大切な言葉

CAST深尾 あむ深尾 あむ

作者:のんちゃん

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2019.07.21

みなさんこんにちは、
深尾あむです!





今こうやって
名前が言えるように
なったのは、1週間前!







*。・ 1週間前 病院で ・。*





先生「あなたの名前を
教えてください」





あむ「深 深 深尾
あ あ あむです」





先生「名前は、言えるように
なりましたね!」





母「よかった! あむ」





あむ「うん、」





5年前の出来事だった。





私と仲良しだった
井上ゆうた。





毎日毎日遊んでいた。
楽しかった。





でも、ある日のこと。





夏休みに親せきの子供たちで
スイカ割りをすることになったの、





もちろん楽しみだった。





目隠しをして
みんなで誘導するの、
そして割る!





ゆうたの番がきた、
今のところ誰も
スイカを割っていない。





みんなの応援する声!





私は人一倍大きな声で
応援した。





がんばれーって、





私は夢中になりすぎて
スイカの前になってたの。





でもあたらないように
気を付けて





そしてゆうたがついに
割ろうとしたとき
少し体の向きが変わった。





ちょうど私の向きに。





そして、バコーン!!





ゆうたが振った鉄のバットは、
私の頭に直撃した。





みんなは、
シーンとなった。





ゆうたは、スイカに
あたったと思い、
喜んでいた。





でも、目隠しを外すと
驚いた様子だった。





私の頭からは、
血が出ていた。





痛さを忘れ
気を失った。











+.. +.. +.. +.. +





ピーポーピーポー





救急車で運ばれる
音がする。





「深尾あむさん!
聞こえますか?
あむさん!」





呼ばれているような
気がしたけど、





母「あむ! あむちゃん!
目を覚まして! お願い!
ねぇ! お願い!
先生あむを助けてください!」





先生「出来る限りのことはします!」





母「あむをあむを!!」





お母さんの声かな?





その時は、
よく分からなかった。











+.. +.. +.. +.. +





検査結果――――





先生「あむさんは、
打ちどころが
悪かったみたいです!」





母「そっそんな」





先生「なんと言っても
鉄のバットですしね、」





母「あむは、いつ
目を覚ましますか?」





先生「えぇ、その件ですが」





看護師「先生! 先生!
あむさんが
目を覚ましそうです」





先生「わかりました!
深尾さん行きましょう!」





母「はい」







なんの音だろう。





母「あむ? あむ?」





先生「深尾あむさん?」





流石にうるさくて
目を覚ました!





母「あむー!!!」





あむ「・・・・・・」





母「もう大丈夫だからね!」





この人は、
なんて言っているの?





母「あむ?」





先生「深尾さん、
残念ですが記憶喪失かと」





母「えっ!?
私のことも
わからないの?」





先生「そうかと、」





母「嘘! 嘘でしょ!
あむ! あむ!
私のことわかる?」





看護師「深尾さん!
今は、ビックリしていると
思います!
それに話せないと思います!
きっと誰だか分からなくて
怖いでしょう」





母「そうよね。
すみません!」





先生「残念ですが、
もしも記憶が
戻らないようだったら
しばらく入院生活になりますので」





母「わかりました」





看護師「あなたの名前を
教えてください」





あむ「・・・・・・」





名前、そう言えば
なんだっけ?





まずあるの?





それに声も出ない!
話せないのかな?





看護師「しゃべれませんか?」





うんうん、と
うなずく私。





看護師「わかりました。
では、名前は分かりますか?」





ううんと首をふる私。





看護師「わかりました!
しばらく入院です!」





入院ってなに?





頭がかゆいので
頭をかく、いてっ!





よく見ると白いもので
巻かれている!





中の方をさわると
赤いものがついた。
血?





どたばた走る音、何々?





?「あむ! あむー!
大丈夫か??」





あむ「・・・・・・」





誰? この人?





ゆうた「ほんとにごめん!
許してくれ!」





母「ゆうたくん!
そう簡単に
許せるものじゃないの!
わざとじゃないのは
知ってるけど、
この子はこの子は、」





この人の目から
水がこぼれてる。
どうして?





私は、言葉を
うまく使えない。
声も出せない。





母「あむは、記憶喪失なの!
自分の名前だって、
私のことだって分からない!
声も出ないのよ!」





ゆうた「えっ、そんな、どうして!」





母「あなたのせいよ!」





先生「深尾さん!
そこまでにしときましょう!」





母「先生!?」





先生「ゆうたくんも
反省しているだろうし」





母「あむは、そんな
簡単なものじゃないのよ!
ゆうたくん、
もうあむに近づかないで、」





先生「深尾さん、」





ゆうた「本当にすみません」





なんか、あの人からも
水がこぼれてる。
どうして?





それから、なかなか
記憶が戻らなかった。





ほんとに! 苦労した!













*。・ それから5年後 ・。*





母「あむ!
お疲れ様!」





母は、涙を流しながら
言った!





先生も看護師さんも
悲しそうな顔。





そう、失敗した。





名前も言えたし
少しはしゃべれる。





でも、完全には
治らなかった。





脳の働きが悪く
おとろえていた。





それでも、5年は
ずっと病院で頑張った!





私は、涙を流して、





あむ「お母さん!
先生!
看護師さん!
本当にありがとう!」





かたことながら
がんばって話した!





他にも、もっと
沢山言いたかった!





母「あむ、ごめんね!」





あむ「ううん、
本当にありがとう」





あっ、それより!





あむ「お母さん、
男の子知らない?」





母「男の子?」





あむ「うん、泣いてた子、
いつだっけなぁ?」





先生「それは、
ゆうたくんのことかな?」





母「あむ、そうなの?」





あむ「ゆうた、ゆうた、
ゆうただ!!」





母「あむ、ゆうたくんは
もういないの」





あむ「えっ?
どうして?」





母「あむを苦しめたからね」





先生「深尾さん!」





母「すみません」





あむ「探してくる!」





よたよたした走りだけど
ものすごく早く感じる!





許可を得ずに
探しに行った!











+.. +.. +.. +.. +





あそこに
見たことある後ろ姿!





もしかして!





あむ「ゆうた?」





ゆうた「あむ!!!
どうしてここに?」





あむ「ゆうた、ごめんね!」





ゆうた「俺が悪いんだ、ごめん!」





あむ「えっ?」





ゆうたから、
すべて事情は聞いた。





あむ「そうだったんだー。
忘れてたよ。
スイカ割りをしたいなー」





ゆうた「結果は?」





あむ「失敗したの、
完全には治らない
しゃべり方も
かたことでしょ?」





ゆうた「ほんとにごめん!」





泣いて謝るゆうたを見て、





あむ「ゆうた、」





私は、ゆうたを
抱き締めた!





あむ「私ね、ゆうたのこと
大好きなの。
優しいし、いつも
遊んでくれたもん!」





ゆうた「あむ、
それはほんとなの?
記憶に残ってたの?」





あむ「うん!
大好きだから!」





ゆうた「あむー!
俺も大好きだー!」





本当の気持ちを
言葉で声に出して言えて
嬉しかった。













*。・ それから、1年後 ・。*





チーンチーン





鐘の音。





私は、天国にいった。





実は、脳の働きが
止まっちゃって!





その理由は、本気で
思いを伝えたからかな?





本当に好きだったから、
しんどかったけど
頑張ったの。





でも、後悔は
してないよ!





私の恋は
一生忘れられない





宝物になったよ。
ありがとう!





ゆうた! お母さん!





中学2年生
深尾あむ







*end*

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