iPadで紡がれる恋

CAST池未来実

作者：このか

2021.06.11

私に彼氏ができたのは、
iPadがきっかけだった。

私、クルミ。
私のクラス、
今日はみんな朝から
ソワつき気味。

なぜって・・・
私の学校では、
生徒全員に
iPadが配られる。

その中には
自分の好きなアプリを
いれていいんだって！

それで、今日は
その当日。

まあ、そりゃみんな
落ち着かないよね・・・

「クルミ、絶対
グループライン作ろうね!!」

ココハも例にもれず
ソワつき気味。

いつも
ハイテンションだけど、
今日は特にだよ！

「モチ。ココハと
マノカとナナとは
１番に作るって
決めてたの!!」

「よし!!　全員に
配り始めるぞ～」

やっと先生の掛け声。
ああ、楽しみ～！

*　‐‐‐　＊　‐‐‐　*

放課後・・・

「よし。
私、ライン
登録し終わったよ～！」

私が登録したのは、
ココハ、ナナ、マノカ、
レンの４人。

とりあえず、
すごく親しい４人に
絞ったよ！

「やっぱりレンと
つないだんだ～」

ナナが早速
茶化してくる！

「もう！
別に違うし～」

一応否定して
おいたけど・・・

本当は、
私の片思いしている
相手。

一昨年同じ
クラスになって、
それからずっと好き・・・

でも、レンの気持ちは
分からないまま
なんだよな・・・

*　‐‐‐　＊　‐‐‐　*

夜・・・

ココハから
ラインが来た。

「では早速、夜の恋バナ大会
始めちゃいます！
ココハがいろいろ
聞きだしちゃうよー/////
じゃあ皆さん、
気になっている人教えてね!!」

わあ面白そう！
でもこれ、
ナナ・マノカは
答えるのかな？

「私はレンが、
やっぱり好き！
超モテるだけあって、
顔とか性格とか、
すっごくカッコいい！」

と入れ送った。

「あれあれ～！
クルミ、
答えてよ～」

ココハからメール。

えっ？
私今送ったよね？
どういうことだ～!!!

その日は疑問を抱えながら
寝たんだけど、

それが明日こんなことに
なるなんて、
想像もしていなかったんだ・・・

*　‐‐‐　＊　‐‐‐　*

翌日・・・

「クルミ、
ちょっといい？」

私はレンに
呼び出された。

私の心臓はちょっと
ドキドキ。

「どうしたの？
なんかあった？」

「クルミ、
昨日の本気？
もしかして冗談？」

「えっ・・・
何のこと？」

「ああ・・・
間違えて
送ったんだな。
ほらこれ・・・」

と言って見せてきたのは
私が昨日の夜、
私たち４人の女子グループに
送ったと思っていた、
あの恋バナメールだった。

「ココハたちに聞いたら
それ、自分たちのグループに
送ってこようとしたやつ
じゃないかって・・・
クルミ」

改まった口調で
切りだされ、
私の緊張はマックス。

「クルミ。
クルミのことが好きだ。
俺と付き合ってください・・・」

なんで・・・
レンは超モテる。

幼なじみでもない私となんか、
付き合ってくれないと
思っていたのに。

でも。でも。
すごくうれしくて。

どうしようもなく
うれしくて。

だって、生まれて初めて
本当に好きになれた、
そのヒトだから。

「はい・・・!!
もちろん・・・!!!」

こうして私は、
超モテモテのイケメンの
彼女になれました/////

＊ｅｎｄ＊