今日は恋させて

CAST国本 姫万里国本 姫万里

作者:アメリカ女子

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2024.08.11

ヒマリ「どうしたの?」





妹「お菓子が、なーい!」





ヒマリ「わかった。
買ってくるね」





国本ヒマリ。中3。





親が共働きのため、
幼児の妹のお世話を
しなければならない。





ヒマリ「はぁ」





お菓子を買いに
スーパー、ナウ。





ミユウ「ヒマリ!」





ヒマリ「ミユウ!」





ばったり、
松田ミユウに会った。





ミユウ「今、ため息
ついたでしょー?」





ヒマリ「うん。
妹が、うるさくてさ」





ミユウ「大変だね。
私は、ただのおつかいー(笑)」





ハルト「おっ!
松田! 国本!」





今井ハルト。





同じクラスで、
授業中は、いつも寝てる。





休み時間では、
めっちゃうるさい。





ミユウ「なんで、
スーパーなんかにいるの?」





ハルト「い、いや・・・」





ハルトは、逃げてしまった。





ミユウ「わけわかんない奴だなぁ」





ヒマリ「そうだね」





お菓子のついでに、
今日の夕飯のお買い物をして
家に帰った。

















* 翌日、学校で *





ミユウ「おはよう。ヒマリ!
あのね、昨日、スーパーで、
ハルト君と会ったじゃん、」





ヒマリ「うん」





ミユウ「あのあと、
また会ったんだけど、
レターセットと
おしゃれなクッキーを
持ってたよ」





ヒマリ「ふーん」





ミユウ「反応、薄いなぁ。
『だれかにコクっちゃうん
じゃない?』
とか、考えないの?」





ヒマリ「あ。なるほど」

















* 翌日、放課後 *





ハルト「少し、いいかな?」





ヒマリ「え、うん」





私は、ハルトに
ついて行った。





ハルト「えっと・・・
はいっ! どうぞ。
妹とでも、食べろ」





それは、クッキーだった。





手紙もあった。





ヒマリ「え・・・」





ハルトは、逃げるように
立ち去った。

















* 家で *





妹「おかえりー!」





ヒマリ「なんでいるの?」





いつもは私が
保育園まで行くのに。





妹「お姉ちゃん来るの
遅かったから、
友達の車に乗ったの!」





ヒマリ「そうなの? ごめんね」





妹「いいよー」





ヒマリ「お菓子があるの」





妹「何? 気になる!」





ヒマリ「クッキー」





妹「やったぁ!」





ヒマリ「ちょっと待ってね」





私は、妹から見えないところに行って
手紙を取った。
そして、クッキーが入っている箱だけを
持って妹のもとへ行った。





妹「ひゃー」





ヒマリ「おしゃれだね」





妹「うん!」





私と妹で美味しく食べた。





ただ美味しいだけでない何かも、
感じたような気がした。





その後、私は手紙を読んだ。





―――――――――――――――――
ヒマリへ

明日、休みだから、
14時に公園に来てくれないか。

         ハルトより
―――――――――――――――――





短い文だった。





明日は土曜日。
確かに、休みだ。

















* 翌日、14時頃 *





ハルト「ヒマリ!
来てくれたか」





ハルトは、待っていてくれた。





ハルト「言いたいことが、あって」





ヒマリ「何?」





ハルト「好きなんだ」





ヒマリ「ふーん」





ハルト「付き合ってほしい」





ヒマリ「妹の世話も大変だし、
勉強もしなきゃいけない。
恋に落ちているヒマなんて、ないの」





ハルト「そっか・・・」





ヒマリ「ハルトも、受験のこと
考えてる?」





ハルト「まぁ・・・」





ヒマリ「・・・・・」





ハルト「でも、恋するなら
今じゃないかって。
実はさ、俺の父親が今日で
余命1ヶ月なんだ。病気でさ」





ヒマリ「えっ」





ハルト「コクるなら、いまかなって。
でも、俺なんかじゃダメだよな」





前から、ハルト君は好きだった。





けど、付き合うとか
想像できなくて、





大チャンスの
バレンタインデーでも
コクらなかった。





妹のことも、
親のこともあるからって、
本当にしたいことしなかった。





でも、いまならできる。





いま、恋を求めてる自分がいる。





ヒマリ「今日は、恋させてください」





ハルト「はい?」





ヒマリ「ずっと好きだった。
けど、そんな思いを伝える
勇気がなかったんだ。好きです」





ハルト「ホント?」





ヒマリ「好きです。
時間があるかぎり、
私と付き合ってください」





ハルト「よろしくな」





今日、恋させてくれた
ハルト君のこと、





いつまでも大好きです。







*End*

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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