アム様は告らせたい ~天才達の恋愛頭脳戦~
作者:りなまなくるみんちょ
私、深尾アム。
ニコ学生徒会副会長で
勉学でも
運動でも
財力でも
私に勝るものは
滅多にいない。
ただ1人を除いて。
その1人とは
紀田ナオヤ。
ニコ学生徒会会長で
中間テストでは
私を超える第1位。
そんな彼まで
どうあがいても
届かない。
初めて私に
勝る人を見て
私は一目惚れ。
だけど、私からは
絶対に告白しない。
そう決めている。
なぜなら私は
プライドが高いから。
天才な上にお嬢様。
そんな私は
小さい頃から
ずっと褒められて
生きてきた。
なのに私から
告白するなんて、
許さない。
「恋愛は
告白した方が負け」
そう私は思っている。
だから私は彼に
告白させる。
そう、恋愛とは
頭脳戦なのだ。
☆....☆....☆....☆
俺は紀田ナオヤ。
ニコ学で生徒会会長を
務めているものだ。
勉学では学年1。
それが俺の
誇れるところだ。
逆にそれ以外、
誇れるところがない。
だから、勉学で
彼女にまけてしまったら、
もう見下されたままに
なってしまう。
彼女とは、この学校の
生徒会副会長の深尾アム。
深尾はいわゆる天才で、
勉学でも運動でも
財力でも
飛び抜けて優れている。
そんな彼女に
俺は一目惚れだ。
だが、告白しては
ならない。
そう心に誓っている。
なぜなら恋愛は
告白した方が
負けなのだから!
そんなことをやっていて、
かれこれ半年が過ぎた。
アム「おはようございます、
会長」
ナオヤ「お、おはよう深尾」
アム「今日も自転車通学で?」
ナオヤ「あぁ、うちは
貧乏だからな」
アム「でも、今日
午後から雨ですよ」
ナオヤ「雨・・・だと?」
アム「ええ、ですが
今日うちの車も
パンクしてしまい、
歩いて通学してきたんです。
だから歩いて
帰らなくては・・・」
ナオヤ「雨なら
俺も歩いて・・・」
アム(ふふ、私の作戦通りですわ。
今日の作戦は、
相合傘作戦!((そのまんま))
まず会長が歩いて
帰ることになったら
私は『あれ? 傘がない?』
と忘れたふりをします。
そうしたら会長は
じゃあ、俺の傘に入るか?
となるでしょう)
ナオヤ(ふっ、俺がそんな簡単に
傘を出すと思うか?
お前はきっと
『あれ、傘ない?!』
ととぼけるだろう。
だが、俺も持っていない。
ということにする。
そうすればしょうがなく
傘を出し、
『しょうがないですね、
会長も入れてあげますよ』
って言うだろう)
*。・ 放課後 ・。*
アム「やはり
雨が降りましたね」
ナオヤ「あぁ、深尾の読みは
当たってたな」
アム「でも、どうしましょう。
傘、持ってきてないんですよ」
ナオヤ「お、俺もだ」
アム「え?
会長も持ってきて
なかったのですか?」
ナオヤ「深尾、お前は朝から
知っていたんだろう。
お前に限って知っているのに
忘れたなんてこと、
あるわけないよな」
アム「私だって人間です。
忘れることだってあります」
ナオヤ「でも、
俺もないんだよな・・・」
アム「会長、会長は確かいつも
バックに折りたたみ傘を
入れているはずでは?
前の急な雨の時も、
バックから傘を取り出して
いましたよね」
ナオヤ「で、でも今日は
置いてきたんだ」
アム「あら、冷や汗が出てますよ。
どうしましたか?
何か嘘でもついて
いらっしゃらないかしら」
ナオヤ「嘘なんて、
本当に今日は忘れたんだ」
アム「なら見せてくださいよ。
そのバックの中を」
ナオヤ「な、なら
お前のも見せろよ」
アム「なんていやらしい、
会長ったら女子のバックの中を
見たいとおっしゃるのですか?」
ナオヤ「そんなこと、
俺はただ本当にないのか
確かめたいだけだ!」
アム「わかりました。
そこまで言うなら
交換の条件で」
ナオヤ「ゴクリ・・・」
アム「どうしました?
具合でも悪くて?」
ナオヤ「いや、なんともない。
じゃあ、交換だ」
アム「はい、どうぞ」
ナオヤ(入っているはずの傘が
ないではないか?
まさかこいつに限って
本当に忘れたのか?
俺の傘が見つかったら・・・
俺は終わりだ)
アム(見てみなさい!
私はあらかじめこうなることを
予測していたのよ!
これで私の勝ち!)
アム「会長、傘、
ありましたよ」
ナオヤ「あ、あぁ
俺忘れてなかったのか、
うっかりしていた」
アム「でも困りましたね・・・
会長は帰れますが
私は傘がないと
びしょ濡れで帰ることに・・・」
ナオヤ「な、なら、俺の傘に
入れてやっても・・・」
アム「会長・・・
お優しいこと?」
今日の勝敗
アムの勝利
でも、傘に入れるだけで
こんなに手こずるなら、
告白は相当先・・・ですね!
2人の恋愛頭脳戦は
まだまだ続く・・・
end~
深尾 あむ
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