陰キャ、卒業しました

CAST十文字陽菜

作者：にこらぶ

2024.06.16

こんにちは。
十文字ヒナノです。

私はいつも、みつあみと
メガネをしていて The 陰キャで、
周りからいじめられています。

でもまだみんなは
私の正体を知らないんです。

それは・・・

ヒナノ「みんな～！　やっほ～！」

ファン「きゃ～～!!」

日本で知らない人はいない
ニコラーズラブ、通称ニコラブの
アイドルなんです。

みんなその正体を知ったら・・・・
すごいことになるので
ずっと秘密にしてきたんですよね。

・＊。・　学校　・。＊・

コハナ「てかさー
この前の番組見た?!」

ヒマリ「それな?!
ひーちゃん
可愛すぎるんだけどぉ～/////」

また私のこと話してる・・・

ヒマリ「あ、陰キャ来た！」

この２人からは
陰キャって呼ばれてます。

コハナ「てか、なんでいつも
メガネしてんの？
あ！　視力が悪いからか！」

違います。
実はこのメガネ、
ダテメガネなので
視力はいいほうなんですけど・・

ヒマリ「視力１．０以下の人
頭悪いんだって！」

コハナ「え！　まじ？
じゃああんた１＋１も
解けないんだ！
ウケる（笑）」

ヒマリ「永遠にテスト０点だね（笑）」

ヒナノ「・・・・」

こんな会話を
毎日聞くなんてつらいよ・・・

・＊。・　帰り道　・。＊・

ヒナノ「はぁ・・・・
いつになったら陰キャを
卒業できるんだろう・・・・」

フタバ、ミサキ「あれ？
ヒナノじゃん！」

ヒナノ「あ、フタバとミサキだ。
どうしたの？」

この２人は
私のクラスメイトで、
家が隣なんです。

フタバ「どうしたの？
じゃないよぉ～。
顔がすごく暗いじゃん！
なにかあったの？」

ヒナノ「な、なんでもないよ」

ミサキ「明らかに
何かあった顔してるぞ」

ヒナノ「えっと・・・・」

私は今まで２人に
いじめられてきたことを
全て話した。

ミサキ「その２人が今まで
ヒナノをいじめてたって訳ね」

フタバ「そんなのひどすぎる！
絶対に仕返ししてやる・・・！」

ヒナノ「でも、どうやって・・・（泣）」

フタバ、ミサキ「私達に任せて！」

ヒナノ「２人とも・・・
ありがとう・・！」

・＊。・　LINEにて　・。＊・

ヒナノ『で、どうするの？』

フタバ『それはね・・・あ！
ちょっと用事思い出しちゃった！
ごめん！　ミサキと話して！』

えぇ～！　２人で?!
なんか緊張する・・

ヒナノ『えっと・・・ミサキ？
どうするの？』

ミサキ『あれ？　フタバは？』

ヒナノ『フタバならさっき
用事あるって言ってたよ』

ミサキ『あいつ今日
なんも用事ないのに
どこ行ってんだ』

ヒナノ『え？
じゃあなんで２人だけに
したんだろう』

ミサキ『まぁそれはさておき、
本題に入るよ』

ミサキ『俺がヒナノの
彼氏役になる作戦なんだけど』

か、彼氏ぃ?!
いやどういう作戦なんだ（笑）

ヒナノ『でもミサキに迷惑じゃない？
わざわざ私の彼氏になるなんて・・・』

ミサキ『いいの。
てかこの作戦
フタバが考えたらしい』

そうだよね。
びっくりした～。

こういうのフタバ
よく考えるからね。

ヒナノ『じゃあその作戦で
お願いします・・・』

ミサキ『じゃ、早速明日から実践ね』

ヒナノ『えっ！　早すぎない？』

ミサキ『早く陰キャを
卒業したいんだろ？』

ヒナノ『うん・・・そうだよね。
頑張る』

ミサキ『別にヒナノ頑張らなくても
俺がヒナノを守るだけだし』

ま、守る？
まぁそっか彼氏・・・ん？

ヒナノ『ちょっと待って、
彼氏って仮だよね？』

ミサキ『そうだよ。
俺だって好きな人はいるし
本格的に付き合うのは
まだ早いし』

ヒナノ『好きな人・・・いるんだ。
誰？』

うわ！
つい気になって
聞いちゃった！

ミサキ『俺と同じクラスの子』

同じクラス・・・
絶対フタバじゃん！

そっか、
ミサキはフタバが好きなんだ。

だから、今回の作戦は
仮彼氏なのね。

でもとにかく頑張ろ。

・＊。・　翌日　・。＊・

フタバ「ヒナノ。
ミサキにくわしく
教えてもらった？」

ヒナノ「うん」

フタバ「よかった。
じゃあ私も頑張るから
安心してね」

よかったね。
あなたはミサキに
好かれてて。

コハナ「あ、来ましたね
陰キャ（笑）」

ヒマリ「今日さ、
あの作戦でいこ」

コハナ「おけまる」

コハナ「やーい陰キャ！
そろそろメガネはずしたら？」

ヒマリ「もうそんな物
いい加減いらないでしょ（笑）」

コハナ「メガネもーらい！」

ヒナノ「ちょっと・・・」

あー！
正体がバレてしまう・・・
最悪だよ・・・・

コハナ「え・・・嘘・・・」

ヒマリ「ヒナノってまさか・・・・」

コハナ、ヒマリ「ひーちゃんなの?!」

女子「ヒナノが
ひーちゃんだって?!」

男子「まじか！　最高！」

はぁ・・・
地獄の始まりだ・・・

コハナ「いやいや！
そんなことない！
きっと似てるから
浮かれてるのよ！」

ヒマリ「そうよ！　ね！
みんな？」

女子「明らかにあれは
ひーちゃんだよ！」

男子「あの異次元の髪の長さは
誰にも負けないって噂だし・・・
本物だよ！」

フタバ「おっはよ～！
って、ええーー！
ヒナノってひーちゃんなの?!」

ヒナノ「うん。そうだよ。
ずっと秘密にして
おきたかったけどね・・・」

コハナ、ヒマリ「・・・・」

フタバ「なに～？
もしかしてもう
いじめられないとでも
思ってんの？」

コハナ「え？」

フタバ「ヒナノをいじめる理由が
意味分からないんだよね～。
教えてくれる？」

ヒマリ「なんかみつあみと
メガネしてたら
すごく陰キャに見えちゃって
つい・・・」

フタバ「つい？
そんなことないでしょ！
正直に言いなさい！」

コハナ「実はヒナノが
ひーちゃんってこと
知ってたの」

ヒナノ「え？」

ヒマリ「だからあんなに
可愛い子がいたら
私達の存在が
消されてしまいそうで・・・」

ヒナノ「そうだったんだ・・・
でも人をいじめて
良い気持ちにはならないよね」

コハナ「・・・・」

ヒナノ「相手の気持ちがどうなるか
考えた上で話したほうが
私も悲しい気持ちには
ならないからさ」

コハナ、ヒマリ「ごめんなさい・・・」

ヒマリ「今までそんなこと
一切考えてなかった・・・・
今日からきちんと
気をつけるね！」

コハナ「本当はヒナノと
仲良くなりたい！
だめ？」

ヒナノ「ちゃんと謝ってくれたから
許してあげる！
今後一切そんなことしないでね？」

コハナ、ヒマリ「もちろん！」

フタバ「ヒナノ良かったね！
全部自分で解決しちゃって
すごかったよ！」

ヒナノ「でも、私の正体
バレちゃって最悪だったよ」

フタバ「そんなことないよ！
それに・・・」

ヒナノ「それに？」

ミサキ「ヒナノ！」

ヒナノ「あ、ミサキ・・・
どうしたの？」

ミサキ「来て」

ミサキ「今日一切
俺の担当なかったな（笑）」

ヒナノ「ごめん・・・
自分で解決しちゃった・・・」

ミサキ「でも、自分で解決できるって
すごいよ」

ヒナノ「ありがとう」

ミサキ「あとさ、
ずっと言いたかったんだけど」

ヒナノ「うん」

ミサキ「どんなヒナノでも
俺は大好きなんだ」

ヒナノ「え・・・？」

ミサキ「俺と付き合ってくれませんか？」

まさかこんな日が
来るなんて・・・

ヒナノ「でも私
アイドルで忙しいよ？
会える日が少ないけど・・・・」

ミサキ「ヒナノは精一杯
お仕事頑張れば
それでいいんだよ。
応援してる」

ヒナノ「・・・・ありがとう（泣）
よろしくお願いします・・・！」

ｈｕｇ

ミサキ「ヒナノは俺が守るから。
安心して学校行きな」

ヒナノ「もちろん・・・！
じゃあ登下校は一緒ね？」

ミサキ「そんなの
当たり前だろ？」

ヒナノ「うん・・・そうだよね！」

～おしまい～