I’m heroine!
作者:はんちゃん
やっほー! 私、りりか!
高校1年生。
勉強はニガテ・・・だけど、
運動は超得意な女子。
モテ女子だよ!
今言ったとおり、
男子にはまーったくモテないの!
でもね・・・
私には“運命の人”が
いるから、いいの。
りりか「ハルト!
もー、遅いっ!」
ハルト「ごめんごめん」
幼馴染みの今井ハルト。
1年生ながら、
野球部期待の新星なんて
言われてる。
寝坊ばっかりするし、バカだし、
カバンの中汚いけど、
誰よりもまっすぐで
キラキラしてて・・・
そんなとこに
惹かれたんだよね。
ハルト「・・・か、りりか?」
りりか「ふぁ?」
ハルト「“ふぁ?”じゃねーよ、
ったく。遅刻すんぞ」
りりか「ごめん・・・って、
だいたいハルトが寝坊するから
悪いんでしょー?!」
大声でついつい叫んじゃう。
はぁ・・・
ハルトといるときだけは、
女子らしくいたいのに・・・
☆。。・★。。・☆。。・★。。・☆。。・★。
りりか「くるみ、おっはよー!」
教室に着いた頃には、
あの失敗のことも
後悔した気持ちも忘れていて。
私はくるみの机に
どさっと荷物を置き、
大きな声で挨拶した。
くるみ「おはよ。
てかりりか、うるさい」
親友の稲垣くるみは、
ハルト属する野球部の
マネージャー。
女子力高いのに
サバサバした姉キャラで、
男子にも女子にも慕われてる。
くるみ「りりか・・・確認だけど、
あんた本当に
恋する乙女なんだよね?」
りりか「乙女かどうかは知らないけど、
まあそうだよ」
そう言うとくるみは、
分かりやすくため息をつき、
くるみ「あのねぇ、どっからどう見ても
恋してる女子には見えないからね?
ほら! また足開いて!」
と、言った。
確かに、私の膝と膝は
見事にくっついていない。
これで『恋する乙女だよ』と
言えるほど、私もバカではない。
りりか「でもね! ハルトは
そんな私のことがきっと好きなの!」
そうなの!
だって、私以外の女子が
話しかけてくると
『めんどくせー』って
嫌な顔するのに、
私と話すときだけは、
『りりか!』って名前呼んで、
笑ってくれるの。
それに、毎日一緒に
登下校してるし。
学校でだって
一緒にいる時間は多い。
これってもう、
両想い確定でいいよね?
するとくるみは、
『甘い!』と言い放ち、
くるみ「いーい? りりか。
こないだ今井くん、
“女子力が高い女子っていいよなぁ”って
部室で話してたからね!」
と、言った。
りりか「え、ウ、ウソでしょ?!」
いやいや、でもさ。
そんなこと言いながら、
私のことが好きなの、きっと!
“女子力高い女子がいい”なんて、
そんなのただの建前。
そう、信じたい。
だって私、ハルトが好きだもん!
☆。。・★。。・☆。。・★。。・☆。。・★。
・・・なんて想いも、
神様は簡単に崩してしまう。
りりか「え・・・なん、で・・・?」
ハルトが笑ってる。
その笑顔の先は、
男友達じゃなかった。
もちろん、私じゃない。
ハルト「まじで?!
あー、そのまってホント
おもしれーな」
そのま「そんなことないってー、
もーっ、ハルトってば!」
放課後。
教室前の廊下。
見たくなかった。
その日はひとりで帰った。
ハルトに何も言わずに。
りりか「ふぇ・・・っん。
ハルト・・・」
確か、ハルトと話してたあの子は
隣のクラスの松尾そのまちゃん。
モデルをしてるって噂で、
スタイルいいし、何よりかわいい。
家庭科学部に入ってるらしく、
料理も裁縫も上手だって
聞いたことがある。
りりか「ハルトは・・・っ、
そのまちゃん、の、ことがぁ・・・っ、
好き、なのかなぁっ・・・?」
『そのま』って、呼んでた。
『ハルト』って、呼ばれてた。
笑ってた。ハルトが。
私以外の女の子と。
“めんどくさい”なんて顔、
少しもしてなかった。
めんどくさいのは、
今の私か・・・
その日は、家に帰ってからも
涙が止まることはなかった。
☆。。・★。。・☆。。・★。。・☆。。・★。
聞けない。聞けない。
昨日のそのまちゃんとのことなんて、
聞けない。
ハルト「りりか、なんで
起こしてくれねーんだよ!」
りりか「・・・ごめん、先行くね」
顔も見れない。
昨日泣きすぎて目がパンパンに
腫れてるし、
きっと今ハルトの顔見たら
泣いちゃう。
『りりか、待てよ!』って
声が聞こえたけど、
ごめんね、今は
ハルトと一緒にいれない。
★・・・★・・・★・・・★
くるみ「りりか・・・
なんかあった?」
教室に入ると、
腫れた私の目を見て、
くるみが駆け寄ってきてくれた。
私は、昨日のことを
一通り話した。
くるみ「そっか・・・
でも今井くんは、そのまちゃんのこと
りりかに何にも言ってないんでしょ?」
りりか「うん・・・でも」
くるみ「なら、大丈夫だよ。
りりかは今井くんにとって
大切な存在なのは、間違いないから。
まあ、それがどんな形であれ・・・。
とにかく、りりかに何も言ってないってことは、
何もないってことだよ」
りりか「・・・ホントに?」
くるみ「多分、ね」
くるみは微笑んで、私の頭をポンっと
撫でてくれた。
りりか「くるみ・・・ありがとう。
でもね、私、そのまちゃんみたいに
女子らしくなって、
ハルトに女子として見てもらいたい!」
くるみは
目を丸くしている。
くるみ「りりかの足が、
開いてない・・・!」
ふん、どーだ!
私だって、膝つけるくらい
できるんだぞ!
りりか「私、そのまちゃんなんかに
負けないから!」
☆。。・★。。・☆。。・★。。・☆。。・★。
あれから3週間。
私は必死でがんばった。
パンはちぎって食べる。
口に手を当てて笑う。
ハンカチを持つ。
リップを塗る。
できることは、全部した。
ハルトのためだったら、
何だってできた。
ある日の帰り道。
ハルト「・・・で、もう
大爆笑でさ!」
りりか「へぇ、そうなんだー。
おもしろーい!」
私は小さく
ニコッと笑った。
するとハルトは、
ハルト「つか、最近のりりか、
なんか変じゃね?」
と、ため息をついて言った。
ハルト「なんか話してても
あんま笑わねーし、怒らねーし、
叩かねーし。
なんか調子狂うわ。どうした?」
ハルトからそう言われて、
目の前が真っ白になった。
え・・・どういうこと?
私、ハルトのために
がんばったんだよ?
なのに、なんで
そんなこと言うの・・・?
・・・あ、そっか。
私は、いくらがんばったって
ハルトの彼女候補には
入れてもらえないってことか。
私は、ただの幼馴染み。
だから、大声で
笑ってくれるほうがいい。
怒ったり叩いたり、
わいわいしてるほうが楽しい。
ハハハ・・・
なんか虚しくなって
きちゃった。
でもさ・・・
りりか「ハルトのバカ!
バカバカバカーッ!」
私は、叫んだ。
りりか「女子力高い女子が
好きなんでしょ?!
そのまちゃんみたいな子が
好きなんでしょ?!
私、そうなれるようにがんばったのに・・・
なんでそんなこと言うの?
そんなこと言うくらいなら、
私のこと好きって言ってよぉ・・・っ!!!」
泣いてるし、叫んでるし、
もう私の顔ぐしゃぐしゃ。
すると、私の言葉が
終わったのを確認して、
ハルトが笑いながら
近づいてきた。
ハルト「俺、ずっと
りりかだけが好きだよ」
りりか「ふぁ?」
ハルト「“ふぁ?”じゃねーよ、
ったく。気づけよ!
女子力がどーのこーの何だよ!
俺は、ただそのままのりりかが好きだ」
え・・・
いや、でも、
りりか「女子力高い女子がいいって・・・
言ってたんでしょ・・・っ?」
ハルト「あー、部室にいたときだろ?
あれは、建前っつーもんだよ」
それに・・・
りりか「そのまちゃんは・・・っ?
そのまちゃんと、
呼び捨てで呼びあって、
笑って、話してたのは・・・、
なんでぇ・・・っ?」
するとハルトは、
「そのことかよ」と笑って、
ハルト「そのまは、俺のいとこ。
あれ、りりか、知らなかったっけ?」
知らない。
私はコクリとうなずいた。
ハルト「なんだよ、
りりかですら知らなかったのかよ」
『りりかですら』
今日はこの言葉が
なんだか嬉しい。
今までも、これからも、
ハルトにとって1番近い存在で
いられるんだなぁって気がして。
りりか「ハルト、大好き。
私、女子力ないけど、
それでもいい?」
ハルト「あぁ。ていうか、
りりかじゃなきゃ、俺は嫌だ」
私、少しは愛されてるって、
恋物語のヒロインだって、
うぬぼれてもいいですか・・・?
“でももうちょっと
女らしいほうがいいかな”
“うっさい、バカ!”
☆End☆
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
梨里花

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