大好きだよ

CAST国本姫万里

作者：yui

2025.11.24

私には好きな人がいる。

でも、その人には
何年もあっていない。

出会ったのは小学生のとき・・・

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こんにちは。ひまりです。

私には好きな人がいます。
会ってないけど・・・

なぜかというと、
私の好きな人は
１回しか会ったことないから。

小学校の時に、
お祭りで出会った。

迷子の私を助けてくれた。

相手は覚えてないと思うけど
私は、はっきり覚えてる。

・＊。・　学校　・。＊・

？「おはよう。ひまり」

ひまり「おはよう。花奈」

この人は私の大親友、花奈。

このかわいさから
先輩達にも人気で、
今はダイジ先輩とつきあっている。

花奈「聞いてよ～、ひまり。
ダイジ先輩の試合見に行ったら
マネージャーのアンナが
ダイジにお弁当差し入れしてたの。
しかもダイジ先輩、うれしそうだしー」

ひまり「花奈、その話何回も聞いたよ。
花奈もお弁当作ればいいじゃん」

花奈「私、料理ニガテなの。
作れないよ」

ひまり「そっかぁ。
まず負けないようにしなきゃね」

花奈「うん。がんばる。
そういえば、ひまり
好きな人いないの」

ひまり「まだ、あの人のこと
忘れられないから」

花奈「まだ覚えてるの。
もう別の人探したら」

ひまり「そうだけど、
忘れられないんだ」

花奈「そうだ、
イブキがいいじゃん。
イブキさぁ
多分ひまりのこと好きだよ」

ひまり「絶対ない。
あのばか、イブキ」

花奈「またまた、
そんなこと言って」

イブキ「おぅ、ひまり」

ひまり「あっ、イブキきちゃった」

イブキ「ひまりも花奈も
今日テニス部朝練は？」

ひまり「休み。
朝から話しかけないでよ」

花奈「そんなこと言わないの」

イブキ「いいよ。花奈」

ひまり「もう、花奈
私、先に行く。じゃぁね」

なんで私がこんなに
イブキを嫌っているかというと
モテるから。

仲よくすると誤解をされる。

・＊。・　部活　・。＊・

花奈「いくよー」

パーン。

ひまり「わぁっ、
さすが花奈すごいね。
エア花奈って感じ」

花奈「言い過ぎ。
確かに小さい頃からやってるけど。
そんなに上手じゃないよ。
ひまりだって習ってれば
普通にできるって」

イブキ「おーい、
ひまり今だいじょぶ？」

ひまり「話しかけないでよ。
今、部活中」

ぽたっ。ぽたっ。

ひまり「雨降ってきた」

部長「雨降ってきたから、
練習中止しまーす」

イブキ「だって、ひまり」

花奈「私、待ってるから。
話しておいで」

ひまり「うん。
イブキ少しだけだからね」

・＊。・　教室　・。＊・

イブキ「お前って
お祭り行ったことある」

ひまり「はっ、あるよ。
なんで」

イブキ「近所にある
でっかい広場である祭りは」

ひまり「１回だけあるよ。
小学生の時に家族と」

イブキ「もしかしてさ。
その時、迷子にならなかった？」

ひまり「なんで知ってるの」

イブキ「やっぱり、
その時男の子に
助けてもらわなかった？」

ひまり「助けてもらったよ。
名前は知らないけど。
もう１回だけ会いたいな」

イブキ「その人、
俺の双子の弟なんだよね」

ひまり「うそ、だったら
この学校いるよね。
でもイブキと同じ顔いたっけ」

イブキ「いるわけないだろ。
二卵性だもん。
全然似てないんだよ」

ひまり「そうなの？
でも、堀口って名字
何人かいるよね」

イブキ「うん」

ひまり「誰、弟って。
お礼言いたい」

イブキ「もういないよ」

ひまり「いないってどういうこと」

イブキ「死んだ。
中学１年の夏に」

ひまり「うそ。なんで」

イブキ「リヒトっていうんだ、名前」

ひまり「リヒト君。
私、リヒト君のことが
好きだったんだよね。
１回会っただけなのに」

イブキ「リヒトが、死ぬ直前まで
ひまりのこと言ってたんだ」

ひまり「なんで私ってわかったの」

イブキ「お前リヒトに
『ひまりです』って
自己紹介しただろ」

ひまり「うん。
だから分かったんだ」

イブキ「お前のことちゃんと覚えてたよ。
あいつもお前のこと
好きだったんじゃない」

ひまり「うそでしょ。ウワーン（泣）」

イブキ「ひまり、泣くなよ」

ひまり「でも」

（イブキがひまりを抱きしめる）

ひまり「えっ!?　イブキ」

イブキ「俺がリヒトの代わりじゃダメ？」

ひまり「・・・・・」

イブキ「リヒトに
全然似てないけど
ひまりを好きな気もちは同じだから」

ひまり「イブキ・・・」

ひまり「ちょっとは
考えてあげてもいいよ」

イブキ「ひまり、
俺とつきあってください」

ひまり「ちゃんと、
リヒト君より大切にしてよ」

イブキ「分かった、約束する」

ひまり「ねぇ、イブキ雨やんだよ。
虹かかってる」

イブキ「リヒトからのお祝いかもな」

ひまり「うん」

私たちは大きな虹の下で
永遠を誓った。

イブキ、いつまでも一緒にいようね。
大好き！

＊ＥＮＤ＊