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CAST国本 姫万里国本 姫万里

作者:Feel your breeze

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.05.21

私の名前は、国本姫万里。
ニコラ学園に通ってる。





「ヒマリー! おはよー!」





この子は、親友の工藤唯愛。





ヒマリ「ユア! おはよう!」





ユア「ねぇ~、先生から
聞いたんだけどさ~
こんど転校生が来るんだって」





ヒマリ「へぇ~、そうなんだ~」





ユア「もしかして・・・
イケメンを期待してる(笑)?」





ヒマリ「えっ・・・いや・・・
そんなわけないじゃん!」





ユア「そんな風にしてると、
ハルト君は
私がもらっちゃうぞ(笑)」





ヒマリ「ちょっと~、やめてよ~」





こんな感じで、毎日ユアと
登下校するのが日課なんだ。











・*。・ 帰宅後 ・。*・





「今日もハルト君と
話せなかったな~」





同じクラスの
今井暖大くんは、
高校に入ってからの友人。





・・・と言いたいけど、
私は同じクラスになった瞬間に
一目惚れして、
そこからずっと片思いしてる。





もちろん、ハルト君は
そのことなんて知らない。





「はぁ・・・疲れた・・・」





帰宅して自分の部屋の
テレビをつけると、
ニュースが流れていた。





「次のニュースです。
新潮町の男子高校生が失踪してから
今日で1週間になります。
警察は、失踪したと見られる
男子高校生の身元を特定したとのことです」





そういえば最近、男子高校生が
行方をくらましたというニュースを
よく耳にする。





「男子高校生の名前は、小澤輝之介さん。
新潮高校に通う高校1年生・・・」





小澤・・・テルノスケ?





その名前をどこかで
聞いたような気がした・・・













・*。・ 翌日 ・。*・





「お~い。
みんな席に着けよ~」





朝のHRの前に、
先生が全員を着席させると





「いまから転校生を紹介するぞ」





そういって1人の生徒を
教室にうながした。





「はじめまして。
小川テルノスケです。
神楽高校から来ました。
よろしくお願いします」





はっ・・・!?
うそでしょ・・・!?





思わず声が出そうになったが、
それは声にならないほどの驚きに
かき消された。













・*。・ 昼休み ・。*・





「ヒマリ!
ヒマリだよな!?」





その声を聞いても、
未だに信じられなかった。





ヒマリ「テルノスケ・・・?」





まさか・・・
絶対うそだ・・・





私の幼なじみで、
幼稚園から中学まで家が
隣同士だったこともあり、
よく互いの家に遊びに行った仲で
あるけど・・・





今はとにかく
信じられなかった。





テルノスケ「久しぶりじゃねぇーか!
元気にしてた?」





ヒマリ「なんでここにいるの・・・?」





目の前の出来事が
信じられなくて、
それを言うのが
精いっぱいだった。





テルノスケ「あーごめん。
実は親の転勤の関係でさ・・・」





そんなはずはない・・・





だってあのとき、
もう2度と会えないって
言ってたじゃん・・・





テルノスケ「そういえば・・・
ヒマリに伝えたいことがあって」





ヒマリ「何?」





テルノスケ「実は・・・」





彼から話された
衝撃の事実を聞いて、
言葉を失ってしまった。





「ヒマリちゃん・・・
ちょっといいかな?」





その日の放課後、
ハルト君に呼び出された。





ハルト「あの彼って・・・
もしかして・・・」





どうしよう・・・
テルノスケの正体を
バラすわけにはいかないし・・・





ヒマリ「人違いだよ」





ハルト「やっぱりそうだよね。
なんか似てたと思ったんだけど」





ハルト君に
うそをついてしまったのも、
それはそれで心苦しい。





ハルト「そういえば、
来週の土曜日って、空いてる?」





ヒマリ「えっ・・・?
別に予定はないですけど・・・」





ハルト「もし良かったら、
一緒に出かけない?」





幼なじみとの秘密と、
突然の誘いに
私の気もちはグチャグチャに
なっていた。





(その様子を見ていたテルノスケ)
「なるほどねぇ・・・」













・*。・ 数日後 ・。*・





テルノスケは最初の1週間こそ
学校に来ていたが、
その後は学校に来なくなっていた。





「テルノスケ君・・・
どうしちゃったんだろうね?」





親友のユアが、心配そうに
話しかけてきた。





すべてを知っている
私からすると、
果たしてこの事実を
公表していいものかと思ってしまう。













・*。・ 昼休み ・。*・





テルノスケからLINEで、
屋上に来てほしいと言われた。





テルノスケ「ごめん、ヒマリ」





ヒマリ「どうしたの?」





テルノスケ「俺さ、もう学校辞めて
自首しようと思うんだ」





あまりの突然の発表に、
心の整理が追いつかない。





ヒマリ「急にどうしたの?」





テルノスケ「もうこれ以上、
ウソをついても
変わらないと思ってさ」





実は、転校生・小川テルノスケの正体は、
失踪が報道された、私の幼なじみの
小澤テルノスケである。





つまり彼は、偽名を使って
この学校に転校してきたのだ。





ヒマリ「ねぇ・・・1つ
聞いていい?」





テルノスケ「何?」





ヒマリ「どうして、
そこまでする必要があったの?」





テルノスケ「単純に言えば、
いまの環境にムカついてたからかな」





実は、テルノスケは
私と同じニコラ学園に
進学する予定だった。





ところが、合格発表があって
一緒の高校に行けると決まった直後、
テルノスケのお父さんが左遷に遭い、
地方への転属を余儀なくされてしまった。





単身赴任は経済的に苦しくなるからと、
家族総出での引っ越しになってしまい、
私たちは離れ離れになってしまった。





その後、転校先で壮絶ないじめに
遭っていたテルノスケは、
お父さんを全ての元凶として責め立て、
絶縁を言い渡し、そのまま家出した。





幸い、この学園の近くには
知り合いの家があったので、
ここ数日間はそこで
かくまってもらっていたらしい。





テルノスケ「ヒマリ、
1つだけ頼みがあるんだけど」





ヒマリ「何?」





テルノスケ「俺からの最後のお願いだから、
聞いてくれないか?」





彼から予想外の話を聞いて、
一瞬戸惑ったが、
こうして、
彼と私の作戦が始まった。













・*。・ 放課後 ・。*・





(ガラガラ)





ハルト「あれ、工藤さん?
どうしたの?」





ユア「あっ、ハルト君!
ねぇ、ヒマリがいないんだけど、
知らない?」





ハルト「えっ!? どういうこと?」





ユア「なんか、昼休みから
姿が見えなくて、
授業も休んでたみたいだし」





ハルト「確かに・・・
あとちょっと気になる話を
聞いたんだけど」





ユア「何の話?」





そのとき・・・





教室に1枚の
紙飛行機が飛んできた。





ユア「これ、なんだろ?」





紙飛行機を開くと・・・





────────────
──────
今井ハルト

いますぐ屋上に来い
──────
────────────





ユア「なんか怖っ!」





ハルト「落ち着いて!
とりあえず、
一緒に屋上に行こう!」













・*。・ 屋上 ・。*・





ユア「ヒマリ!」





ヒマリ「ユア! ハルト!」





私はテルノスケに手を縛られ、
首元にナイフを
突きつけられている。





ハルト「おい、彼女を
どうするつもりだ!」





テルノスケ「俺がどうしようと、
お前ごときに関係ないだろ!」





ハルト「てめぇ・・・
なめたマネしやがって!」





テルノスケ「うるせぇ!
お前みたいな虚弱ハートの持ち主に、
ヒマリは絶対渡せねぇよ!
俺はコイツと幼なじみだった・・・
いつしかカレカノになって、
同じ高校に行くはずだった・・・
それなのに・・・
親の都合に振り回されて・・・
離れ離れになって・・・
やっと同じ高校に通えたと思ったら、
お前みたいなやつと仲よくしてるなんて・・・」





ハルト「このやろう・・・」





テルノスケ「お前みたいなやつに
ヒマリを取られるくらいなら、
こいつを殺して
俺も一緒に死んでやる!」





ヒマリ「助けて!」





ハルト「小川テルノスケ・・・
いや小澤テルノスケ、
ふざけるのもいいかげんにしろ!」





ユア「えっ・・・?
いまなんて言った?」





ハルト「お前みたいに偽名使って、
失踪をかたって近づくやつに、
俺の好きなやつは渡さない!」





ヒマリ「ハルト君・・・?」





ハルト「俺は確かに、並の男どもに比べたら
精神面は弱いし、いざというときに
彼女を守れるかどうかは分からない。
でも俺は、命に変えてでも、
お前から大好きな彼女を
奪い返してやる!」





ハルト君はそういうと、
抵抗するテルノスケを力づくで抑えきり、
ナイフを奪って
縛っていた手首のロープを切った。





ハルト「ヒマリちゃん、だいじょうぶ?」





ヒマリ「ありがとう、ハルト君」





ユア「大変!
テルノスケ君が!」





そのとき、テルノスケが
屋上のフェンスを登ろうとしていた。





ヒマリ「テルノスケ!」





テルノスケ「ヒマリ・・・
これで分かっただろう?
お前のことは、ハルトに
任せておけばいいって」





ヒマリ「テルノスケ・・・」





そう、テルノスケが
私を殺そうとしていたのは、
全て先ほど考えた作戦だった。





テルノスケは、ハルト君に
私への愛を試すために、
自らヒール役を買ってでたのであった。





テルノスケ「実は、最初から2人は
両思いだって分かってた。
でも、2人ともなかなか
くっつかないじゃん。
だけどこれで、お前らは
正真正銘のカレカノだ。
本当におめでとう」





そのとき、下にはパトカーが
駆けつけていた。





おそらく、テルノスケの正体に気づいた
学校関係者が、秘密裏に通報したのだろう。





テルノスケ「このまま、
警察に捕まってたまるかよ!」





ヒマリ「テルノスケ!」





ハルト「やめろ!」





間一髪、ハルト君が
手を伸ばして
テルノスケを救った。





テルノスケ「なんで
助けたんだよ・・・」





ハルト「お前には、まだ
生きてほしいからだよ」





テルノスケ「はっ・・・?
貴様何様のつもりだよ!」





ハルト「俺は今まで、お前のことを
知らなかった。
だから、実績も中身もない
中途半端なヤツが
好きな人の隣にいるのが
許せなかった。
だけど、お前がいたから
ヒマリちゃんはここまで来れたわけだし、
いまお前が死んだところで、
何も変わらない」





テルノスケ「こいつ・・・」





ハルト「お前が家庭環境的に
辛いのはよく分かる。
だけど、せめて彼女のために
生きてくれ」





実はハルト君は、
最初からテルノスケの
正体を知ってたらしい。





こうして、ハルト君の説得で、
テルノスケは警察に連行された。





ハルト「ヒマリちゃん・・・
ホントごめん」





ヒマリ「ハルト君、
もうだいじょうぶだよ。
それより、これからはずっと
ハルト君のそばにいるね!」





ハルト「ありがとう」





こうして、放課後ラブサスペンスは
幕を閉じた。





~終わり~

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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