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シンデレラクリスマスイブ

CAST国本 姫万里国本 姫万里

作者:Feel your breeze

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2024.12.15

きっと私には





来ないと思っていた





1人きりのクリスマスイブ











・*。・ 1年前 ・。*・





「ヒマリ、ごめん・・・
俺たち、もう別れよう・・・」





私、国本姫万里は
その日、彼氏だった
小澤輝之介にフラれた。





クリスマスイブの
前日のことだった。





なんで・・・?
どうして・・・?





別れ話を告げられた直後は、
何が起こったのか
分からなかった。





でも次の日、
親友のユノやハナが
恋人とクリスマスデートに
行っている様子をSNSで
見てしまったら、
絶望感に満ちあふれた。





新潮公園のイルミネーション





テルノスケと
付き合ってた頃は、
毎年12月24日に
見に行っていたこの景色。





でも今年は1人きり。





それでもなぜか、この景色を
見にきてしまった。





そして、目にしたのは・・・





キラキラと輝く
クリスマスツリーと、
それに負けないほど輝いている
大勢のカップル。





あぁ・・・
なんだろうこの気持ち





気づいたら、
涙があふれていた。





その場で居ても立っても
居られなくなった私は、
銀色のきらめきが
残る街角を背に、
自宅に戻った。





そして一晩中、
訳も分からず泣いていた。













・*。・ 今 ・。*・





今日はクリスマスイブの前日。





そして、学校の最終登校日。





つまり、明日からは
冬休みである。





ふたば「ねぇねぇ、
明日どうする?」





ミユウ「私は彼氏と
朝からデートでーす!」





ユア「いいなー!
クリスマスイブに
彼氏と過ごせるなんて」





ふたば「ちなみに
私もでーす!」





クルミ「私は明日
お仕事なんだよね~」





そのま「えーせっかくの
クリスマスイブなのに・・・」





ユア「私も明日
お仕事あるからね~」





ミユウ「まぁみんな
彼氏がいることに
変わりはないよね」





クラスの中から聞こえる、
そんな声。





私は思わず、
はぁ・・・と
大きなため息をついた。





私なんて、明日は
予定なんて全くない、
ある意味で
ホワイトクリスマスなのに・・・





「ヒマリ~!
どうしたの?
元気ないじゃん」





ふと顔を上げると、
ハナがニコニコしながら
話しかけてきた。





「いや・・・なんか・・・
みんないいな~って・・・」





このクラスは大多数が
彼氏もしくは彼女がいて、
明日から冬休みだから
みんなどこか浮かれている。





「まだテルノスケくんのこと
あきらめてないの?」





私にそうやって
声をかけてきたのは、
同じく親友のユノだった。





「どうなんだろうね・・・」





本音を言えば、
私はまだテルノスケのことが
忘れられなかった。





心深くには、まだ消え残る
テルノスケへの思い。





でも、叶えられそうも
なかった・・・













・*。・ 翌日 ・。*・





今日は、12月24日。





私にとっては
人生2回目となる、
1人きりのクリスマスイブ。





テルノスケと付き合う前は、
家族で毎年のように
クリスマスパーティーをしていた。





去年も本当なら、
家族でクリスマスを
過ごせたらよかったのに、
別れたショックが
大きすぎた手前、
なかなか言い出せなかった。





ふと何を思ったのか、
私は今年も
イルミネーションを
見に行くことにした。





街角にはクリスマスツリー、





ある家の窓には
ポインセチアの鉢植え、





そして、クリスマスケーキを
うれしそうに切る子どもたち・・・





町を囲むキャンドルの明かりに
照らされながら、
私は今年もあの
イルミネーションの前にやってきた。





「えっ・・・?」





なんとそこには、
別れたはずのテルノスケの姿が。





「ヒマリ・・・?」





テルノスケは
少し戸惑った様子で、
こちらに向かってきた。





「あっ・・・久しぶり・・・」





1年も会っていなかったのと、
もう別れたせいか、
それっきり
沈黙の時間が流れていた。





気がつくと夜も更け、
パラパラと降っていた雨は
雪に変わっていた。





このままでいいの・・・?





せっかく会えたのに、
気持ちを伝えられないまま
終わってしまうかもしれない・・・





「あのさ・・・」





私は勇気を振り絞って、
口を開いた。





「私、まだテルノスケのこと
好きだから!」





テルノスケは、驚いた様子で
こちらを見た。





カーンコーンカーン♪





どこからか
鐘が鳴る音がした。





気がつくと、
もう時刻は12時を
指していた。





「あっ、そろそろ
帰らないと」





私はそう言って、
帰ろうとした。





その時・・・





「バカ・・・
まだ行くなよ・・・」





気がつくと、私は
テルノスケに
バックハグされていた。





「俺さ、あの日
ヒマリをフッたこと、
ずっと後悔していたんだ。
最初は気持ちが吹っ切れたと
思ったのに、
ヒマリのことが忘れられなくて。
だから今日、
久しぶりにヒマリに会えた時に、
必ず今夜なら、
言えそうな気がしてさ」





そういうとテルノスケは、
ポケットからリボンのついた
小包を出した。





「これ、俺からの
クリスマスプレゼント」





「テルノスケ・・・」





「ヒマリ、もう一度
俺の彼女になってくれないか?」





思わず私の目には、
涙があふれていた。





それは悲しみではなく、
うれし涙だった。





「私も、テルノスケのことが好き!」





こうして私たちは、
もう一度カップルとなった。





「ねぇ、プレゼント開けていい?」





「もちろん」





開けると中には、
ハートの形をした
イヤリングが入っていた。





「バイトして買ったやつ」





「そっか。
テルノスケも大変だね」





「何言ってんだよ。
俺はヒマリのためなら
なんでもするから」





「ありがとう」





気がつくと雪が止んで、
星が瞬いていた。





クリスマスイブの再会は、
12時までのDreamではなく、
私と彼の新たな一歩と
なったのだった。







~終わり~

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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