受験と恋の方程式

CAST十文字 陽菜十文字 陽菜

作者:みなの

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2024.10.27

冬の寒さが厳しくなる中、
陽菜は毎日塾の
自習室に通っていた。





受験まであと2ヶ月。





緊張感がただよう
静かな空間で、
陽菜は必死に問題集と
向き合っていた。





ある日、集中して
問題を解いていたら
陽菜の消しゴムが
机から転がり落ちた。





床に当たる小さな音に、
陽菜は少し遅れて気づいた。





落ちた消しゴムを見ると
隣の席の男子が
すばやく身をかがめて拾っていて、
陽菜に差しだした。





渚夏「はい、落ちてたよ」





陽菜「あ、ありがとう・・・
名前は?
私、陽菜!」





渚夏「渚夏っていうよ。
隣の席だからよろしくね」





その瞬間、
2人の目が合った。





隣の席の男子の
優しい眼差しに、
陽菜の胸が音をたてた。













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





それから数日後、
塾の小テストの結果が
返ってきた。





陽菜は英語で
思うような点数が取れず、
落ち込んでいた。





渚夏「大丈夫?
なんだか
元気ないみたいだけど」





陽菜「え?
あ、うん・・・
英語の点数があまり・・・」





渚夏「そっか。
英語得意だから、
よかったら教えるよ」





陽菜「本当に?
ありがとう!」





こうして2人は
勉強を教え合うようになった。





英語を教えてもらう代わりに、
陽菜は渚夏に
得意な数学を教えた。





志望校も同じなことが分かり、
勉強を重ねるうちに
2人の距離は
自然と縮まっていった。













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





受験の2週間前、
陽菜は決意を固めて
自習室に向かった。





カバンの中には、
昨日神社で買った
お守りが入っている。





陽菜「あの、渚夏くん。
これ・・・」





陽菜は少し照れくさそうに、
青色のお守りを渚夏に差し出した。





陽菜「合格祈願のお守り。
よかったら・・・」





渚夏は驚いた表情をうかべたが、
すぐに優しい笑顔に変わった。





渚夏「ありがとう、陽菜。
実は、僕も・・・」





そう言って、渚夏も
カバンからピンク色のお守りを
取り出した。





渚夏「陽菜にあげようと
思ってたんだ」





2人はお守りを交換した。
その瞬間、2人の指先が触れ、
陽菜はドキドキした。













* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





受験当日は
互いに励まし合って
試験にのぞんだ。





そして、ついに
合格発表の日がやってきた。





寒風が吹く中、
学校の掲示板の前には
大勢の生徒が集まっていた。





陽菜と渚夏も、
緊張した顔で掲示板に近づく。





陽菜「私、怖くて見られない・・・」





渚夏「大丈夫、
きっと合格してる。
一緒に見よう」





渚夏が陽菜の手を優しく握り、
2人で掲示板を見上げた。





そこには・・・





陽菜&渚夏「あった!」





2人の受験番号が
掲示されていた。





喜びのあまり、
陽菜は思わず
渚夏に抱きついた。





陽菜「やった!
私たち、合格したんだね!」





渚夏「うん、
2人とも合格だ!
お守りのおかげかも」





2人で喜んでいると
渚夏は急に真剣な表情で
陽菜を見つめた。





渚夏「陽菜、実は・・・
ずっと前から言いたかったんだ。
好きです。
付き合ってください」





陽菜は驚きと喜びで
飛び跳ねそうな気持ちをおさえ、
小さくうなずいた。





陽菜「私も・・・
渚夏くんのことが好き」







*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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