永遠(とわ)の夢と王子様

CAST近藤 結良近藤 結良

作者:にこにこ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2022.05.01

とある日の朝。





?「Good morning!」





私は誰かに
声を掛けられた。





?「Can you have breakfast,
Yura?
Yu~ra~?
Good morning!!!」





ユラ「う~~~ん・・・・・・」





とっても眠い。
でも、起きなきゃ。





平日だから、
学校がある・・・





うーん、
行きたくない。
英語あるし。





――――――ん?
英語?





今、英語で
話しかけられたような・・・・
・・・・・!?





ユラ「へぁっ!?」





慌ててバッと起きる。





目をゴシゴシこすって、
朝の眩しい光に
慣れさせる。





目の前には
知らない人。





そして、





ユラ「こっ、ここ
どこぉ~~~!?!?!?」





全く、
ま~~~っっっっっっっっったく、
知らない場所・・・・・・





ユラ「は?
どうなってんの?
あ、夢か、
びっくりしたぁ」





そうだよね、
夢だよね。





自分を落ち着かせて、
さっきの知らない人の
顔を見る。





・・・めっちゃ
ヨーロッパ。





部屋もヨーロッパ感が
溢れ出てる。





なんか、
高級って感じ・・・・・・
(語彙力ゼロ)。





?「It’s not a dream.
Reality!」





ユラ「・・・・・・はぁ~っ!?
夢じゃないってどゆこと!?」





?「What?」





ユラ「あ・・・
Where is here?」





慌てて英語を使って
彼女に話しかける。
―――って、え?





じゃんっ!
という効果音と共に、
彼女は顔を脱いだ。





アリサ「おっはよ~!!!」





ユラ「はぁぁぁっ!?
お姉ちゃんっ!?
どゆこと~!?」





アリサ「へっへ~ん。
私はユラの姉の
アリサである!」





プロセカの
鳳えむちゃんみたいに、
ニヤリとする彼女。





まさか
私の姉だとは・・・・・・!





アリサ「ビビったでしょ~w」





ユラ「は、はぁ?
そんなわけないし!
これは何とゆーか、
ドッキリか夢だって!
[夢から醒めた夢]
じゃない?」





アリサ「ちーがーう!
これ現実よ?
げ・ん・じ・つ!」





ユラ「嘘つかないでよっ。
こーんなヨーロッパ風の
でっかい部屋、
どーみたって
ドッキリの夢だって!」





ウソかホントかで
喧嘩する私たち・・・・・・





てゆーか、
お姉ちゃんの服が
御姫様なんだけど、
どーなってんの?





ユラ(これが現実だなんて
あり得ない。
そもそもここって
日本だよね?
無理くない?)





うつむく私に、
「ほーらっ」
とお姉ちゃんが
肩ポンポンする。





アリサ「もう朝ゴハン
できちゃったよ?
カフェテリア行こっ♪」





ユラ「か、カフェテリア?」





アリサ「てかさー、
私の名前、
アリスみたいで
かわいくない?
イギリスっぽい!」





ユラ「ちょっと待ってよっ、
着替えてない!
部屋着が・・・あぇ?」





服を見ると、
北欧の御嬢様みたいな
ワンピース。
もうわけわかんない。





ユラ「この服・・・・・・
どこで・・・」





アリサ「着替えたいんなら
さっさとしてよ。
そこにウォークイン
クローゼットあるから、
フリルブラウスでも
マーメイドスカートでも
なんでもあるし。
まぁ、それぞれの部類、
ざっと100着ずつは
あると思うよ」





ユラ「100・・・
着・・・・・・」





アリサ「もー
わかったわかった、
何なら私が選ぶから
脱いどいて」





ユラ「・・・・・・・・・!?」





これが現実だったら
(まだ信じてない)
すごいなぁ・・・・・・





そんなことを思いながら、
ウォークインクローゼットの
ドアを開ける。





ユラ(100着とか
そんなわけないし、
ね――――――!?)





そう思って
開けたけど。





ちょっと
油断しすぎてた・・・・・・・・・





ユラ「何これっ、
御嬢様の服
めっちゃあるじゃん!」





アリサ「だーから
言ったでしょ?
これ全部ユラのだよ~♪」





ユラ「ぜ、全部私のなの!?
信じらんない!」





綺麗ドレスがたくさん。
その奥に
ドアが3つ並んでて、
左はトップス、
真ん中はボトムス、
右はワンピース。





ボトムスのとこは、
スカートが左、
パンツは右って感じで、
サロペとかもちゃんとある。





ユラ「複雑すぎて
わかんない・・・・・・
って、あれ?
小物は?」





アリサ「小物は別にあるの!
こっちこっち~」





なんと、小物は
部屋の中の
別室にあるらしい。





そこも開けると
たくさんのものが。





アリサ「はい、
今日の服はこれ!」





そう言われ、お姉ちゃんに
服を渡された。





モデルのYUNANAちゃんの
私服を、まるごと
真似したような感じの服を。





憧れのYUNANAちゃんと
同じような服を
着れるなんて・・・・・・///





アリサ「ん?
どーかした?」





ユラ「ううん、
なんでもない!」





にこやかに「着替えるから、
どっか行って」





と言い、グイグイと
お姉ちゃんの背中を押した。





そして、ドアをパタリ。





ユラ(ふーーー・・・・・・)





フリルいっぱいのブラウスに、
レースのマイメードスカート。
かわいすぎるっ。





チェリー柄の
ルームウェアとスリッパ、
Youtuberのみゅうちゃんの
ブランド{MUSE}のだし!





ユラ(え、外国でも着れるの?
このセット)





いろいろ
疑問を持ちながら、
着替えて部屋を出た。













・*。・ カフェテリア ・。*・





吾輩は絶句した。





ユラ(・・・・・・
なんと豪華な
カフェテリアで
ありましょう・・・・・・・・・)





実感はまだない。













、 。・、 。・、 。・、 。・、 。・、 。・





ユラ「ちょっ、
お姉ちゃん!
どーゆーこと!?(小声)」





私はお姉ちゃんに聞いた。
こんな豪華なの、
見たことない。





アリサ「どーもこーもないよ。
引っ越したの」





ユラ「・・・はぁ~~~っ!?
引っ越したぁ~~~!?」





アリサ「うるさいっ!
あ、それからここ
フランスね。
早く食べないと、
8時に学校
始まっちゃうよ」





ユラ「えっ、フランス!?
今何時!?」





アリサ「んーっと、
7時まわったとこー」





ふ、フランス・・・・・・





私、なんでこんなとこ
きたんだろ。





さっきまで
日本にいたのに・・・
(.;―;.)ウッ、ウッ・・・





アリサ「それから」





ユラ「ま・・・
まだ付け足しあんの?」





アリサ「うん」





そして、
お姉ちゃんは言った。





今までで1番、
真剣な顔で。













・*。・ 食後の部屋 ・。*・





ま・じ・で、
信っじられない!!!





私がのちの王女って
どゆこと!?
御姫様って!?





ユラ「お姉ちゃんが
王妃・・・・・・?
んっ? 違う?
お姉ちゃんは現・王女か!」





わ~~~~~~
も~~~・・・・・・
・・・と1人で叫ぶ私。





ユラ「なんで突然
こんなとこ―――」





と言った、
その時だった。





?「『こんなとこ』
だってさ、
この御姫様は酷いなぁ」





ユラ「えぇっ!?」





?「ねっ、バニラ」





なんと、





ユラ(お、王子ですか・・・・・・!?)





王子様のような格好をした
イケメンが
話し掛けてきた。





ユラ「だだだっだっだだ
誰ぇぇぇ!?」





?「おっと、ごめんね。
僕の名前はレン。
こちらの猫は
バニラっていって、
この城には他に
ミントとレモンがいるんだ。
この子もあわせて
アイス・ファミリー・
三つ子隊、略してAFT。
そして―――」





自分よりも猫の話をする
こいつ、
腹が立つくらい
イケメンなんだけど!?





ユラ「あのー。
猫の説明ばっかじゃ、
あなたのこと
わかんないんですけど?」





レン「あ、ダメダメ。
『あなた』
とかじゃなくて―――」





彼は近づいてきて、
私の頬を両手で触った。





ユラ(!?!?!?)





やめてっ、
と言おうとした時。





レン「ちゃんと『レン』って
言ってくれなきゃ、
僕が悲しむよ」





彼は私の頬を支える手を
天の方に上げて、
私に彼の顔を見させると、
そう言った。





ユラ「はぁぁぁぁぁぁっ!?
いっ、意味わからんし!
この王子マジ怖っ!」





レン「だーかーらー。
『この王子』とかじゃなく、
『レン』って言ってよっ」





ユラ「れ、レンさん、
やめて!
てか王子っての認めるん!?
お姉ちゃん、アリサって
ゆーんだけど、
お姉ちゃんのこと
知ってますよね!?」





お姉ちゃんが
王女様だから、
王子様の彼は
お姉ちゃんを
知っているはず。





そう思って
聞いてみた。





レン「もちろん。
僕の彼女だからね。
僕がアリちゃんのことを
愛してる身なの、
わかって言ってる?」





ユラ「あ、あああ、
アリちゃん・・・・
・・・・・!?(鳥肌)」





レン「そうだ、
じゃあユラちゃんは
どうしよっか。
ユユはどうだい?
ユーユちゃんっ♪」





ユラ「はぁっ!?
み、認めません!
てかあなた・・・
レンさん、
何歳ですか!?」





レン「んーっとね、
16!」





ユラ「嘘でしょ、
こんな変な
年上男子・・・・・・ッ!」





はぁ、また
変なことされた・・・





今度は
口を抑えられた・・・・・





ユラ「おっお、
ああいえおっ
(ちょっと、
離してよっ)」





レン「あーれー?
敬語じゃないんだ、
年上なのわかってて~」





ユラ「はぁ、ふぅ・・・
殺されるとこだった」





レン「そう簡単に
殺しはしないさ。
僕がそんなことをすると
思うのかい?」





ユラ「あんた・・・
レンさんのことだから」





突然現れて、
なれなれしく接してきて、
なんなのこの人!





ユラ(・・・なんか
プロセカの
神代類みたい・・・・・・)





私は彼を軽蔑する。
本当に、
何か説明してよ・・・
呆れた。





レン「そうだ。
1個伝えとくね」





ユラ「な、なんでしょう・・・」





レン「僕には弟がいて、
のちに彼が王子になるんだ。
だから、その時は宜しくね♪」





えっ?
「その時は宜しくね」
って・・・・・・
あッ!





ユラ(まさか、
レンさんの弟が、
私の彼氏に
なるわけぇっ!?)





絶句。
こんな奴の弟とか、
マジで酷すぎじゃん!?





レン「たまに遊びにくるね。
もしも部屋にいなかったら
漁るかもしれないから、
気をつけて」





ユラ「・・・・・・さよなら。
私、お手洗い
行きたいんですけど」





レン「あ、場所わかんないのか。
お部屋にあるよ。
そう、そこそこ。
行ってらっしゃーい」





ユラ「・・・・・・・・・
さよならって
言いましたけど」





レン「え? けど何?
あっわかった、
まだ残っててほしいのか!」





なんかこの人、
アホっぽい神経してる・・・
意味違う。





ユラ「早く行ってくださいっ!
ではっ!」





スタスタサカサカ、
部屋のトイレに行き、
バタンとそのドアを閉めた。





レン(なんであの子、
あーんな怒ってるんだろ)





ユラ(あいっつ、
気持ち悪っ・・・・・・!
イケメンの癖に変態って、
マジで顔だけじゃ
わからんって!)





でも、今まで
会った人の中で、
1番イケメンだったな。





私はメンクイだから、
いろいろな人に
出会ったけど。





そう思い、
用済みの私は
トイレを出た。













・*。・ 翌朝 ・。*・





ふぅ~・・・・・・・・・
すぅーーーはぁーーー
すぅーーーはぁーーー・・・・・・







、 。・、 。・、 。・、 。・、 。・、 。・





王子様「ようやくいらっしゃった。
姫、迎えに来たよ」





御姫様「お、王子様! ///」





王子様「どれに乗りたい?
黄金の馬車、
最高級リムジン、
スポーツカーだって
用意できるさ」





御姫様「そうね・・・
今回はリムジンがいいわ。
自動運転でね。
2人っきりで過ごしたいの」





王子様「いいね、
是非そうしよう。
姫の執事様はどこだい?
自動運転のリムジンを
頼みたいのだけれども」





御姫様は、王子様を
案内しました。





すると、王子様に
負けないくらい、
いい顔をした執事様が
いらっしゃいました。





王子様「こんにちは。
私(わたくし)は
姫の婚約者でございます」





執事様「そうか、
君が姫の婚約者か。
今日は何故ここへ?」





王子様「姫を迎えに参りました。
自動運転のリムジンで
私の城へ向かいたいと仰るので、
ご用意できるかという質問をしに、
執事様にお会いしたいと思いまして」





御姫様は、
しっかりしている王子様に
うっとり。





王子様は微笑みます。





執事様「もちろん大丈夫ですよ。
地下室に王子様と
姫用のリムジンが
10台ほどありますので、
どうぞお選びください。
私(わたくし)は御母様に
お呼ばれしておりますので、
すみませんが、姫、
ご案内をお願いします」





御姫様「はい、
承知致しました。
王子様、
行きましょう///」





王子様「ありがとうございました。
失礼します。
・・・良かったね、姫。
リムジンがあって」





御姫様「ええ、
きっと素敵なものよ。
楽しみね」





王子様「さあ行こう。
結婚式はどこで行いたいか、
希望はあるかい?
僕はどこでも快く受け入れるよ」





御姫様「リムジンの中で
考えましょう」





王子様「そうだね」





御姫様と王子様は、
幸せに暮らしましたとさ。
めでたし、めでたし。













、 。・、 。・、 。・、 。・、 。・、 。・





ユラ「はぁ~~~~~~~~~っ!?」





私は起きた。
夢から醒めて息をする。





ユラ(なんなの、
あの夢!
私が御姫様で、
レンさんが王子様!?
許せないっ、
結婚なんてしませんよーーーだ!)





と、そこへ
誰かがやってきた。





予想どおりの
レンさん。





ユラ「もうっ、なんで
ドキドキさせんのよっ!!!」





レン「おわっ、
ユユちゃん!
起きていたのかい?
朝ゴハンだから、
呼びにきたんだけど、
食べれそうかい?」





ユラ「おぅ・・・
レンさんっ、
ノックくらいして
くださらない!?」





王子様、
と言いそうになり、
慌てて言い直す。





レンさんは
不思議な顔。





レン「聞こえなかったのか、
それはごめん。
それで、朝ゴハンだから―――」





ユラ「着替えたら行きます!
早くお姉ちゃんを
呼んできてください!」





レン「わかった、
アリちゃんね。
昨日から僕の部屋で
2人で寝ていたから、
多分まだそこにいるはず。
行ってくるね」





ユラ(!?!?!?)





2人で寝ていた!?
重大な問題じゃん!





ま、まさか・・・・・・
―――変なことが
頭をよぎる。





嘘だよねっ、
王子と王女が
えっ※x※とか、
殺されてもいい
レベルだもんねっ。





レン「それじゃーねー♪」





・・・レンさんは
行ったけど。





私、何も
安全じゃなーい!!!













・*。・ 1週間後 ・。*・





快く朝を
迎えられなくなった。





昨日も
寝れなかった。





昨日、寝る前に
お姉ちゃんと
会ったんだ。





そしたら、
言うんだもん。





「今日も王子と
寝てくるね♪」





って、お姉ちゃんが
言うんだもん!





正直言って
無理ゲーでしょ・・・・・・





あれからHの文字が
嫌いになったし・・・





アリサ「お~~~はよっ♪」





ユラ「お姉ちゃんっ!」





この暮らしに
慣れてきた。





1週間もしたんだから、
お姉ちゃんを
突き止めないと!





ユラ「お姉ちゃんさっ、
レンさんとさっ、
えっ※x※とか
してないよね!?」





突き止め、
ない、と・・・・・・・・・





アリサ「・・・・・・ごめん」





ユラ「嘘・・・
やっぱり・・・・・・」





アリサ「隠してたことが
あるんだ」





私は疑問を持った。
隠してたこと?
アレじゃなくて?





ユラ「・・・何それ」





アリサ「実はね、ユラ」





ユラ「・・・・・・」





そんなふざけたことは
言ってられないくらい
大変なことだと、
私はすぐには
理解できなかった。





アリサ「王子の・・・・・・、
王子様の弟さんが、
お亡くなりになったの」





涙を流すお姉ちゃんに、
すぐには
ついていけなかった。





アリサ「私・・・
一昨日の朝に知ったの。
地下室のリムジンを見て
回っていたら、
急に動き出して、
そのリムジンの前にいた
弟さんが轢かれて。
無人運転だったから
よくわからなくて、
みんな混乱してる。
こんな不幸な事故・・・・・・
信じられないよね。
ごめんね、ユラ」





お姉ちゃんは
私に謝るけれど、
「そんなことない」とか
「お姉ちゃんの
せいじゃないのに」とか、
何も言えない。





しかも、
1週間前に見た夢と
同じようなシチュエーション・・・・・・





アリサ「・・・ユラ?」





ユラ「!」





私は怖くなる。





何も言えない私に、
お姉ちゃんは心配した。





本当に、
なんでこんなこと
起こるんだろ・・・
と、





ユラ(お姉ちゃん・・・?)





お姉ちゃんの泣き顔が
酷くなっていた。





涙が止まらなくて、
ハンドタオルで
一生懸命に
ぬぐっているのも
効いていない。





絶対に他に
理由があるはず・・・
と思い、訊いてみる。





ユラ「・・・・・・泣いてるの、
他に理由があるんじゃないの?」





アリサ「・・・・・・・・・え」





ユラ「だって、
お姉ちゃんの泣き顔、
あまりにも酷すぎるから」





お姉ちゃんは驚いた。





「なんで・・・・・・?
なんでそんなこと・・・
察したの?」





と言って、
また涙を流している。





アリサ「・・・あははっ。
ユラには・・・・・・
もう、完敗だよ」





ユラ「・・・・・・え?」





アリサ「そのとおりだよ。
気がついた?
私が最近、
王子と会っていないこと。
そうじゃないの?
違うんだ。
まぁ、別にいいや。
そう、一昨日から会ってない。
理由、何かわかる?」





私は首を振る。





そんなこと、
わかるわけないから。





その理由は・・・
すごく、衝撃だった。





アリサ「王子はね、
私の婚約者じゃ
なくなったの」





ユラ「――――――え」





アリサ「いろいろ
ダメなんだって。
仕方ないよね。
私が王子のこと
好きだってこと、
一切関係ないの」





ユラ「ほっ、他の婚約者は?
新しいのは誰なの?」





アリサ「それがね―――」





新しい婚約者。
それは、他でもない――――――













、 。・、 。・、 。・、 。・、 。・、 。・





ユラ「うっ・・・・・・
うーーー・・・・・・・・・
うーーーーーーっ・・・」





それは私だったのだ。
信じられなかった。





私は王子様と
結婚することになった。





式はいろいろな準備のもと、
3年後に行われるらしい。





でも・・・・・・、





ユラ(レンさん、
私のこと好きになったの?
お姉ちゃんのことは
まだ好きなの?
わかんないよ・・・・・・・・・
私がレンさんのことを
好きなのかも、嫌いなのかも、
もう何もかも・・・
知らないっ、わかんないっ)





私は泣き続ける。
お姉ちゃんのことを
悲しませてまで、
レンさんと付き合えない。





結婚も・・・
尚更できない。





そもそも私、
結婚していい
年齢だっけ・・・?





ユラ「でも・・・っ、でもっ、
レンさん・・・・・・はっ、
本当に王子様だからっ、
きっ、決まっちゃってるんっ、
だよね・・・っ。
しっ、仕方ないっ、よねっ」





私はヒクヒクと
しゃくりながら、
涙を流した。





何故か――――――
レンさんに
会いたくなった。





ユラ(会いたい・・・
・・・なんでなの?
でも、お姉ちゃんが
ダメになっちゃったのに、
私が会う資格はない・・・
結婚するのなら、
会わなきゃいけない・・・けど)





会いたいけど、
そんな資格は
私にはない。





お姉ちゃんが
別れを告げたのかも
わからない。





そんなまま
居れない・・・





そう思って
また涙を流していたら、
ドアが開いた。





レン「ゆ・・・・・・
ゅ・・・ちゃん?
どうしたの―――」





ユラ「れっ、
レンさん・・・・
・・・・・っ!」





なんで来るの・・・・・・?
会いたかったはずなのに
思ってしまう、
そんな恥ずかしいことを。





ユラ「なんでもないですっ」





私は振り切って
部屋を出ようとする。





ユラ(会う資格なんて
ないんだってばっ―――!)





全速力で廊下を
駆け抜けようとした。





でも、





レン「行かないでくれッ!」





レンさんが・・・・・
・・・・レンさんが、
行かせてくれなかった。





ユラ「私はあなたとは
話せません・・・っ!
近づかないでっ!」





私は抱き締められて、
逃げようとするけど
それはできない。





レン「そんなのダメだ!
僕の御姫様よ、
嫌なことはやめてくれっ!」





ユラ「私はあなたのもの
じゃない!
御姫様にはなれないんです!」





レン「だから姫っ、
離れないでって
言ってるだろう!?
一度だけでもいいから、
向き合って話そうよ!」





ユラ「話したいなら
早くお姉ちゃんに会って
きてくださいっ!
別れを告げてから
お願いしますっ!」





ぜぇはぁと息をする。
肩が上下に揺れて、
時々レンさんの顔に直撃する。





レンさんは、





「・・・・・・姫は
何もわかっていない
じゃないか・・・」





と呟きを零した。





ユラ「え」





レン「・・・・・・・・・」





ユラ「???」





もう、
何もわからなくて、
力を抜かれて放されても、
逃げてはいられなくなった。





ユラ「何もわかってない・・・?
どういうこと?」





レン「言葉どおりさ。
・・・・・・君は今も、
何も承知なさってない。
承知してくださらない・・・」





ユラ「お姉ちゃんの、
こと、は?」





レン「言っただろう、
アリちゃんとは
もう別れたんだ。
ユユちゃんの王子様に
なったんだって」





ユラ「聴いてないよ・・・
ちゃんと、
話してないじゃん。
そんなのダメだよっ」





そう。
私は何も聴いてない。





お姉ちゃんとレンさんは、
弟さんがいなくなってから
一度も話してないのに、
私は王子様と付き合える
立場じゃないんだ。





そう思っていたら、
レンさんがまた





「・・・姫は何も
わかってないんだよっ」





と言った。





レン「僕とアリちゃんは、
弟が亡くなった後に
ちゃんと話したさ」





ユラ「―――え゛ッ」





レン「話してなくてごめんね」





ごめんね、だなんて。





お姉ちゃんは
“まだ話してない”
っていう顔をしていた。





もしかして、
お姉ちゃん――――――





ユラ「隠し通そうと
してたの・・・・・・?」





レンさんは頷いた。





ユラ「・・・・・・?
なんで・・・・・・・・・
私に・・・
バレたくなかったの?」





レン「きっと大切だったんだよ。
ユユちゃんを、
家族として、妹として、
一個人として。
めちゃくちゃ好きだったから、
だからこそバレたくなかった。
悲しませたく
なかったんじゃないかな」





でも、なんで話したことを
言いたくなかったの?
まだ謎は解けていない。





レン「考えてみてよ。
アリちゃんが、
『もう華やかな関係は終わった』
って切り出せると思う?」





質問してもないのに、
まるで心を
見透かされたように、
答えが返ってきた。





そして、





ユラ(そういうことか・・・
・・・お姉ちゃん、
そんなこと言えないよね。
自分の婚約者が急に
妹のものになるなんて
考えられない・・・・・
・・・・よね・・・っ)





気づいた。





ユラ「切り出せないと思う。
それに、私がお姉ちゃんの
立場だったとしても、
バレたくなかったと思うな。
他人事として
扱ってほしいんだって、
私は考える・・・・・・
あぁ、何しちゃったんだろ」





嘆く私。





レンさんは呟く。





私はそれにすぐに
反応した―――。





レン「こんなに優しい心を
持っている、
すごく素敵なお姉さんを
持って良かったね。
僕もアリちゃんに出会えて
良かったって思ってる」





ユラ「――――――ッ
そう思うレンさんも、
すっごく優しくて
素敵だと思います!」





レン「えっっ」





驚くレンさんに構わず、
涙を零しながら続ける。





ユラ「最初は、
『変な奴だなー』って
思ってました。
『関わりたくないなー。
こんな人がお姉ちゃんと
結婚するのかー、
嫌だなー』みたいな。
すごくレンさんのこと
嫌ってて、
意味不明な奴だと
認識してました」





レン「・・・・・・(苦笑汗)」





ユラ「でも、違った。
お姉ちゃんのことを
レンさんなりに考えてた。
『アリちゃん』とか
呼んでたのにも
鳥肌が立ってたけど、
今はそんなのない。
それもレンさんなりの
愛情だってわかった。
お姉ちゃんがすごく
優しいのにも気づけました」





レン「・・・・・・・・・え」





ユラ「結婚してください、
レンさん」





やがて涙が床に付いた時、
レンさんが笑った。





レン「ふ・・・ありがとう、
ユユちゃん」





ユラ「こちらこそですっ」





レン「・・・・・・
あなたの気持ちを受け取ります。
是非とも僕と結婚してください」





嫌いだったけれど。





ユラ「もちろん。王子様、
よろしくお願いします///」





こんなにも
惹かれてしまって。





レン「はい、御姫様///」





私たち、
結婚しました!











、 。・、 。・、 。・、 。・、 。・、 。・





いろいろ悩みながらも、
世界にひとつの素敵な関係に
なりました///







・*。・THE END ・。*・

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