誰にも負けないから。

CAST中山　あやか

作者：＊さくらんぼ＊

2023.07.30

「キャーーーーーーー！
皆、逃げろーー！」

なんで？
私は皆と少し違うだけなのに・・・。

申し遅れました！
中山アヤカと申します。

え？　何が違うって？

＊＊＊　２か月前　＊＊＊

「ねぇねぇ、アヤカってさ
モテないよね」

「だよね。言えてる言えてる！」

こんなことを聞いてしまったのだ。
なぜか知らないけど、怒ってしまった。

アヤカ「ごめん。聞いちゃった」

「あんたがいるから、あたしらが
悪者扱いされんだよ！」

アヤカ「・・・・。うるさい！
人のせいにしないで！」

ん？　は！
ガ、ガラスが！　割れた！

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ということで、嫌われ者になったのです。

私の持ってる超能力は、
怒ったり、悲しかったりすると、
なにかが倒れたり、割れたりするらしいです。

でも、前にもあったんです。
超能力のせいでからかわれて、
怒ったらガラスと本が落ちてきて、
それで・・・。

＊＊＊　屋上にて　＊＊＊

あー。風が気持ちーー。

アヤカ「ここから落ちたら、
どうなるのかな」

？「多分、死ぬよ」

え、誰？
は！　リョウだ！　人気者の・・・。

リョウ「おい、お前がもってる能力すげえな」

アヤカ「そんな気楽に言わないでよ！
どんだけ辛い思いしたと思ってるの？
今まで、強く生きてきたけど。
もう無理だよ！
ちやほやされてる人にはわかんないと思うけど。
なんで私だけなの？　な・・ん・・・で？
ねぇ！　・・・なんで？」

リョウ「だから、それで人を救えるかもしれないだろ？
それはすごいことじゃね？」

え？　なんでだろう。
なにか、ものすごく嬉しい。
こんな私をすごいと言ってくれた。

もしかして・・・。
好きなのかな？　私。

って、なにこの状況。
抱きしめられてんじゃん！

リョウ「あ、ごめん」

アヤカ「ううん。でも、ありがと！
私にさっきみたいな事言ってくれる人、
リョウ以外に誰もいないんだ」

リョウ（アヤカ。可愛い）
「お、おう！
で。行くか？　皆のとこ」

アヤカ「・・・うん。行く」

＊＊＊　教室にて　＊＊＊

リョウ「じゃ、俺言ってくっから。
待ってろ」

アヤカ「うん」

そう言って、リョウは
教室に入っていった。

アヤカ「ありがと。リョウ」

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

それっきり、私へのイジメは
無くなった。

「アヤカ！　あのさ、
リョウってアヤカのこと
好きなんじゃない？」

アヤカ「ぷーーーーー！
カホ。それはない。絶対に」

カホ「告白！　せよ！　いざ！」

アヤカ「うん。分かった。行ってきまーす」

＊＊＊　屋上　＊＊＊

アヤカ「リョウ！」

リョウ「ん？　なに？」

アヤカ「あ、あのね？
笑わないで聞いて？
私、リョウの事が好きでした」

どうせ、
振られるにきまって・・・・る・・・。

リョウ「俺、そういうこと言われたら
絶対に誰にも譲らないけど。良い？」

アヤカ「うん！　てか、譲らないでね？」

最近、能力は出ないけど。
また出ることになると思う。

でも大丈夫。
私はもう負けない。

リョウと約束したから。

★ＥＮＤ★
＊ニコ学名作リバイバル＊
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。