6月の彼女

CAST近藤 結良近藤 結良

作者:こころん

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2021.05.16



* ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ *

「ねえ、6月の花嫁って
知ってる??
6月に結婚すると
幸せになれるんだって」

* ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ *







*・。+ *・。+ *・。+
 エピソード1
 ~中学生のゆら~
*・。+ *・。+ *・。+





ゆら「え、えええ!?
付き合う!?」





5月も中旬。
あと少しで
6月になる時期。





わたし、近藤ゆらが
学校の階段で
叫んだ理由。





それは、幼馴染で
親友の男の子、るわに
告白されたから。





るわ「しっ!
そんなに大声
出すなっ」





ゆら「だ、だってさ、
わたしたちずっと
幼馴染だったじゃん!
急に告白されても・・・」





るわ「急じゃねえよっ。
おれはずっと前から
お前のことが
好きだったんだよ」





真剣な目を
向けてくる、るわ。





思わず、胸が
きゅうっとした。





ゆら「そ、そうなの・・・?」





るわ「そうだよ。
返事はまだいいから。
2週間後に返事を
聞かせてくれ。
頼むな」





そう言って、るわは
立ち去っていった。





残されたわたしは
昔、るわから貰った
宝物のハンカチを
握りしめた。













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





そして、次の日。





学校に行くと、
隣の席のるわ。





(どうしよう、
隣なんだった!)





いつもより、そわそわ
落ち着かなさそうに
男子と話していた。





わたしも何だか
胸がざわざわして、
教室を出て
隣のクラスに行った。





かいら「あれ、ゆらちゃん。
どうしたの?」





ゆら「かいらちゃああああん。
ちょっと聞いてよおおおお」





隣のクラスの、
るわと同じぐらい親友の
かいらちゃん。





その彼女に
今までのことを話すと。





かいら「え! すごいじゃん!
で、ゆらちゃんは
どう思ってるの?
るわくんのこと」





ゆら「え・・・
仲の良い親友としか
思ってこなかったから・・・」





だから、急に告白されて
びっくりしたんだ。





るわが、私のこと
そう思ってたなんて
全く知らなかった。





かいら「ゆっくり考えれば
いいんじゃないかな。
2週間って
言われてるんでしょ?
答えをせかされてる訳じゃ
ないしね」





ゆら「そうだね。
ありがとう!
もう少し考えてみる」





そう言って、
かいらちゃんとは別れた。





そう、あと2週間、
時間はある。





でも、なんでるわは
2週間って
言ったんだろう?





早く返事ききたく
ないのかな・・・?





でも、ちゃんと、
自分の心と
向き合おう。





私は、るわのこと、
どう思ってるのか・・・













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





それから1週間後。





私は、放課後に
るわの家に行った。





るわ「・・・ゆら」





ゆら「この前の
告白の返事。
しにきたよ」





るわ「えっ、おれ
2週間後でいいって・・・」





ゆら「うん、でも答え
見つかったから。
今、時間ある?」





るわ「・・・おう」





そして、2人で
公園に行った。





ちょっと歩いた
ところにある、
大きな公園だ。





ベンチに座って、
いざ、告白の返事を
しようとした、その時。





真っ白な
ウエディングドレスを着た
綺麗なお姉さんと





真っ白のタキシードの
彼氏さんらしき人が、
私たちの目の前の道を
歩いていた。





ゆら「き、きれい・・・」





はっ、と目を奪われる。





段のはいった
ふわふわのロングスカートに
レースや刺繍をまとってる。





シルクの布と
オーガンジーでできた
お花の髪飾りも、
華やかなお姉さんの印象と
相まって
すごく似合ってる。





ゆら「あ、あの!」





るわ「ゆらっ!?」





気がついたら、
声をかけていた。





花嫁「・・・えっと?」





ゆら「あっ、あの、すごく
似合っていますね、
そのドレス」





花嫁「・・・ありがとう。
これ、私の親友と
この彼が、
選んでくれたのよ」





そう言って、目を向けた
彼氏さんの顔が真っ赤。





でも、幸せそうに笑う。





花婿「こいつ、すごく綺麗だろ?
だから、華やかなドレスを
選んでやったんだぜ」





ゆら「お姉さんたちは、
このあと結婚式を
あげるんですか?」





花嫁「ううん、今日は、
ドレスを試着して
少し散歩に出るだけよ」





ゆら「そうなんですか?
でも、なんで・・・」





花嫁「6月の花嫁って
知ってる?」





ゆら「6月の・・・花嫁?」





るわ「6月に結婚する花嫁は
幸せになれる、
ってやつだよな」





るわが腕を組みながら
うなずく。





ゆら「えっ、なんで
るわが知ってるの!?」





花婿「物知りな彼氏くんだね!
そう。
6月に結婚すると
幸せになれる、っていうから
僕たちは1週間後の
6月に式をあげるんだよ」





ゆら「そうなんですか・・・
あの、お幸せに!」





花嫁・花婿「「ありがとう」」





そして、2人と別れたあと、
私たちはまた、
ベンチに腰掛けた。





ゆら「綺麗だったね、
ふたりとも」





るわ「ああ、そうだな」





ゆら「でもさ、
よく知ってたよね
6月の花嫁だなんて」





るわ「・・・おれだって」





ゆら「え?」





るわ「おれも、おまえに
6月に返事をもらったら、
6月の彼女になるかな、って」





ゆら「6月の彼女?
、・・・だから、2週間後に
返事して・・・
って言ったの!?」





るわ「・・・ああ」





ちょっぴり照れてる、るわ。





なあんだ、そういうこと
だったのか。





ゆら「じゃあ、返事は
1週間後にしよっか?」





るわ「ううん、やっぱり
いま聞きたい」





ぼそっとつぶやく、るわ。





私はニコッと笑った。





ゆら「・・・わたしも、
るわのこと好きだよ!!
6月の彼女に・・・
なりたいな」





るわ「ゆら・・・
おれ、幸せにするよ!」





ゆら「ありがとうっ。
大好き!!」













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





それから、1週間後。





私たちは正式に
付き合うことになったの!!





ゆら「これも、
あの花嫁さんたちの
おかげだねっ!」





るわ「そうだな。
でも、おれあの2人
誰かに似てる気が
したんだよな・・・」





ゆら「え、そうなの?
誰だろうね・・・」

















*・。+ *・。+ *・。+ *・。+
 エピソード2
 ~大人になったゆら~
*・。+ *・。+ *・。+ *・。+





るわ「め、めっちゃ
似合ってる!!!」





ゆら「そ、そう?
ありがとう」





あの中学生の時の
るわ告白から6年後。





とうとう、私たちは
結婚することに
なったんだ。





今はウエディングドレスを
着てるとこなの。





るわ「ちょっと
散歩でも行くか」





ゆら「そうだね」





そして、近くの公園を
散歩をしていると。





小さな女の子が
話しかけてきた。





子ども「すごい!
お姉さんたち綺麗!!」





ゆら「あら、ありがとう」





子ども「いいなあ、
ウエディングドレスッ。
わたしも着たいなあ!」





ゆら「あなたが、
大人になって結婚したら
着れるわよ。
その時は、ぜひ6月に
結婚してね」





子ども「6月?
なんで??」





るわ「6月に結婚した2人は
幸せになれるんだよ」





子ども「そうなの??
じゃあ、今6月だから、
お姉さんたちも
幸せになれるね!!
じゃあね!!」





ゆら「ばいばい!」





るわ「何か、
昔を思い出すな」





ゆら「そうだね、
私もお姉さんたちに
聞いたなあ」





るわ「だから、挙式も
6月にしたんだよな」





ゆら「そうそう。
だから私たち、
絶対に幸せになれるね」





るわ「何言ってんだよ、
当たり前だろ」





そう言って、6月の中、
わたしたちは2人で
手を繋いで
目の前に広がる道を
歩いていったのでした。







*end*

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