ありのままの私

CAST池未来実

作者：つばきょん

2020.02.01

クルミ「マナ、おーはよっ！」

私はクルミ。
学校では優等生キャラで、
あんまり目立たないタイプ。

でも、私には
隠している秘密がある。
それは・・・

“ギャルにはまっている”

ということ。

学校とはずいぶんと
キャラが違って、
受け入れてくれなそう、
という理由で、
親友のマナ以外、
誰も知らない。

マナ「びっくりするから
急に飛びつくなし?!」

クルミ「そうだ！
今度の土曜日、遊べる？
隣町のデパートに、
新作タピオカ店出たの！
一緒に行こ？」

マナ「ごめん
その日行けない!!
受験勉強、親にやれやれって
言われてきかないんだよ～。
クルミこそ、勉強しないと
受験やばくないの？」

クルミ「大丈夫大丈夫！
それよりも流行りに
乗らなくちゃ。
じゃあ、その日は私１人で
行ってくるから。
美味しかったら
今度一緒行こ？」

マナ「味わってきてね！」

クルミ「あーい」

＊。・　土曜日　・。＊

よしっ。

持ち物よしっ。

メイクよしっ。

クルミ「行ってきまーす」

クルミ「タピオカ美味しいかな??
ここは定番のミルクティー？
それともチャレンジして
みちゃおっかな??」

その時。

コウショウ「あれ？
ク、クルミさん？」

クルミ「コ、コウショウ君・・・」

やばいっ・・・
クラスメイトの
コウショウ君だ・・・

この噂が学校中に知れ渡ったら
私もう・・・恥ずかしくて
学校行けないよ・・・

コウショウ「・・・いつもより、
可愛い」

クルミ「え？　今なんて？」

コウショウ「いやっ、
なんでもないよ。
あの・・・またね」

あーこれは引かれた・・・

コウショウ君が
友達に噂広げるのも
時間の問題・・・

今度放課後、
学校で会って
言わなくちゃ・・・

もし噂広がっちゃったら、
マナにも迷惑かかるな・・・

私がこんな格好して、
こんなメイクして、
絶対心の中では
笑ってたよな・・・

タピオカを飲みながらも
そんなことばかり思ってて、
美味しいとか、味わうとか、
それどころじゃなかった。

＊。・　学校　・。＊

クルミ「おはよ・・・」

マナ「おはよう～。
なんかクルミ、元気ない？
あ、そういえば、
タピオカどうだった？」

クルミ「それがさぁ・・・
行く途中にコウショウ君と
会っちゃって、
それどころじゃなくって・・・」

マナ「それ、
大丈夫なの？」

クルミ「絶対知られたく
なかったもん・・・
だから、この秘密を
広げられないように、
ちゃんと放課後、言う」

＊。・　放課後　・。＊

クルミ「ごめんね、
こんなところ
よんじゃって・・・」

コウショウ「大丈夫。
それより、話って？」

クルミ「あの、前の土曜日、
私とバッタリ
会っちゃったでしょ？
お願いなんだけど、
その時のこと、みんなには
言わないでくれる？
その・・・
キャラじゃないし・・・」

コウショウ「えっ、
いや・・・別に・・・
可愛かったけど？」

クルミ「え？」

コウショウ「いつもの学校の
クルミさんより、
ああいう自分の好きな格好をして、
堂々と歩いてるクルミさんの方が、
俺は好き。でも・・・」

クルミ「でも？」

コウショウ「俺、もともと
クルミさんのこと、
好きだったんだ。
だから、どのクルミさんでも、
俺は好きだよ」

クルミ「好きって・・・
告白？」

コウショウ「まぁ、うん」

クルミ「こんな私でも、
受け入れてくれるなら・・・」

コウショウ「じゃあ、
俺の前ではずっと
ギャルでいてほしい」

クルミ「もちろんっ！」

私の恥ずかしい秘密は、
こうして無事に
広がらずに済んだ。

これがきっかけで
コウショウとも
付き合うことができたし、

ギャルでも
悪くないんだって思えた。

ギャルを
受け入れてもらえて、
私は本当に嬉しかった。

だから、私は
これからもずっと、
マナと、コウショウと、
ギャルと、
仲良しでありたい。

＊ｅｎｄ＊