＊相合傘＊

CAST梨里花

作者：みぁ

2024.06.02

「はぁ・・・」

リリカです。

今、私・・・
遠距離恋愛しています・・・

輝之介と
付き合っているけど、

なかなか会えないのが
現状です。

・＊。・　学校　・。＊・

ヒナノ「リリカ！
遠距離恋愛って、どう？」

リリカ「そんな、
いいものじゃないよ・・・」

ヒナノは私の親友で、
よく輝之介のことを
聞いてくる。

ヒナノ「そーなの？
ウチは、憧れるけどなぁ」

ブーブー!!

リリカ「わっ??
輝之介から、ラインだ」

――――――――――――
輝之介 “明日会える？”
――――――――――――

ヒナノ「おおおお！　噂をすれば！」

――――――――――――
リリカ “会えるよ？”

輝之介 “じゃあ明日、
ニコラ駅に待ち合わせな”

リリカ “うん”
――――――――――――

リリカ「デートとか、
久しぶりなんだけど・・・！」

ヒナノ「じゃあ!!!　ヒナノ様直伝、
ヒナノガーリーコーデしてあげる！」

リリカ「ありがとー！」

―　デート当日　―

リリカ「晴れって、
言ってたのに・・・」

デート当日は、
まさかの雨。

セットした髪型も
ぺしゃんこになっちゃうよ！

しかも早く来すぎて、
雨で寒い・・・

輝之介「おまたせっ！」

リリカ「輝之介！」

輝之介「久しぶり！
今日は、楽しもうな」

リリカ「うん！」

輝之介「じゃあ。行こうか」

リリカ「傘。持ってないの？」

「あ。チャリで
駅までこいだからさ、
傘さしてこなかったんだよね」

リリカ「傘あるよ・・・？」

輝之介「ん。俺はいいよ。
リリカが濡れるから」

リリカ「じゃぁ・・・」

私は意を決して、
輝之介と相合傘をした。

リリカ「これなら。
濡れるのも、傘も半分こだよ！」

恥ずかしすぎる・・・！
嫌じゃないかな・・・

輝之介「リリカは、優しいな」

顔が熱くなるのを
感じる。

輝之介と手をつないで、
歩きたいな・・・

傘がなければ、
繋げたかな・・・

輝之介「ありがと」

そういって輝之介は、
手を、傘を持つ手に添えた。

鼓動が早くなる。

輝之介の顔が
見れないよ・・・

そのあと、
私と輝之介は、

お揃いのキーホルダーを
買ったり、

美味しいご飯を
食べたり・・・

デートを満喫できた。

もう、今日も遅い。

次、輝之介に会えるのは、
いつだろう。

リリカ「輝之介・・・」

輝之介「ん？」

もう、しばらく
会えないなんて、

今は、こんなに
近くにいるのに、

遠くに輝之介は、
帰ってしまう。

リリカ「時間が、
止まればいいのに」

輝之介「・・・そうだな」

涙が、溢れてきた。

なんでこんなに近くて、
遠いのだろう。

リリカ「もう“さようなら”って、
いいたくないよ・・・」

輝之介「じゃあ。
“またね”なら、どう？」

輝之介が
大好きな気持ちが、
溢れてきた。

傘を持つ輝之介に
触れている手が、震える。

今、輝之介に
抱きしめて欲しい。

リリカ「・・・・・・
ぎゅって、して・・・？」

輝之介「リリカ、
本当に可愛い」

そういった
輝之介は、

私のことを、ぎゅっと
抱きしめてくれた。

輝之介「もう、時間だ・・・」

リリカ「大好きだから」

輝之介「俺も。
“またね”リリカ!!」

リリカ「うん。“またね”！」

輝之介、大好きだよ！

これからも、
私の彼氏でいてね！

遠距離恋愛でも、
好きの気持ちは、近いから・・・

＊ＥＮＤ＊