「お互い」記念日。

CAST十文字陽菜

作者：のんちゃん

2025.09.14

キミは突然、転校してきた。

キミは私と、同じ部活に入った。

キミが来たあの日から、私は・・・

・・・＊・・・＊・・・＊・・・

９月。

夏休み明けすぐに、
転校生が来た。

？「北海道から来ました、
今井ハルトです。
よろしくお願いします」

ワカナ「ヒナノ！
転校生かわいい系だね！」

ヒナノ「え？　あ、うん」

私、十文字ヒナノ、中３です！

親友のワカナは、かわいい系男子が
好きみたい。

私は恋愛とか興味ないし、
部活さえあればいい。

ハルト「えーっと・・・十文字さん？
席、隣だから・・・よろしく」

ヒナノ「あ、うん。よろしく」

・・・＊・・・＊・・・＊・・・

ハルト「十文字さん！
教科書まだもらってなくて・・・
見せてもらってもいいかな？」

ヒナノ「いいけど・・・」

・・・あれ。

見せるってことは。

机くっつけるってこと!?

ハルト「机、移動させるね」

今井くんは、慣れない手つきで
机を移動させた。

ヒナノ「今井くんって・・・
部活どうするの？」

ハルト「ん？　あー。
ソフトテニスにしようかなって」

ヒナノ「そっか・・・
じゃあ、私と一緒だ」

私は、なんでこんなこと
聞いたのかなって、今さら思った。

ハルト「ヒナノ」

ヒナノ「え・・・っ！」

ハルト「ヒナノ、って呼んでいい？
俺のことはハルトでいいから」

ヒナノ「う、うん・・・」

ヒナノ。

そう呼ばれた瞬間、
身体中が熱くなった気がした。

・・・なんか

自分の名前じゃないみたい・・・

・・・＊・・・＊・・・＊・・・

ワカナ「部活行こ！」

ヒナノ「うん！　・・・あ」

私は、ハルトのことが
気になった。

ワカナ「ヒナノ？
なんか今日変だよ？」

ヒナノ「ごめん・・・
よくわかんないんだけど、
ハルトのこと気になるんだよね・・・」

ワカナ「・・・好きなんじゃない？」

ヒナノ＆ハルト「え」

え？　え？　ん？

ヒナノ「ハルトーーーーーー!?」

ハルト「ごめ・・・///
部活のこと
教えてもらおうとしたら・・・」

こんな近くにいたなんて!!

・・・でも。

ヒナノ「１日で好きになるとかないし！
恋愛に興味ない人だよ？」

ワカナ「・・・とりあえず、部活行こ？」

・・・＊・・・＊・・・＊・・・

ヒナノ「疲れたー！
ハルト、見学してみてどうだった？」

ハルト「・・・・・」

ヒナノ「ハルト？」

どうしたんだろう・・・

ハルト「一緒に帰ろ？」

え・・・っ？

ヒナノ「いいけど・・・」

私たちは話すことなく、
ひたすらに歩いた。

ハルト「俺の話、聞いてくれる？」

沈黙を破ったのは、
ハルトのそんな言葉だった。

ヒナノ「話って・・・？」

ハルト「俺さ、前の学校で
つきあってた人がいて。
でも、その人に裏切られたんだ」

・・・裏切られた？

ハルト「ずっと一緒にいようって
言ってたのに。
その人には、俺の他に
５人もつきあってる人がいたんだ」

ハルト「それから何もかも
信じられなくなった。
でも・・・
今日ヒナノと出会って、
まだ１日だけど、
ヒナノは信じていい人だなって思った」

信じて・・・いい人？

ハルト「ごめんね。こんな話・・・」

ヒナノ「・・・じゃない」

ハルト「え？」

ヒナノ「こんな話なんかじゃない!!
私だって１日だけど、ハルトのこと・・・
今まで男子なんか
気にしてなかったのに・・・」

話してるうちに、
涙がこみ上げてきた。

なぜかわからないけど、
キミが気になって。

どこかわからないけど、
熱を持ってて。

たった１日なのに。

キミのこと、もっと知りたくなる。

ハルト「ヒナノ・・・ありがとう」

ヒナノ「今日を・・・記念日にしない？
ハルトにとっては、『信じる記念日』で。
私にとっては、『恋愛記念日』」

ハルト「何それ。（笑）」

ヒナノ「ハルト・・・好きです」

ハルト「・・・ヒナノ。
そっくりそのまま返します」

また

私の名前が特別になった。

＊HAPPY END＊