうなずく。





タカト「レンの気持ちを変える
チャンスだよ。
・・・僕も協力する」





ユラ「ホントですかっ!」





タカト「うん。
でも、ひとつ
条件がある」





ユラ「な、なんですか?」





タカト「ユラちゃん、
僕のために
俳句つくってくれない?」





ユラ「えっ、
あ、はいっ」





私がタカト先輩に
俳句?





レン先輩には
カホが作るって言うから
別に良いけど・・・





タカト「じゃあ、
僕に任せてね。
ユラちゃんは
ゆっくり休んで」





その、私だけに
向けられた
優しい笑顔に





私は心を
撃ち抜かれてしまった。













*‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐





そして、
卒業式の日。





ユラ「カホ、
そろそろだよ!」





カホ「・・・う、うん」





リミ「あなたが、
カホちゃん?」





突然、後ろから
声がした。





ユラ「リミ先輩・・・」





カホ「リミ先輩・・・
私がカホです」





リミ「私、自信作の
俳句つくってきたから」





カホ「私もです」





2人はお互い
火花を散らす。





2人とも本気だ。





どっちが勝っても
おかしくないと思う。





レン先輩が来た。





カホとリミ先輩が
同時に近づく。





レン「・・・リミ。
と、カホちゃん」





カホ「私、ずっと
レン先輩のことが
好きでした」





リミ「カホちゃんが、
レン先輩のこと
忘れられないみたい。
だから、
俳句作ってきました。
それを、レン先輩が
どっちの方がいいか
決めてください」





レン「・・・うん。
分かった」





静かにうなずく
レン先輩。





リミ「じゃあ、私から。
『春の風夢のような
この瞬間』」





おおっ。
リミ先輩すごい。





カホ「次、私です。
『すみわたる空に広がる
君の笑顔』」





カホ、字余りで
攻めてきた。





字余りって、
わざと文字数を
余らせることで
そこが目立つように
してるんだ。





レン先輩が
目をつぶる。





レン「・・・決まった」





私はごくっと
つばをのむ。





心臓が
バクバクする。





レン「おれがいいと思った
俳句は・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・リミ」





リミ「・・・やった!」





リミ先輩が
嬉しそうに叫んだ。





私とカホは
互いに見つめあう。





・・・ダメだったんだ。





カホが
泣きそうな顔。





その顔を見て
私も胸が
締めつけられる。





レン「でも」





ユラ・カホ「えっ?」





レン「おれは、
カホのことが好き」





カホ「・・・・・・え」





カホが
フリーズする。





リミ先輩も
かたまってる。





レン「・・・リミ、
ごめん。
おれカホのことが好き」





リミ「・・・分かってた。
分かってたよ」





リミ先輩は
ぎゅっと
目をつぶった。





リミ「レン先輩、
利用してごめんなさい。
私は、別にレン先輩のこと
好きじゃなかった」





レン「おれも、
勢いでOKしちゃった。
誤解させてごめん」





リミ「・・・ううん。
ありがとうございます」





リミ先輩はそう言って
立ち去っていった。





そしてカホに
向き合った。





レン「・・・カホ。
改めて、おれ、
カホのことが、好き。
付き合ってください」





カホ「・・・はい!」





カホは目に
涙をためてうなずく。





その2人を見て
胸があたたかくなった。





ユラ「・・・タカト先輩!」





2人と別れた後、
私は遠くにいた
タカト先輩に
駆け寄る。





タカト「あっ、ユラちゃん」





ユラ「先輩、
ありがとうございました。
無事に終わりました」





ぺこっと
頭を下げる。





タカト「よかった。
レン、カホちゃん
選んだんだね」





ユラ「はい。
カップル誕生ですっ」





タカト「ところで、
ユラちゃん。
俳句どう?」





ユラ「あ、はいっ。
考えてきました!」





私はうなずく。





ユラ「『ピンク色
あなたの笑顔私の心』」





タカト「それって・・・」





ユラ「・・・私、
タカト先輩のこと
好きです」





タカト「ぼくも」





ユラ「えっ」





タカト「付き合おう、
ユラちゃん」





私は息を吸い込む。





ユラ「・・・はい!」





ピンク色の季節。





俳句が恋を
運んでくれました!







*end*

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