停学の君と方向音痴な私
作者:えね
「今日から久野は、殴った件で
1週間停学になるから覚えとけ~。
じゃ、HR終わり~」
今、同じクラスの
久野ナツくんが
停学になりました。
ま、私には関係ないから
いいのだけれど。
申し遅れました、
私の名前は、国本ヒマリです。
みんなからいうと、
マジメちゃん。
ハルハ「ひ~まりっ!
おっはよー」
ヒマリ「おはようございます、
ハルハちゃん」
ハルハ「あいかわらずっすね・・・
ま、そこが面白いから
好きなんだけど」
ヒマリ「何を1人で言っておられるのですか、
今日のランチは
ハルハちゃんのリクエストの
サンドウィッチにしてまいりました」
ハルハ「きゃ~!! やった
ありがと。
ヒマリの手作りランチ、
ちょーおいしいの!!」
ヒマリ「それは、
作っているかいがあります。
先生に呼ばれているので」
ハルハ「へーい」
今のは、
星名ハルハちゃんです。
私のお友達です。
職員室に行かなくては・・・
あらら?
どこだったかしら。
?「おまえ、
なにやってんの?」
ヒマリ「・・・あなたは、
久野ナツくん???」
?「しーっ!
俺今、停学中なんだよ」
ヒマリ「はい、存じあげています。
なのになぜ、ここに
いらっしゃるのでしょう」
ナツ「ちょっと用事がな!!」
ヒマリ「もうおわったのですか?
用事」
ナツ「あ、おう! ちょうど今」
ヒマリ「そうですか・・・では、
さっさと帰れや!」
ナツ「・・・」
ヒマリ「帰りなさい!
規則はしっかり守るのです」
ナツ「はいはい、では。
職員室は、その角を右ですよー。
方向音痴さーん」
ヒマリ「それは、ご丁寧にどうも」
私はいつも、無表情ですが、
今、とても怒っています。
・・・停学男に方向音痴と
いわれたのですよ。
覚えてろぉぉぉぉぉぉ。
ハルハ「ヒマリ、おっかえりー」
ヒマリ「ハルハちゃん、私は今、
とても怒っています」
ハルハ「あ、あ、うん。そだね。
・・・どうした?」
ヒマリ「こんなことがあったのです」
と、ハルハちゃんに伝えた。
ハルハ「それは災難だったね」
ヒマリ「はい、ほんっとそうです。
今度会ったら骨を折ってやるわ」
ハルハ「・・・久しぶりに
スイッチ入ったね」
ヒマリ「ほんと、
あの人のせいです」
*** 1週間後 ***
がらっ。
扉が開いた。
そこに立っていたのは、
久野ナツ。
ナツ「よっ!
方向音痴さーん!」
ヒマリ「なんのことでしょうか、
心当たりがないので。
かまってあげているヒマなんてないので、
さようなら」
ナツ「・・・・・」
キーー。
今も私、無表情に見えますが、
とてつもなく怒っています。
きぃぃぃ・・・
屋上のドアを開けた。
私、方向音痴じゃないから
屋上にちゃんと行けるのです。
あ・・・
ナツ「よっ!」
最悪です。
怒りメーターが
100%をこえましたよ!!!!
ナツ「あれっ! 屋上にちゃんと
これたんだな~」
ヒマリ「屋上ぐらいいけます!
ていうか、なんでここにいるのですか!
そこは私の特等席です」
ナツ「知ってる~」
ヒマリ「え??」
ナツ「ハルハに教えてもらった」
ハルハちゃん!
いくらお友達だからって
今回ばかりは怒りますよ?
あぁん?
ヒマリ「そこまでして、
何の用ですか?」
ナツ「好きなんだよ」
ヒマリ「何がですか? 屋上ですか?
私も好きですよ? この景色。
キレイですよね」
ナツ「・・・あ、うん」
はぅ!
何こんな人相手に
話していたのでしょう。
ヒマリ「なんか、
なつかしい気持ちがします。
久野君と話していると」
ナツ「えっ! 俺も」
ヒマリ「前にお会いしていたのでしょうかね!
あ。こんな時間だわ。
さよなら」
*** ナツside ***
覚えてないのかよ!
ヒマリ。
俺とお前は、
赤ちゃんの頃から、
ずっと一緒だった。
一時期、親の転勤で
引越ししたものの、
会うために戻ってきたのに・・・
男子)「国本ってさー!
超地味だよね笑」
男子)「それな! 俺も思った」
ナツ「今なんっつた?」
ボカッ
それが殴った原因。
ヒマリを馬鹿にされて
ムカついた。
*** ヒマリside ***
ハルハ「ねぇねぇ知ってる~?
久野ってさ、殴って停学に
なったじゃん?」
ヒマリ「うーん。それが
どうかしたのですか」
ハルハ「ヒマリの悪口きいて
怒ったんだって」
ヒマリ「え!」
ハルハ「知り合いとかなのかな??」
ヒマリ「うーん」
*...・・・*...・・・*
きぃぃぃ。
ヒマリ「やっぱり、
まだいたのですね!!」
ナツ「ヒマリ・・・」
ヒマリ「聞きました。殴った原因」
ナツ「そっか・・・」
ヒマリ「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
ナツ「びくっ」
ヒマリ「なっくん?」
ナツ「今さら?」
ヒマリ「思い出せなくって
ごめんなさい」
ナツ「いいよ」
ヒマリ「さみしくって、もうこのことは
頭のどこかにやろうと思っていたら、
ホントにどこかに
いってしまってたんだわ」
ナツ「そっか。悪かった。
急に引っ越しして」
ヒマリ「しょうがないよ」
ナツ「ひとつ聞いていい?」
ヒマリ「??」
ナツ「なんで無表情になったの」
ヒマリ「悲しくて・・・
笑うっていうことがなかったら、
悲しいっていうことも
なくなると思って」
ナツ「そっか」
ナツ「なぁ。好き」
ヒマリ「え?」
ナツ「昔みたいに
ニコニコしたヒマリが。
だから笑って?
ううん、俺が毎日笑わしてやる。
だから、俺と付き合って?」
ヒマリ「うんっ。(ニコ)」
ナツ「さっきとは、
えらい変わりようだな」
ヒマリ「いきなり方向音痴って
言ってくるひと、
好きになれるわけないもん。
・・・けど」
ナツ「?」
ヒマリ「今は、大好きだよ」
*end*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
国本 姫万里
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