0時すぎてもシンデレラ

CAST中山 あやか中山 あやか

作者:飛秋

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2022.12.31

「ねぇ、今月の
ニコラみた!?」





「みたみた!
カイラちゃん
ちょぉ可愛い~~・」





ドンッ





「ぁ、ごめ~~ん」





「・・・いえ・・・」





「・・・ちょっと、今の誰?」





「え~っと・・・
中・・・田さん??」





「違う気がする・
・・・まぁ、何にしろ・・・」





「「ちょ~~~地味っ!!」」





アハハハ・・・





(うるさいな・・・
聞こえてるっての・・・)





私は中山あやか。
ごらんの通り、
学園イチの超ジミ子・・・





(大体、中3の冬にもなって
チャラチャラしてる方が
おかしいんだよ・・)





「おい、そろそろ
授業始まるぞ。
席着いた方がいいんじゃね?」





「もうそんな時間?」





「しょうがない、また後でね」





(さっすが龍之介くん!
かっこいいなぁ~~・・)





龍之介くんは
クラスの人気者。





明るくて、優しくて
とってもかっこいい
私の片思いの相手です・・・





キーンコーンカーンコーン・・・





「HR始めるぞー。席つけー。
まず、転校生を紹介する。
入りなさい」





カツン・・・ッ





「初めまして、
髙橋カイラです」





「うをぉぉぉっ!!
ちょ~~~~~~~
可愛いっ!!!!!!!」





かるくパーマのかかった長い髪、
うすい色付きグロス、
スクバのキーホルダー、
膝上約10cmのスカート・・・





(校則違反だらけじゃない!!!
ありえない・・・)





「カイラの席は・・・
あやかの後ろでいいな。
あやか、後で学園内を
案内してやってくれ」





「・・・はい。分かりました」





「よろしく、中山さん」





「うん・・・。よろしく」





「よし、じゃあ授業始めるぞ」





(それにしても、
髙橋さんが入ってきたときの
男子の反応は
すごかったなぁ・・・)





「中山・・・中山っ!!」





はっ!!





「どうした中山、
ぼーっとして・・・
具合でも悪いのか?」





「い、いえ、大丈夫です」





「そうか。
じゃあ問2の答えを
言ってくれ」





(しまった!
話聞いてなかったから
わかんない・・・)





ツンツン





(ん?)





「y=7x+3/5だよ」





「わ、y=7x+3/5です・・・」





「正解。次、ナツ、問3」





「えぇ~。わかんねー」





「龍之介くん、
さっきはありがとう」





「あはは、
あやかって律儀だよなー。
いーよ別に、あれぐらい」





(本当優しい・・・)





中3になった初日、
消しゴムを忘れて
焦ってたときも
こんな風に助けてくれた。





・・・その時、
私は彼のことが
好きになったんだ。





キーンコーンカーンコーン・・・





「おっと・・・
もうこんな時間か。
じゃあ今日はここまで」





「「ありがとうございました」」





「じゃあ髙橋さん、
校内案内するね」





「うん」













*...・・・*...・・・*





「髙橋さん、その格好
ちょっと派手だと思うよ」





「だから何?
したい格好をして
何がいけないの」





「え・・・、
だって規則だし・・・」





・・・ううん。
本当は違う。
ただ私は怖いんだ。





“もし龍之介くんが
髙橋さんを好きになったら”
って思うと・・・





「・・・ねぇ、
変わりたくない?」





「え??」





「私があなたを変えてあげる。
明日ヒマ?」





「う、うん・・・」





「ちょうど冬休みだし、
私の家にきて。
・・・はい、住所。
じゃ、また明日」





え・・・えぇーーーーー?!











― 次の日 ―――――――





「・・・きちゃった・・・」





私、どーなるんだろう・・・





「おはよう。入って」





「お邪魔しま~す・・・」





「“あやか”でいいよね。
あやかって、龍之介くんが
好きだよね?」





「な、なんでわかったの!?」





「昨日、顔真っ赤だったから。
・・・もう1度聞く。
変わりたくない?」





かわ・・・る・・・





「・・・私、変わりたい。
たかは・・・カ、カイラみたいに
素敵な女の子になりたい!」





「・・・決まり。
あなたに魔法をかけてあげる」





桃色のグロス、
ふわふわの髪の毛、
ひらひらしたスカート・・・





「これが・・・私?」





「素敵でしょ?
こんな自分がいるんだって思うと
ワクワクしない?」





「うん・・・うん!!
ありがとうカイラっ!
私、頑張るね!!!」





「うん。じゃあまた。
その服はあげるよ」





「本当ありがとう。またね!」





すごい・・・すごいよ!
これが私だなんて・・・





ドンッ





「い・・・いたたた・・・・」





(なんかデジャヴ・・・)





「ごめん、大丈夫?」





(えぇっ!
龍之介くん?!!)





「うん・・・」





「なんかいつもと違う・・・?」





「へ・・・変かな・・・・」





「ううん。いんじゃね?
・・・そーだ。
今度一緒に初詣行かない?
他の奴らもも誘ってさ」





「!!! い、行きたい!
でも・・・いいの?」





「うん。
じゃ、1週間後に。
また連絡する」





「わかった。
ありがとう、またね」





・・・幸せすぎて怖い・・・





「そうだ、カイラも呼ぼう!」





確か電話番号は・・・
プルルル・・・





「はい、髙橋です」





「えと、中山です。
カイラさんいますか?」





「カイラだけど・・・
何か用?」





「あのね、さっき・・・」













*...・・・*...・・・*





「ふぅん。
で、私にも来て欲しい・・・と」





「う、うん・・・」





「いや。なんで私が?
甘えないで。
大体・・・昨日の今日で
その態度の違いは
ないんじゃない?
私を利用しないで」





「何言って・・・」





「とにかく、私は行かない。
・・・じゃ」





「ちょ、まっ・・・」





ツー、ツー、ツー





そんな・・・
私は、ただカイラと
仲良くなりたかっただけなのに・・・











― 大晦日 ―――――――





「あ、あやか。
こっちこっち!!」





「龍之介くん・・・
遅れてごめんね・」





「気にすんな!
・・・他に来る奴はいるか?」





「う・・・ううん・・・」





「そうなんだ?
前カイラと歩いてるのみたから、
もう仲良くなったのかと思った」





私だって・・・
もうカイラは友達だと
思ってたのに・・・





「うをっ!
あやか、どうした!?
目にゴミでも入ったか??」





「え・・・
私、泣いてる・・・?」





「どうした?
・・・俺でよかったら聞くけど」





「龍之介くん・・・
あのね、実は・・・」





私はカイラに
校内を案内したときのこと、
一緒に遊んだこと、
カイラを電話で誘ったときの
ことなどをすべて話した。





「そっか・・・
それはショックだな・・・
でも、お前
一番大事なこと忘れてる」





「忘れてる・・・?」





「あぁ。
あいつと仲良くなりたいと
思ったんだろ?
何が原因かは知らねーけど・・・
1回こじれたくらいで
くじけるなよ。
もう1度、直接会って
話してみたほうがいいんじゃねーか?」





「私には無理だよ・・・」





「無理じゃない!!
お前、変わったじゃん!
きっかけは、カイラかもしれないけど・・・
お前が変わったことに
かわりはないだろ?
大丈夫。絶対大丈夫だから。
・・・行ってこい!!!」





「うん・・・。
ありがとう!!
龍之介くん!」













― カイラの家 ―――――





「・・・ついたっ・・・」





怖い・・・
もし無視されたら・・・





でも・・・
私は、変わるんだ!!





「カイラーーーーーっ
この前はごめん!!!!!
無神経なこと言ったよね、
ホントごめん!!
でも・・・・・・でも私、
カイラと友達になりたいのーーーっ!!!!!!」





「っだあ!!」





「カイラ!! 私・・・」





「わかった!!
わかったから
もう家の前で叫ばないで!」





「あ・・・ごめん・・・・」





「もう・・・入って」





「お邪魔します・・・」





うわーーー・・・
どうしよう、怒ってるかな・・・・





「私の話・・・
聞いてくれる?」





カイラの話・・・?
何だろ・・・





「私、実はモデルなの。
ニコラっていう雑誌で・・・
カイラって名前」





それって・・・
前女子が話してた・・・





「仕事で学校休んだり
遅刻したりするのが多くて
周りから煙たがられてたんだ」





「・・・・・・・・・」





「だけど・・・
私がカイラだって知ったら
手のひらを返したように
近づいてきて・・・
だから、引っ越してきたの・・・」





カイラにそんな過去が
あったなんて・・・





「本当は初詣に誘ってくれて
嬉しかった。
でも・・・もしかしたら
あやかもって思っちゃって・・・」





カイラ・・・





「・・・カイラ。
私は、カイラがモデルだろうが
そうじゃなかろうがどうでもいいの。
カイラだから仲良くなりたいと
思ったんだよ。
・・・カイラは、カイラだよ。
ねぇ、私と友達になって」





「・・・うん。
ありがとう・・・っ」













*...・・・*...・・・*





「・・・でも本当焦ったよ・
もしかしたらカイラも
龍之介くんのコト
好きなのかと思った」





「私が? ・・・ないない・・・
・・・そういえば、
その龍之介くんはどーしたの?」





「どうしたって・・・。
・・・・・・・・・
あぁーーー!!!!! 忘れてた!!
急いで戻らなきゃっ」





忘れてたなんて・・・
ホントばかっ!





「ちょっと待ったっ!
その格好で行くつもり?
頭はボサボサだし・・・
・・・私が魔法をかけてあげる」





カイラはすごい。





まるで・・・
シンデレラにでも
なったみたい。





「はい、出来上がり」





「・・・もちろんカイラも
行くよねぇ?」





「う・・・うん・・・」





「じゃ、行こっか」













*...・・・*...・・・*





「あ、あやかたち来た!」





「りゅ、龍之介くん、
遅れてごめんね・」





「仲直りできたんだ?」





「うんっ!
龍之介くんのおかげだね。
本当にありがとう!!」





「何言ってんだ、
お前が頑張ったからだろ。
あ、おみくじひこうぜ!」





「うん!
ほら、カイラも!!」





「うん!」













*...・・・*...・・・*





「わぁ、もうすぐ年明けだ!!
ね、カイ・・・!!!」





ふ、2人がくっついてる!





(もしかして・・・
龍之介くんは
カイラが好き・・・?)





そんな・・・





「あやか?
なにボーっとしてんだよ。
カウントダウン始めようぜ」





みんな楽しそう・・・





なのに、私はこんな気持ちで
年明けしちゃうなんて・・・





「・・・あやか」





「な、何?」





もうすぐ
カウントダウンなのに・・・





もしかして
“俺、カイラが好きなんだ”宣言?!





いや~~~~っ!!(泣)





「「5秒前、4、3、2、1・・・」」





「俺、あやかのことが好きだ」





あぁ、やっぱり~~





・・・・・・って、え?





「「明けましておめでとう!!!」」





今、あ・・・あやかって
聞こえ・・・?





「え? 龍之介くんは
カイラが好きで宣言でも
あやかって今・・・
∞$¥&☆??」





「だからー
こういうこと!!」





Chuッ





「どう? 伝わった??」





今のって・・・
キ、キ、キキキ!!!?!





「~~~~~~っ!!!」





「・・・もしかして、
俺のこと嫌い・・・??」





しゅんとしてる・・・
か、かわいい~~・・・





じゃなくて、





「ううん、
そんなことない!
むしろ、だ・・・」





「“だ・・・”?」





「だ、大好き、だよっっ!!」





「よかった。
これからも、よろしくな」





あの日、彼女は魔法をかけた。





灰かぶり(シンデレラ)が
お姫様になる魔法をかけた。





今日も彼女は魔法をかけた。





0時すぎても
とけることのない、
素敵な素敵な魔法をかけた―――・・・







《完》

― おまけ ―――――――――





新年早々、あやかがいきなり
こんな事を言ってきた。





「・・・龍之介くんって
カイラのことが
好きなのかと思ったよ」





「へぇ。なんで?」





「だって、カウントダウンの前
カイラとくっついてたじゃん・・・」





「は?
・・・・・・・・・あぁ!!
あれかぁ!
・・・ぷっ、お前面白いなぁ。
やきもちか?」





「な・・・! 私、
本当に悩んだんだから!」





顔が真っ赤だ。
・・・かわいい。





「あれは、お前のこと
相談してたんだよ。
・・・どう、安心した??」





「・・・龍之介くんって
実はドSだよね」





「まぁまぁ。
そんなむくれんなって。
お前、本当俺にべたぼれだなぁ。
俺が浮気したらどうすんだよ?」





「え・・・や、やだよ・・・」





ズキュンっ!!!
(なんつー破壊力・・・)





ちょっと涙目で
俺を見上げるあやかは
本当にかわいい。





入学式で一目見たときから
好きだった、





大切な大切な俺の彼女。







《おまけ・完》
*ニコ学名作リバイバル*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。

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