生徒会大作戦
作者:みー!
「生徒会大作戦」
私、近藤結良の学校の
生徒会選挙は
ミスコンだ。
「めありちゃーん!」
「ななちゃん!」
呼ばれたふたりは
ニコッと笑って
教室を立ち去った。
ただ今、
生徒会選挙の真っ最中。
うちのクラスに
演説に来ていたのは
通称「めあなな」の
2年生の先輩。
2人ともすっごく可愛くて
女子力しかない。
だから男子からの人気が
半端ない。
生徒会選挙当選確実と
言われている。
一方女子は
「コウショウ様
こっち向いて!」
「コウショウくん」
「コウショウくん推せる!
すき!」
廊下で囲まれてるのは
2年生の
戸部コウショウ先輩。
コウショウ先輩も
当選確実と言われている。
でも、
「こんなの
おかしいと思う。
ねぇ、かほ」
斜め後ろの席のかほに
同意を求めると
かほはうんうんと
激しく縦に首を振った。
「生徒会選挙が
ミスコンのとこ
ここだけだよね。
蓮もそう思うしょ?」
かほの隣の席の蓮も
強く頷いた。
「俺だって生徒会選挙
出たいのにさ
ミスコンだからって。
本当意味わかんねぇよ」
「ね、!」
やたらと気が合うのは
幼なじみの蓮とかほ。
蓮はああやって
言ってたけど
ミスコンでも
当選出来るんじゃないか
ってくらい容姿端麗。
そして文武両道。
かほも可愛くて
人気女優に似てるって
言われてる。
ミスコン出ても
当選すると思う。
そんな2人と一緒にいると
色々言われることもあるけど
そんなんで壊れるほど
私達の友情は
脆くないからね。
「なぁ」
ん?
「俺達で
生徒会変えようぜ」
「生徒会を変える?」
どうゆうこと?
「生徒会の定義を取り戻そうぜ。
生徒会選挙はミスコンじゃない。
学校のためにどれだけ
働けるかを見極める選挙って
みんなに思い出させようぜ」
「それいい!」
かほが
身を乗り出した。
「私達で
生徒会変えようよ!
学校変えようよ!!
生徒会に立候補して
学校を変えようよ!」
2人の視線が
私に集まる。
私は少し考えて
「だね!」
と笑いかけた。
・*・―――・*・―――・*・
3人で生徒会選挙の
立候補を伝えに行ったら
先生は驚いてた。
私の顔を見て。
その瞬間わかったんだ。
先生達もミスコンに
気づいてるんだって。
なのに
見逃してる。
大人が変えないなら
子供が変えるだけだ。
「蓮、かほ
絶対に生徒会を
変えようね!」
2人は
「もちろん」
って笑って頷いた。
・*・―――・*・―――・*・
「近藤結良に
1票お願いします!!」
「内田蓮に
1票お願いします!!」
「河村果歩に
1票お願いします!!」
突然現れた私達に
みんなビックリしてたけど
すぐ歓迎してくれた。
私以外を。
「結良ちゃん、
やめた方が
いいんじゃない?」
って女子から
山ほど言われたし
男子からは鼻で笑われた。
でも、負けない。
この学校を
絶対変えてみせる。
「蓮くんめっちゃ
カッコイイよね。
投票しようかな」
「俺かほちゃん推し」
そんな会話が
聞きたくなくても
聞こえてくる。
そんな理由で投票されても
2人とも嬉しくないと思う。
これじゃあ私が落ちて
2人が当選して
結局、学校は変えられない。
もっと頑張らないと。
私は夜遅くまで
学校に残って
旗を作ったり
チラシを作ったり
演説の練習したり
握手の練習したり。
蓮とかほも一緒に
手伝ってくれた。
自分のことも
忙しいと思うのに。
そんな2人と一緒に
当選したいって
より強く思った。
「2人とも
ありがとう」
かほと蓮は
一瞬キョトンとしてから
顔をくしゃっとして
笑った。
「俺達3人で
当選するんだから
当たり前だろ」
「そうだよ。お礼は
当選してからにしてよ」
私は潤んだ目を擦って
2人に笑いかけた。
「うん。もちろん。
3人で当選しようね」
・*・―――・*・―――・*・
いよいよ選挙当日。
最下位だった私も
2人に手伝ってもらった。
チラシとかのお陰で
6位まできた。
この時点でかなり
みんなの認識は
変わってると思う。
かほと蓮は
4位と5位。
どうしてもあの3人は
抜かせなかった。
でも
諦めない。
今日の最終演説で
巻き返す。
絶対。
・*・―――・*・―――・*・
午後2時。
外で演説会が始まった。
全学年全員
集まっている。
演説会は
上位からだから
私達は更衣室で
準備をしていた。
「旗の持ち方
これで合ってる?」
「もうちょい右かな」
でも最終調整中
事件は起きた。
私達が水飲みに行って
帰ってきたら
最終演説用の原稿が
破り捨てられてた。
「一体誰が?」
かほが目をうるませた。
蓮と私も言葉が出ないまま
突っ立ってた。
ここまで
やっときたのに。
誰が、、、
?
私達は周りを見渡した。
すると
着飾っためあり先輩と
なな先輩、
そして
コウショウ先輩が
こっちを見て
笑っていた。
「あいつらっ、
許さない!」
蓮が3人のところに
行こうとしたけど
私は蓮の腕を掴んだ。
「結良、なんで」
「今こんなことしてる
場合じゃないよ」
蓮は走り出そうとした
足を止めた。
それを見て
私は蓮の腕から
手を離して
蓮とかほを見た。
「ねぇ、もう、
原稿なんていらないよね。
私たちの思い、そのまま
全校生徒に言おうよ」
かほはうるませた瞳で
でも強い光をやどした瞳で
頷いた。
蓮は燃える瞳で頷いた。
「絶対に俺らは
あいつらに、負けない。
絶対だ」
「もちろん」
「最初っからそうだよ」
3人で目を合わせて
意志を確認して
更衣室から出た。
・*・―――・*・―――・*・
外に行くと、ちょうど
3位のなな先輩が
演説してるところだった。
なな先輩の服は
ふわふわした
ワンピースだった。
そこがまたいいんだろう。
男子が騒いでいた。
私たちの服装は制服。
メイクも何もしていない。
でもこれが本来の
生徒会選挙。
「次は、4位の
かほさんの演説です」
かほが、私と蓮の
手を繋いだ。
「3人で演説しよう。
今回の選挙は
1人でも落ちたら
目標達成できないから」
私と蓮は
強く頷いた。
3人で出てきた私達に
みんなはすごい
驚いていたし
先生達が、私と蓮を
戻そうとした。
でも、私達は
手を離さなかった。
それでも離そうとする
先生達。
でも、
「皆さん聞いてください!!」
私の声が大きく響いた。
その大きさに
先生達も手を止める。
「私達はこの1ヶ月
ただ学校を変えるために
選挙活動をしてきました」
「みんな、よく聞けよ。
生徒会選挙は
ミスコンじゃねえんだ!!」
「生徒会選挙は
誰が1番
学校を変えてくれるか
支えてくれるか
見極めるものなんだよ!!」
蓮とかほの
熱のこもった演説で
騒いでた生徒が静かになった。
風の音しか聞こえない。
今だ。
「私は、この2人と出会って
人生が変わりました。
みんなにもそんな人に
出会ってほしい!
そのためにも学校を変えたい!
そのままだったら
中学校生活
無駄に過ごすだけですよ!
この学校をみんなで変えましょう!
中学生なら誰もが羨む
そんな中学校にしたいです!!
皆さんの清き1票を
お待ちしています!」
私と蓮とかほは
一斉に頭を下げた。
沈黙を破ったのは
大きな拍手だった。
私達は涙の潤んだ目で
抱きしめあった。
「みんなに伝わった。
やっと伝わった!」
「やっぱり俺ら
最強じゃね?」
「当たり前でしょ」
私達は目を合わせて
笑った。
・*・―――・*・―――・*・
次の日貼り出された
選挙結果には、
私と蓮、
そしてかほの名前が
載っていた。
*end*
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