今日も塩だけど・・・

CAST国本 姫万里国本 姫万里

作者:さくらんぼ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2023.04.05

こんにちは、ヒマリです。
ニコラ学園中等部2年生です。





「タイヨウくん、おはよう!」





「ん」





彼はタイヨウくん。
私の好きな人なの。





でも、このとおり
毎日塩対応なの。





でも、いいの。
話せるだけで、もっと言えば、
遠くから見ているだけで
私は幸せだから。





あ、ミユウが来た。





「あー、ミユウ、おはよー」





大親友のミユウ。
ミユウだけには、
タイヨウくんの
相談をしているんだ。





ミユウ「今日席替えだねー。
タイヨウくんと
近くになれたらいいね!」





ヒマリ「近くになれるといいなー。
ミユウとも近くがいいし」













・*。・ ホームルーム ・。*・





「じゃあ、
席替えをするよー。
くじを引いてねー」





カイラ先生が
そう言った。





カイラ先生は、
優しくて
美人な先生なの。





みんなが
くじを引いていく。





いよいよ私の番。





『タイヨウくんと
近くになれますように』
と祈りながら、くじを引く。





19番かー。
どうだろ。





「じゃあみんな、
移動してね」





カイラ先生の声で、
みんながいっせいに動く。





19、19・・・
あ、ここだ。





私の隣は、
まだ空いている。





すると、私の隣に
どかっと座る気配がした。





うーん。
まあ、タイヨウくんの
わけないか。





横を見ると・・・





「え、タイヨウくん!?」





なんと、隣は
タイヨウくんでした。





「えー!!」





「何だよ、イヤなのかよ」





「まさか、
そんなわけないです!!
嬉しいです!!」





タイヨウ(マジか。嬉しすぎる。
国本がよろこんでくれるなんて。
やっぱ可愛いな・・・)





「タイヨウくん?」





どうしたんだろう。
まあいいや。





席も隣だから、
毎回ペアになれるし、





班も同じだから
実験とかも同じだ・・・





嬉しい!!





「おーい。ヒマリー」





「ミユウ!?
近くになれて嬉しい!!」





するとミユウは、
私だけに聞こえる声で、





「タイヨウくんに、
メロメロだねー。
このミユウ様より先に
タイヨウくんと話すとは。
なーんての」





といってきた。
だけど、ちょっと
目が泳いでいる。





「違う違う!!
そんなんじゃないって!!」





と、否定すると
ミユウは





「可愛いー。
いっそ私の彼女になっちゃう?
なーんてね」





なんて言ってきた。
私は、反撃を実行した。





「何言ってんの。
ミユウだって、
ユアンくんに
メロメロじゃん」





するとミユウは、
面白いほど
顔を赤くして





「違うって。
そんなんじゃないって」
といった。





「いやだって、
ミユウの待ち受け、
ユアンくんとの
ツーショットじゃん。
修学旅行の時の」





ミユウは、修学旅行の時、
ユアンくんと同じ班で、
ユアンくんが
気になってるみたいで、
ついに待ち受け画面という
決定的な証拠を見つけたのだ。
そして当のユアンくんは、
ミユウの隣、私の前の席で
男子と騒いでいる。





「応援するよ!
ミユウの恋!」





するとミユウは
渋々頷いて





「ありがと。
私も応援させて」
と言った。





そして私たちは、
最強の約束をした。













・*。・ 数日後 ・。*・





あー。
今日は、調理実習だ!!
タイヨウくんと一緒の!!
楽しみ!!





初めての班活動。







・調理実習・





豚汁作り。
タイヨウくんと
一緒に作業ができて、
今はもう終わりかけの
調理実習。





その時、





誰かの手があたって、
ふたのあいている
食缶が傾いた。





そして豚汁は、
近くにある私の手に・・・





「熱っ!!」





「国本!! 大丈夫!?」





タイヨウ・・・くん。





「俺、保健室に
連れていくから!」





え・・・





私は彼に
手を引かれるがままに、
保健室に行った。





ヤケドだったけど、
痛さよりも
ドキドキが勝っていた。





「ありがとう・・・」





「ううん。
国本が痛いと、
俺も痛いから・・・」





いつもの
塩対応ではなく、
優しい一面を知った。













・*。・ 更に数日後 ・。*・





それから私は、
彼を見るたびに、
ドキドキが
止まらなくなった。





以前も好きな人だったけど、
よく考えたら、
あれは、恋愛対象では
なかったのだと、
今では思う。





でも、あの日から、
私は恋をした。





推すのではなく、恋を。







・・・あれ、なんか頭が
ボーっとしてきた。





なんか
寒くもなってきたし。





私は少し
違和感を感じながら
授業をうけた。





そして私は、
トイレに行こうと
立ち上がった。





でも





あれ?
いつもみたいに
うまくいかない。





私はそのまま
進もうとしたけど、
うまく進めない。
足がふらふらする。





「国本・・・?」





あ、もうだめだ。
と思った瞬間。





「国本!」





私はタイヨウくんに
支えられていた。





その後のことは、
よく覚えていない。





気がついたら、
ベッドの上だった。





「どこ・・・?」





目の前には
タイヨウくんがいて、
それから私は、
あの後のことを
聞かされた。





体調不良だったらしい。





それから私は
数日間学校を休んで、
すっかりよくなって
登校した。





するとタイヨウくんが、
挨拶をしてくれて、
体調も気遣ってくれた。





なんで私に
そんなに優しいのかな。





ますます
好きになっちゃうよ・・・!













*...・・・*...・・・*





放課後、私は
タイヨウくんに
呼び出された。





「好きだ!!」





え。
私はしばらく
フリーズしてしまった。





「返事は?」





私は思うがまま





「好きです!!」
と、叫んでいた。





それから私たちは
お付き合いを始めて、
とても楽しい生活を送った。





そうそう、ミユウも
ユアンくんと
付き合うことになったの。





なんでも、私がヤケドした時に
グッと距離が縮まったんだって。





おめでとう、ミユウ!!





今日もタイヨウくんは
塩対応だけど・・・





そんな彼の優しさを
知っているのは、私だけ!!







*end*

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