新年の願い事

CAST十文字 陽菜十文字 陽菜

作者:みなの

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2024.10.29

一月一日、陽菜は
幼なじみの優行と
初詣に来ていた。





2人は毎年一緒に
初詣に来ていたけれど、
今年はなんだか
雰囲気が違う気がする。





優行のいつもより
真剣に見える表情に
陽菜は胸がドキドキした。





「ねえ、優行。
今年の抱負、なんかある?」





陽菜が尋ねると、
優行は少し考えてから
答えた。





「うーん・・・
もっと勇気を持つことかな」





「勇気?」





去年までの優行なら
もっと具体的な目標を
話していたのに
今年はちょっと違う。





「うん」





優行がうなずく。





「自分の気持ちに
もっと素直になりたいんだ」





陽菜は、ドキッとした。





もしかして、優行が
自分のことを・・・?





そんな思いが
頭に浮かんだが、
すぐにそれを隠して
笑顔を作った。





「そうなんだ。
私も、もっと勇気を
出さないとな~」





2人はそのまま
境内に着いた。





手を清めて、鈴を鳴らし、
陽菜は目を閉じて
心の中で願った。





「今年こそ、優行に
気持ちを伝えられますように」





祈りが終わると、
陽菜はワクワクしながら
おみくじを引いた。





おみくじを開き
【大吉】の文字を見て、
うれしそうに優行に





「見て! 大吉だよ!」
という。





優行が、にっこり
笑って言った。





「おめでとう、陽菜。
俺も・・・」





その時、優行が
言葉を途中で止め、
真剣な顔をして
陽菜を見つめた。





陽菜の胸は
一気に高鳴った。





いつもと違う眼差し。





「陽菜、実は俺、
ずっと言いたかったことが
あるんだ」





その言葉に、陽菜の心臓は
ドキドキしすぎて、
言葉が出なかった。





優行の顔が真剣で、
目が真っすぐ
自分を見ている。





もしかして、
これが告白・・・?





「俺・・・ずっと、
陽菜のことが好きだった」





その瞬間、陽菜の心は
大きく跳ねた。





優行が、自分の気持ちを
言ってくれた!





うれしさと驚きが
一気に押し寄せて、
陽菜は無言のまま
何度も首を縦に振る。





優行は少し
照れくさそうに続けた。





「でも、ずっと言えなかった。
今の仲が良い
幼なじみっていう関係が
壊れるのが怖くて・・・
だけど、今年こそ
勇気を出そうと思って」





陽菜はしばらく
黙っていたけど、
やっと口を開いた。





「私も・・・ずっと、
優行のことが好きだった。
毎年、こうして一緒に
初詣に来るたびに、
今年こそは告白しようって
思ってたんだ」





その言葉を聞いて、
優行の顔が
ぱっと明るくなった。





2人は照れくさそうに
笑い合った。





冬の寒い神社の境内で、
2人の間だけ
あたたかい空気が
流れたように感じた。





「じゃあ、これからは
もっとお互いに素直になって、
一緒にいようか」





優行が言うと、
陽菜は満面の笑みで
うなずいた。





「うん、ずっとよろしくね!」







・:*+・/end/・:+

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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